好評なマジック
丸山はマジックを披露する為にまずは駿から100円玉を借りてマジックを披露する事を宣言する。
「はーーい、皆様ご注目!ここにありますは暁君から借りた100円玉、そしてこちらにありますは何の変哲もない爪楊枝です」
「爪楊枝、まさか⁉」
「これからこの爪楊枝を使ってこの100円玉を貫通したいと思います!」
「おいおい、爪楊枝で100円玉を貫通できるわけないだろう」
高史が爪楊枝では100円玉を貫けないだろうと言うと、丸山はほくそ笑みながら貫く事を試みる。
「ではこれより、貫きます、皆さんご覧ください!」
そう言って丸山は爪楊枝で駿から借りた100円玉を貫き、一同は驚き、駿は特に大きな声で叫んでしまう。
「うそ!」
「すごいわ!」
「え?えええ⁉」
「マジか!」
「あ、あああ俺の100円があああああ!」
一同が驚き、駿が絶叫する中、丸山は微笑み、爪楊枝を抜く事を告げる。
「ご安心を爪楊枝を抜けば不思議と100円玉は元通りです!」
そう丸山が告げ、爪楊枝を抜くと100円玉に穴は開いておらず、その100円玉を駿に返し、他のメンバーも100円玉を確認する。
「ああ、良かっただけど傷1つ無いんだな」
「俺にも見せてくれ、すげえなどうなってんだ?」
「丸山、こういのってタネも仕掛けもないって言うけど、本当はどうなの?」
「そうだね、じゃあみんなにだけ教えるけど、他班には内緒だよ、実はね……」
丸山はコインマジックの種明かしをして、それを聞いた班のメンバーは驚きを隠せないでいた。
「そうなのか、いやでもすごく練習したんだな」
「ま、まあ俺は知ってたけど、他にもいろいろ練習していたよな」
「そうなの?丸山君、他には披露できるマジックってある?」
「待ってね、あとは……」
その後、丸山は旗が口から出てるように見えるマジック、水がコップからこぼれないマジック、カードの数字と絵柄を当てるマジック等様々なマジックを披露し、更に駿達にもマジックの種明かしをしたのである。
「いやーーー、丸山さあ、これクラスのみんなに見せたら人気者だよ、翌日から女子からもモテモテだよ」
「え!そうなのか!それじゃあ俺もマジック身に付けようかな!」
「いや、奥野、丸山の後にやっても単なるまねっこだからさ」
「じゃあ、丸山より早く……」
「奥野君、それをされるとウチの班としてはちょっと困るのよね、ネタバレになっちゃうから」
「早くもマジックモテモテ計画が崩れてしまった」
高史の嘆きはさておき、丸山のマジックは班員には概ね好評であった。