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身を守るために

 翌朝。私は覚悟を決めて朝食の席へ向かった。メイドに案内され部屋に向かうと、既に朝食の準備は済まされていた。

「おはようございます、お父様、アスター、マリー。」

今朝部屋に用意されていたドレスのスカートを少し持ち上げながらお辞儀をする。

「うむ。おはよう。」

「おはようございます、姉上。」

「おはようございます、お姉様。」

アスターたちと会釈を交わし、席に座る。

「では、いただこうか。」

フォークを持ち、食べ始める。貴族はいつも豪華な食事ばかりだ。たまには、質素な食事も食べてみたいものだ。

「ローズ。昨日の答えは決まったかね?」

王様のその言葉に反応して、アスターとマリーがなんのことだろうと首を傾げた。

「はい。お受けしたく思います。」

私は手を止めてそう答えた。王様は嬉しそうに頷いている。

「お姉様、なんの話ですか?」

もりもりと口の中に朝食を含んでいる、可愛らしいマリーの問いには、お父様が答えてくれた。

「お前を逃そうと思うんだ。ローズと一緒にね。」

何からか、なんて言わなくても伝わるだろう。どこまで逃げることになるかはわからないが、逃げ切れる可能性があるなら逃げたほうがいいだろう。

「でも、途中で捕まったら……。」

不安な声を出すマリーの頭をアスターが撫でた。

「そうですね。その件に関しては、どうお考えですか?」

もちろん、考えはある。勇者のマリー、全属性が使える私。鍛えればある程度は強くなれる。安全なところにたどり着くまでの、時間稼ぎにはなるんじゃないだろうか?

「なんと、全属性使えるのか!?」

「まあ、色々ありまして……。」

家族になったんだから、隠しておく必要もないだろう。

「そうか。では、教師をつけようか?」

「あ、大丈夫です。」

戦い方や使い方は、ゼラに聞けばわかるだろう。全てを知り尽くしたゼラなら、きっといい教師になる。

「あてがありますので。」

私はそういうと席を立ち、お辞儀をしてからその部屋を後にした。


 ドレスから運動しやすそうな服に着替える。もちろん、私は曲がりなりにも王女なので、この服にもフリルはついているが。まあ、関連するだけなら問題はないだろう。

時間は大丈夫かと、時計を見る。そろそろマリーと約束していた時間だ。急いで訓練場に向かわなくては。

「ゼラ、行こうか。」

「うん。カトレア。」

さあ、鍛えるわよ!

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