高速人間
現在私は関西の某空港にて(関西が付いている時点で、もう有名)勤務に励んでおります。
海外から訪れる御客様方は大日本帝国の文化とは大きく異なり、制服を着ているスタッフを目にすれば走りながら紙くずを手にし、息をきらして必死に言うのです。
「ダスト!ダスト!」
そうです、海外の人たちはどうやら大日本帝国とは違い、スタッフにダイレクトにゴミをバトンタッチする形式のようです。
しかもですよ、ゴミ箱の真ん前を高速で通過して、スタッフへと向かうわけです。
『只今より海外の御客様が、ゴミ箱前を急行で通過し、第一空港スタッフへと参ります』
実際には館内放送等流れておりませんが、自動的に脳内放送流れてきます。
「ん~‼ん~‼÷±¢◇#⊆∇∬ダスト!ん~‼ん~‼」
しかもですよ、海外の御客様たちは大日本帝国の言葉を学んでいませんから、早口ボイスでの母国語を叫ぶのです。
しかも何故か、全員切羽詰まった様子で紙くずを私に来ます。
ゴミ箱を通過してですよ?
中には恐らく鼻をかんだであろうティッシュペーパーを直に渡しに来られる御客様も少なくありません。
直にです。
それだけでは済まされず、スタッフが作業に使用するカートや道具を入れている袋にまで、色んなゴミを入れたり乗せたり自由に捨て放題なんです。
ゴミ箱があります‼
紙くずの他に、林檎の芯等もカートにインしており、回収、廃棄した後アルコール液で何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も……ゴシゴシ×30回くらいは吹き上げします。
ゴミ箱あります‼
しかも紙くずの捨て方が不快です。
ゴミ箱の場所を手で示しそこへ捨てるのは良いのですが、至近距離なのにわざわざ間近で思いきり投げつけて的を外しているのです。
(普通に入れたら入るやろ!)
心で叫び、我々空港スタッフは堪えています。
ゴミ箱あります‼
兎に角何故かは分かりませんが、海外の御客様は空港スタッフを見ると高速で向かって来るのは辞めて頂きたいです。
紙くず持ってgo!は撲滅!
ゴミ箱あります‼