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星になりたい少女

 シンシンと冷えた夜に

 星に成りたいと彼女が言ふので

 僕はスマホで検索をして

 アイドル事務所に応募した。


 門前払いに項垂れた

 彼女があまりに愛しくて

 ガラクタの山で部品を集め

 ロケット作って星を目指す


 パラパララ

 地上を核で焼き尽くし

 きのこ雲の傘に乗り

 グングン加速し遂に飛立つ


 ロケットエンジン始動させ

 太陽風を帆に受けて

 満天の星の海を征く

 「わたしも星に成れるかな?」

 

 ヒュルルル

 ズドンと鉄屑地上に墜ちて

 ふわりと二人は星に降り立つ

 透ける体で寝転がり、満天の星の空を見る

 「遠くに来たね」

 「楽しかったね」

 「わたしは星に成れたかな?」


 少女の魂は地に溶けて、小さな花を星に咲かせた。

 やがて花は朽、土となり今度は大きな気に成って

 ブンブンブン

 ある時は虫、ある時はトカゲ、クラゲになったり鳥になったり、男になったり女になったり

 ぐるぐるぐるぐる時は流れて

 ぐるぐるぐるぐる魂は巡る


 幾年月、万物の中を潜り抜け

 星の全ては少女に成って

 少女はようやく星に成れた。


 男はそっとペンを置き

 絵筆に持ち替え星を描いた。


 あぁ美しい星の輝き

 男は星に成りたくて

 スマホでポチポチ検索をする

 「どのコンクールに出そうかな」


END

 

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