日本中の人が一度は話したことがある話題について、高校生がハイレベルな議論する話
この世には絶対に相容れない存在がある。
たとえば、
水と油のように。
天使と悪魔のように。
善人と愚者のように。
二次元か三次元が好きかのように。
お互いが双方の主張を受け入れられずに対立する。
恐らくそれは歴史の、自然の、科学的な摂理であり物事の真理でもある。
それは高次元であり、時には低次元でもある。
今日はそんな相容れない二人の話に耳を傾けてみる。
「おっきい方がいいに決まってる! 」
「いいや、小っちゃい方がいいに決まってるじゃん」
言い争っているのはとある高校生の二人、空と海である。
二人は幼馴染であり、もう一人の幼馴染がいる。もう一人の幼馴染は愛美、その子はここにはいなかった。
「いやいや大きい方が好きな人多いでしょ」
「男が全部巨乳好きとは限らない」
そう、この二人は巨乳か貧乳かの争論をしている。
今まで人類において数多くの人達が議論したであろう内容である。
恐らく議題に上がった題目としてはかなり上位だと思われる。
ちなみに一位は『今日のご飯なに? 』である。
「それに、大きいと何がいいの?」
「胸は夢で育つというじゃん」
「ただのバカじゃん。ほとんど脂肪だよ、あと乳腺」
「お前、巨乳の多くを敵に回したぞ」
「世界的に多いのは巨乳じゃなくて貧乳だから大丈夫」
「うぬぬぬぬ」
二人の高次元な争論の事の発端は、一緒に見ていた雑誌にあった。人気芸能人がグラビアに挑戦し、たわわな胸を惜しみなくだしていたのだ。
着てると大きく見えないのに不思議、盛ってるだろ? てか胸の大きさとかよくない? 顔が良ければいいでしょ? いやいや!
そんな神々の言い争いのように発展していった。
「胸がある方が女の子っぽい」
「それ貧乳にケンカ売ってる」
「じゃあ貧乳の何がいいの? 」
「……。ほらさっきの雑誌に載ってたじゃん? 」
「はぁ? 」
「感度がいいって」
「ば、ばか! 」
もう一人の幼馴染、愛美が居ればこのような争論にはならなかっただろう。
「じゃあどっちがいいところ上げられるか勝負しよう」
「いいよ、望むところ」
「んで、愛美に見てもらおう」
「いや、それはどうかと思う」
三人はとても仲が良かった。
―――
「「できた! 」」
「よし、せーの出みせあお」
「うん、せーの! 」
それぞれルーズリーフに書かれたものを一斉に見せる。それはあまりにも空白が大きく見えた。
海のメモ
・スタイルが良く見える
・見栄がはれる
・揉みごたえがある
・乳が沢山出る
・大きい方がなんだっていい
・大きいは強い
・大きいは正義
・大きいは無敵
・夢がつまっている
空のメモ
・肩こりが少ない
・大きいとバランスが悪くなりやすい
・小さくても感度が良ければ大丈夫
・盛るのも変幻自在
・将来たれない
・走っても痛くない
・大きいと良く友達にもまれてしまう
・大きいと横に流れる。引っ張られて痛い。
・大きいと仰向けやうつぶせで寝にくい
・大きいは敵。日本人のほとんどはBかC
海は成績が悪く、空は成績がいい。
「ねぇ空。最後の大きいは無敵ってもう意味わかんないから」
「いやいや海、スタイルが良く見えるのはまだわかるけど見栄はったらダメでしょ。それに大きいからってお乳は沢山出るわけじゃない」
その通りである。
「そうなの!? いや、そんなことより、最後の三つ。どんだけデカい人想像してんの? 」
「巨乳だからGとかじゃないの? 」
「それデカすぎだ! 」
「だから巨乳じゃん。ねぇ、胸には夢は詰まってないの知ってるでしょ?夢で子供が育つわけないじゃん。あんた脳みそが詰まってない」
空は口が悪い、海は言葉遣いが悪い。
「ひどい、そこまでいう? 胸が大きいと脳みそとられたって言われるじゃん」
「あってるでしょ? 海Eカップでしょ? 成績悪いし」
「う、うん。いや、やっぱりそれ関係ないはず! 」
「そう、私は残念ながらB、寄せればCはいける。それで平均よりは上っ! だから貧乳ではない! ちなみに成績も上位であって胸に脳みそはとられてはいない!」
「ちっパイ空のくせに」
「ちっパイ言うな! 美乳と言いなさいよ! 」
「微乳」
もはや神々の議論ですら越しそうになった二人の論争は過熱するばかりであったが、乙前がらりとドアが開けられる。
「はいはい、二人ともそこまでにしたら? 」
「愛ちゃん遅いー」
「愛美、空が苛めるよ」
二人は仲良く天然のCカップである生徒会長愛美に胸を揉まれたのであった。
「「いやーーーーー!!! 」」
ほっぺを叩かれる音がステレオで響いた。
空:Aカップ。寄せてB。貧乳派、見張り
海:Eカップ。巨乳派、胸筋頑張って鍛えてる
愛美:Cカップ。美乳派。生徒会長
下ネタになりますか?