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DRAGOON戦記  作者: 亡霊
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序章

人類が宇宙に本格的な進出をはじめてから、既に400年あまりが経過していた。

人類は遠くは土星にまで生活圏を広げており、土星は衛星トリトン、木星は衛星イオを居住できる大地としてテラフォーミングしていた。

また、その間に、地球は一つの国家『地球圏連合国』とし、月と火星、そして地球周辺に点在する居住コロニーを地球圏連合国としていた。

そして木星、土星は独立しそれぞれが木星共和国、土星帝国を名乗っていた。

しかし、土星は木星との外交的問題から木星と開戦、侵攻しこれを制圧。

それにより土星、木星は統一帝国として一つの国家になる。

地球圏連合政府は当初これに抗議をしていたが具体的な行動は取る事が出来なかった。

これが、後の地球と地球圏外での星間戦争へと発展することになる。

統一帝国は木星との戦争に、全長六m程のロボット兵器『Tactics armor mobile Weapons』通称TWを投入、これがわずか一月で木星共和国を制圧することが出来た一つの要因でもあった。


しかし、急速に拡大した土星統一帝国は時間と共に地球圏連合国との緊張の度合いを深めていく。

互いに隣接した両国は火星周辺の自国領の制定において主張が衝突したのだ。

これは地球と木星とが争っていたものだったのだが、木星を制圧してしまった故に土星統一帝国が負うこと担った問題だった。

だが、木星との戦争で土星統一帝国は地球と争うだけの余裕をなくしているのもまた事実であった。

そこで帝国は地球と争うには時期尚早との判断から領域の制定に未を引くことになる。


だが、それも一時のことであった。


太陽系暦472年。

木星と土星の戦争から6年の歳月がたった頃、火星と帝国側が引いた領域より新資源と目される新物質が発見される。

この物質は強固な金属でありながら柔軟性を持った半流体金属と言うべき特性をもっており、発見者たるヨーキ・クズネツィフ博士の名から「YK流体金属」と呼ばれることになる。

そして、このYK流体金属は様々な工業製品の中核部品に使える事がわかると、再び領域問題が再発してしまう。

これにより急激に関係が悪化した両国が武力衝突へと発展するのにそれ程の時間を必要としなかった。


太陽系暦472年9月。

ついに帝国は火星領域の確保に向けて全面戦争へと突入する。


同年10月。

地球圏連合宇宙軍火星駐留艦隊、及び火星地上軍は圧倒的多数の帝国軍を前に敗退。


同年11月。

火星上で抵抗を続ける地球圏連合軍に対し衛星軌道より核融合弾を使用。

これにより中枢と主要基地を失った連合軍は火星における組織的抵抗力を喪失。


同年12月。

地球圏より来援に来た連合宇宙軍との間に激しい制宙権確保の戦いが勃発。

これにより多大な被害を受けつつも連合軍は制宙権の確保に成功。

火星より民間人を中心とした避難民の脱出を開始。


翌473年1月。

帝国軍の度重なる攻撃を前に制宙権の確保が困難となり連合国は火星の一時放棄を決定する。


同年1月末。

帝国軍の攻撃の前に民間人の火星からの脱出が不可能となり、民間人や火星軍の大半を残したまま連合軍は撤退する。


同年2月初頭。

未だ元凶に抵抗する火星軍に再び核融合弾が使用される。

これにより火星軍は完全に抵抗能力を喪失し、以後ゲリラ戦を展開することになる。


そして同年8月、戦いは火星を越えて地球圏にも飛来。

戦争初期に戦力の大半を失い、建て直しに躍起となっていた連合軍は精強な土星統一帝国軍を前に敗退を繰り返しつつも月まで後退してしまう。

これにより月もまた戦禍に巻き込まれ、月面を巡っての攻防が両軍の間に展開されることになった。

だが、連合軍もまた無為に敗退してきたわけではなかった。


太陽系暦473年10月。

この時を境に連合軍の反撃が始まることになる。

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