表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

訓練後にて

キーン!!

 

剣と剣が激しくぶつかり合う。金髪碧眼の少年と灰髪にダークブルーの瞳をした少年2人は軽やかな身のこなしをしながら、互いの攻撃をかわし隙をつく。接戦を繰り広げており、なかなか勝負はつかない。

両者とも大量の汗を流して息を切らし、最後の力を振り絞って攻撃をする。

そして、

 

ドス!という鈍い音を立て、金髪の少年が崩れ膝をつく。

レプリカの剣ではあるが、攻撃を受けるとそれなりにダメージは受ける。


「ヴィ大丈夫!?」

灰髪の少年がかけ寄り対戦相手の少年に寄り添う。

「やっぱりオリーにはなかなか敵わないな…」


この頃になるとオリヴィア(オリヴァーと勘違いしたままであるが)の事はオリー、レヴィ第一王子の事はヴィとお互いが愛称で呼び合っていた。

オリヴィアはレヴィが第一王子と知っても驚きはしたが態度を変える事はせず、レヴィもまたそんなオリヴィアにますます好感を持ち仲を深め、2人のその様子は周りからも唯一無二の親友のように思われた。


「ふふ、ヴィもだいぶ強くなったんじゃない?最初の頃は全然だったのに。はい、これどうぞ。」


2年前初めて2人が対戦した時、レヴィはオリヴィアにコテンパンにされており、その時を思い出してオリヴィアは笑いながらタオルと水を手渡した。


「うるさい!僕より背が低くなったのに!」


初めて会った頃は2人とも背丈は同じぐらいだったが、成長期のためレヴィはどんどん背が伸び、今では20㎝も差ができてしまった。オリヴィアは女性へと体も成長してきたが、動くと邪魔な胸はサラシで巻き、髪も短いまま男装していたのでレヴィから双子の弟オリヴァーだと勘違いされたままだった。


「はいはい。それより早く飲みなよ。」


オリヴィアはもう一本の自分の水をぐいっと飲み、残りを頭から被って熱を冷やした。


「つっ!!」


その様子を、驚きそして目を凝らして食い入るようにレヴィは見ていた。


「ヴィ、どしたの?」


水が滴る中顔をあげ、少し上気した顔でレヴィを見つめるオリヴィアに、レヴィは顔を真っ赤にさせて仰向けに倒れ込んだ。


「えっ!えっ!?ヴィ??」

オリヴィアは倒れたレヴィを心配そうに覗き込んだ。


「はぁーーー。何でオリーはいつもそうなんだ。あーあ、もう僕本当嫌んなっちゃう。」



「はぁ?何言ってんの?もう心配させないでよ!」


レヴィが大丈夫だと安心したオリヴィアは、レヴィを睨みつけ、残った水をレヴィの顔にぶちまける。


「うわ!ちょ!何してんだよオリー!!」


驚いたレヴィが上体を起こしオリヴィアを睨むと、オリヴィアは突然走り出した。


「やーい!悔しかったらここまでおいで!」


まるで子供の喧嘩みたいだと笑いしながら、レヴィはオリヴィアを追いかけたのだった。

 

(絶対捕まえてみせるからな。)

そう心に誓って。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ