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【ガラス玉のように】
———痛い
体に銀色が入る。自分の中が荒らされているのがわかってしまう。
———痛い
やめて、やめて、と叫んでも返事はない。荒らし終えればヤツラは私を無造作に投げ捨てる。
幾百回繰り返されたその出来事に私の体は慣れもしない。
ちぎれるように流れる時間に私は私に聞いたどうしてこうなってしまったのだろう。
どうして私は【ウタ】なんて物が出来てしまったのだろう。
知らない。知らない知らない知らない。ただ私はみんなと一緒が良かったんだ。それが望みだったんだ。
でも、なんで…なんで私は…違うんだ…
私は一人の牢獄の中で呟いた。
変えられてしまった自分を消すように。
成ってしまった自分を戒めるように。
子供の頃拾ったガラス玉はすぐに割れた。
きっとこれが世界なんだ、と私は思った。
けれど今は違う。
アレはきっと私自身だったんだ。石に紛れていたガラス玉は私だったんだ。
だから私は諦めを込めて呟いた。
「硝子人形は割れている」
たったそれだけを呟いた。