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頂き女子の末路

「旦那様、お客様がお越しになられました」


春の到来を予期させる心地よい小春日和の天気についうとうとしていたら、執事から声をかけられた。


「お客様?今日は誰か来る予定だったか?」


「いえ、アポイントメントはなかったのですが、旦那様がもし来たら通してくれと仰っていたマナさんと名乗る方が来られましたので...」


「マナ...?ああ、マナが来たのか。そうか分かった。通してくれ」


懐かしいな...俺の命ともいえる金を根こそぎ奪われたときは殺してやろうかと恨んだものだが、成功した今となってはそれも遠い昔のような思い出だ。


だからと言って許すつもりは毛頭ないが。


そう考えていると、マナが部屋に入ってきた。

まだ30代だろうに、白髪交じりの髪に疲れ切った顔。一緒に冒険した時の美貌はどこに行ったのか?やはり女は劣化すると価値が下がるな。


「やぁマナ!久しぶりだね。その後元気にしていたかい?顔色が悪いようだけれども、きちんとご飯は食べている?」


マナはうつむいたまま、絞り出すように答えた。


「お久しぶりです、クリスさん。あの時は本当にごめんなさい...でも、どうしようもなかったの。アレスは利き腕を無くしてから賭場通いでお金を稼いでくれないし。あの時の私は本当にどうかしていたの。どうか分かってくれないかしら」


都合のいいことを言うもんだ。女も年を取ると面の皮が厚くなるらしい。


「ふーん、まぁいいだろう。それで今日はどうしたんだい?今日は一体どうしたんだい?旧交を温めに来たわけでもないだろうし。もしかしてアレスとの結婚するから式に出て欲しいとか?流石にもうすでに結婚しているか笑」


「いえ、アレスとは結婚はしていないわ。今日は、その、お願いがあって。少しでいいからお金を貸してくれないかしら?もし良かったら、私を好きにしてくれてもかまわないわ」


まぁそうだろうな。手ひどく裏切った男の前にのこのこと現れる理由なんて金ぐらいなもんだろう。


まぁそんなお願いが出来るもんだ。


「劣化した君にはもう興味はないよ。金を貰ったって抱くのはごめんだね。なんか病気が移りそうだし笑。金の方は土下座して心の底から謝罪したら考えてやってもいいけど?」


そういうと、マナは凄い顔をしながらも、なんと土下座して謝ってきた!


「クリス様を裏切りお金を持ち去ったこと、本当に申し訳ございませんでした。反省していますのでどうかお許しいただけないでしょうか。」


あー気持ちいい!切実に困っているんだな。まさか本当に土下座するとは思わなかった!

土下座に満足した俺は、マナに10万ゴールドをあげることにした。


「ありがとうございます。ありがとうございます!このご恩は決して忘れません...!」


そう言いながらマナは出ていった。どうせまた来るだろうが、その時は何をしてもらおうかな?

金と権力と名誉があれば、女に土下座しながら謝罪させることもできる!


あぁ、本当に俺は今!幸せだ!

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