適正距離
ホワイトペインターがペイントボウを使用し、的に当てたのを見て、リサはそこがホワイトペインターの適正距離といい、意味が分からずホワイトペインターはリサに尋ねる。
「あの、適正距離ってどういう意味ですか?」
「そうね、一応私達のような競技者は決められた距離で結果を出さないといけないけど、これは魔物との戦い、いわば命がけの戦いだし、一番敵に当てやすい自分の距離感を掴んでおいた方がいいと思うの」
「確かにそれはそうですよね」
「さっきの的当てにしてもホワイトちゃんは1歩だけ前には出たけど、ダンプリちゃんよりは適正距離が長いし、これからも後方で補佐しながら戦うのがいいかもしれないわね」
ホワイトペインターは自身の性格、センス、武器の性質の違いそれぞれからダンジョンプリズマーより適正距離は長い事を言われて後方からの戦いが良いとの助言を受ける。
「確かにな、プリズムレイザー、と言うより、私自身が数撃てば当たるタイプだから、ホワイトペインターが少しでも後ろから援護してくれると安心感は違うかもな」
「ダンプリちゃんも、どうやらホワイトちゃんの方が狙撃が上手いと思っているみたいだし、前衛のダンプリちゃん、後衛のホワイトちゃんは理想的かもね」
「そうですか、でも私はリサさんみたいに早撃ちは得意わけではないので……」
「早さも大事だけど、これは実戦で慣れていくしかないわね、確かペイントボウって威力調整ができるけど、それって時間は浪費する?」
ホワイトペインターは狙撃はダンジョンプリズマー以上ではあるものの、あまり早撃ちは得意ではない事を打ち明け、その話を聞いたリサはペイントボウについて言及する。
「えっと、自分の魔力をどれだけ込めるかを決めてから撃つので発射そのものには時間はかかりません」
「そうなのね、魔力を込める量をざっくりでもいいからあらかじめ決めておけば発射までの時間は短縮できるんじゃないかしら」
「確かにそれはいいかもしれませんね!」
「じゃあ今度は狙撃のコツだけど……」
そこから武器の構え方や位置取りまで説明を終え、ホワイトペインターへの指導を終える。
「はい、お疲れ様ね、少し長くなりすぎたし、今日はここまでにしましょうか」
「そうだな、そうすると私の空手講座は?」
「明日と言いたいところだけど、少しは攻略も進めたいし、また機会をうかがいながら決めましょう」
「そうだな、じゃあ今日は解散とするか」
狙撃講座に時間がかかった為、とりあえず本日は3人は解散する事としたのである。