立て、ルッピョロ! お前がやらねば誰がやる!!
――人は、誰かになれる。(ドラゴンクエスト7のテロップより抜粋)
任務を終え、俺は後輩と共に時空管理局へと帰還した。
管理局の正門で帰還手続きを行い、俺達は所定の第三課へと向かっていく。
「ちょっと、ルッピョロ先輩。歩くの速いっすよ」
そう言ってついて来るのは後輩のマトリョーシカ、愛称マト。
誰が見ても一目で分かる元気青年だ。
実際、その有り余る元気に振り回される身にもなれば大変なのだが。
同じ課にいる以上チームを組む事に異議は無いのだが、俺の場合こいつとコンビを組む事が圧倒的に多い。
恐らく、これは上司の判断なのだろう。
実際、こいつと組んだ任務は精神的に疲れるものの、結果だけ見れば失敗は皆無だからだ。
厄介な任務が多い三課において、これは異例の成果とも言える。
つまり、何だかんだで俺達は期待されているのだろう。
それは純粋に嬉しかった。
第三課の課長の椅子には、もはや見慣れたヤーヴェルッリィ氏がいつものように座っていた。
確かまだ三十代前半と聞くが、下手をすると四十代に見えるその風貌は相変わらずだ。
老け顔ではないのだが、中年特有ののっそりした雰囲気のせいでそう見られると俺は思う。
「ルッピョロ、ただ今帰還致しました」
「マトリョーシカ、同じく戻りましたー」
俺達の姿を認めヤーヴェ課長はうんうんと頷いた。
「無事に戻ってこられて何よりだったよ。お疲れ様。……さて、それでは早速、次の任務だが」
……ある程度の覚悟はしていた。
していたのだが、こう現実を目の当たりにするとその、アレだ。
頭痛がしてくる。
「ちょ、ちょっとマジですか課長!? 確か俺達、前も任務後すぐ新しい任務で飛ばされましたよね!? いくらなんでもハードすぎじゃないっすか? 俺達完璧超人じゃないんですよ」
マトが代わりに言ってくれた。
こいつのこういうストレートな部分は、賞賛に値する。
「せめて鉄人くらいなんですから」
一言余計だが。
俺に言わせると、超人と鉄人の差異が分からん。
課長はマトの言葉を聞き、すまなそうに頭を下げる。
「いや、その……知ってるだろうけど、ウチも人手不足でね。みんな見栄えのある一課を希望するし、人事から人を回してもらうにしろ色々適性検査とかも厳しいから……。それに、難度の高い任務に限って成功させなきゃ大変な事になるし……。君達以外に安心して任せられる人員は全員出払っているし……」
俺も三課の事情は嫌というほど実感してきたが、課長の口から直に聞くと何とも情けなくなる。
これが本当に、子供の頃憧れていた時空管理局の実態なのだから笑えない。
「……君達には本当に悪いんだけども、すぐ次の任務に移ってもらいたいんだ。――お願い」
そう言って再び頭を下げる課長。
他に頼れる人がいないんだ、という弱った目。
俺はこういう人に凄く弱いんだ……くそっ。
「――分かりました。それで、具体的にはどんな任務なんですか」
諦めの境地で、俺はその言葉を吐く。吐いてしまう。
「えっ、先輩?」と戸惑うマトには本当すまないが、人生は我慢の連続なのだよ。
俺の承諾が下り、すまなそうな顔をしながらも喜びを表に出すという器用な感情表現をした後、課長は説明を始めた。
「そうだね、まず今回の任務を簡単に説明しようか。まず、次元は第四正弦位相対のε32、時代は西暦20xx年。二人ともこの時代は、何度か任務を請け負った事があるはずだから分かるよね」
分かる。
特にあの時代は情報交換手段が発達し、人々の文化レベルが急変を迎える節目に存在する時代だ。
「君達に――某国大統領と某島国首相を」
その両者も知っている。
特に某島国首相は大統領の方と違い、移り変わりは激しいがその歴代を覚えている。
しかし、なぜその経済大国二国のトップが出てくる……?
嫌な予感がする。
大変なんて言葉じゃ済まされない程の任務になりそうな予感が。
(先輩……これ、先輩だけに下りる任務ですよね?)
こっそり目で訴えるマト。
こいつも同じく良からぬ何かを感じ取ったらしい。
凄いな俺達予知能力者だ、わあい。
……違う、現実に戻らねば。
(残 念 だ っ た な! 課長は『君達』と言っただろう。……正直、俺も逃げたい)
ちなみにこのアイコンタクトは0.3秒ジャスト。
課長の説明を妨げる事のない、息の合った連係プレイだ。
……ふふ、人間って危機が迫ったら何でもできるんだなあ。
で、大統領と首相を……?
「――くっつけてもらいたい」
――俺の脳が理解を拒否した。
くっつくって何だろう。
二人を強力接着剤でくっつけるんだろうか、うふふ。
「……お言葉ですが、課長。もう一度、お願いできますか?」
「ああ、いいよ。某国大統領と某島国首相をくっつけてほしい。精神的な意味でも性的な意味でも。二人をフォーリンラブに」
「その二人って、確かお互い中高年の男性でしたよね」
「ああ、その通りだ。流石ルッピョロ君、君の記憶力は凄いねぇ」
……今日はいい天気だなあ。
ここは室内でろくに天気の確認もできないが、なぜかそう思った。
こんな天気のいい日に仕事をするなんて間違ってる。
仮病を使って休むべきだそうしよう今からでも遅くない。
「あのうぼくおなかいたいのでかえってねます」
「うわぁルッピョロ先輩が壊れた!」
マトに揺さぶられ、俺は何とか正気を取り戻した。
「か、課長!? 何考えてるんですか! 今度の今度は限界ってもんがあるでしょう!」
マトじゃないが、俺達は超人じゃないんだ。
そんなクレイジーな任務など受けられるはずもない。
そんな俺達を、課長は優しく取り成す。
「あのね、ルッピョロ君。私達時空管理局の目的は何かな」
「は。数多の次元、そして過去や未来を守り、管理していく事です」
「うんうん。そのため、第一課はいわゆるタイムパトロール、過去や未来に干渉する時空犯罪者を拿捕するため第一線で働いている。第二課は情報収集、クラッカーの動きやいくつもある次元の過去や未来を監視する役割を持つ。どちらの課も欠かせない、大切な働きだ。さて、我々第三課の役割とは?」
「……その次元の『現在』が、予測される『未来』へと至るまでの補助、です」
「そう、よく言えました。Aという『未来』へ至るには、いくつかの因子が歴史の分岐点に必要だとする。しかし時流というのも万全ではなく、何らかの事情でその因子が欠如する事もある。その欠如した因子を埋め、歪んだ未来にならないよう歴史を矯正するのが我々三課だ。一見地味だけど、これだって大切な事なんだよ。しかもその時代の人に分からないよう、それとなく後押しするから大変なんだよね」
「課長の仰る事は良く分かります。この三課の役割が重要という事も、それゆえ理不尽ともいえるような任務を何度もこなして来た事も」
本当に、散々な任務だったが。
前々回は別の次元で勇者と共に闇の衣を着た魔王を倒したし、その前は石仮面を被った吸血鬼と戦うはめになった。モヒカンが跋扈する無法地帯で一子相伝の暗殺拳を持つ拳法家と戦った事もあるし、七つ集めたら願いが叶うと言われる宝玉を探す手伝いもした。
指定された人物を恋仲にするという任務もなくはなかったので、今回もその発展系と言えるのだが。
「その二人が性別の壁を乗り越えて懇意になる事で、将来両国の絆が深まり、巡り巡って最終戦争を回避できる計算なんだ。というか、くっつかないと最終戦争に突入し歴史が変わっちゃう、という二課の報告なんだよ。いやあ、私も最初は信じられなかったんだけど、計算結果を見て納得せざるを得なかったなあ」
はははと笑うヤーヴェ課長。
俺達も一緒にあははと笑う。
第三課が明るい笑いに包まれた。
泣きたくなった。
少し時間を下さい、と休憩室に入ったマトを置いて、俺は資料室で調べ物をしていた。
調べているのはもちろん、過去の任務で男同士を恋仲にする任務がなかったかどうかだ。
しばし検索をかけた後、データベースに一件の任務が該当した。
……時空管理局の歴史は長く、設立されてウン十年だったはず。
なのに該当件数がたったの一件だけとは、ますます今度の任務にただならぬ物を感じる。
「どれどれ……。任務に当たった局員はボミンツァ、ピュカッショリの二名。次元はあそこで時代は……中世か。任務内容は当時の最大権力者、某神教の法王と街の肉屋の店長に肉体関係を持たせる事。目的は巡り巡っての宗教戦争回避、並びに聖書の新概念の獲得……」
確かその某神教は一神教で、教えの中に姦淫の禁止もあったはずだが。
神もへったくれもない任務内容だな。
「任務は成功。経過も予測通り。なお、ボミンツァ、ピュカッショリ両名は任務後、精神に異常をきたし、時空管理局を退職……」
俺は心の中で二人の先輩に合掌した。
まさに殉職そのものだからだ。
その彼らが俺とマトの将来の姿になるのかもしれない。
だがとにもかくにも、二人の先輩は任務を成功させた。
その意味で、二人はプロだ。
彼らがどうやって任務を成功させたのかを知るべく、俺は報告書の詳細に目を通していった。
俺が休憩室に行くと、そこにはまだマトがいた。
「うう……太もも……髭……三段腹……」
マトはシーツを被り仮眠中だが、うなされている。
「脂汗……増えるオヤジ……胸毛……あおおー……」
相当の悪夢を見ているらしい。
増えるオヤジは俺だって嫌だ。
もう少し見ていたい気もするが、哀れだったので俺は彼を揺り起こしてやった。
「――はっ。せ、先輩? 今のは、夢!? 俺、俺……!」
「ここは現実だ。安心しろ」
よかったぁと安堵するマト。
しかしこれからの任務も現実なのだ。
現実なんて死ねばいいと思った。
「今回と似たような任務の存在を資料室で調べてきた。不可能と思われる今度の任務だが、可能性が見えてきた」
「流石ルッピョロ先輩! 頼りになります!」
期待に目を輝かせる後輩に罪悪感を覚えつつ、俺は今度の任務を成功させ得る作戦について語る。
「過去、同様の任務に当たった局員が実行した作戦、コードネーム『ヒギョパム』だが……。その内容は任務対象の両名を、時間をかけて互いに意識させる方法だ。夢を使ってな」
「夢……というと、ありましたね。そんな機械が」
マトもその存在に思い当たったらしい。
時空管理局の備品に、自分の意識を対象人物の夢の中に投影させる機械、通称「ドパーミン」がある。
使用者の精神力次第で、どんな形での精神的コンタクトも可能という代物なのだが。
「それを首相と大統領に使うわけですね。……って、あれ? それだったら、彼らと夢でコンタクト取るのは俺達じゃないっすか」
その通り。
ここからの説明が、本当の地獄だ。
「――ああ。だから、俺達が自身を首相、あるいは大統領へと姿を変え、夢の中で相手と恋愛を繰り広げる」
「なん……だと……!?」
「夢の中で恋愛が成立し、現実の両者が互いに意識を始めたら任務はほぼ成功だ。後は勝手にくっ付いてくれる。もちろん、そこに至るまでの過程は並大抵の苦難ではない。まずは対象の性格、気質、経済状況から人生の全てを正確に把握し、演じねばならない。夢の中とはいえ、いい加減な態度で接すると、現実の対象とのギャップで恋が芽生えない可能性が高い。あくまでも、その人物として自然に振舞い、かつ恋に落ちねばならない」
「無理ですよ!」
「泣き言を言うな。この『ヒギョパム』を実行した先輩方は、これを成功させた。決して不可能な任務ではないんだ」
もっとも、その末路は悲惨だったが。
「どうしても嫌なら、代案を出せ。俺は、これ以外にいい方法が思いつかん」
マトはしばし考え込んでいたが、やがて諦めしぶしぶと頷いた。
「……分かりましたよ。あぁー、ババ引いた……クソァッ!」
それには心の底から同意する。
「では、後で『ヒギョパム』の詳細、大統領と首相のデータを送るのでよく目を通しておけ。吐き気の催す任務だが、俺達はプロだ。絶対やり遂げるぞ」
「……ルッピョロ先輩」
ふと、神妙な、そして何かを達観した顔のマトが話しかけてきた。
「……何だ?」
「――俺、この任務が終わったら……受付のシェロンコさんに告白するんだ……」
……もしマトが精神的に死んでも、骨は拾ってやろうと思った。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
第四正弦位相対ε32、20xx年。
事前工作を済ませた俺達は、任務対象にいつでもドパーミンを仕掛けられる状態まで持っていった。
流石に大統領や首相のガードは固かったが、腐っても俺達は歴史改変のプロであり、この程度のガードは苦にならない。
「ヒギョパム」の開始に支障はない。
あるとすれば、この先だ。
俺の担当は首相、マトは大統領だ。
この「ヒギョパム」の実行に至るまで、俺達は綿密な精神的シミュレーションを何度も実行し、数多の資料を読み込んだ。
失敗は許されない。
首相が寝入った頃を計らい、俺はドパーミンを起動させた。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
某島国首相は、夢を見ていた。
その夢は普段見るような曖昧としたものではなく、いやにはっきりとした夢だった。
夢の中で、後日会談を行う予定の某国大統領が立っていた。
夢に出るほど意識していたのか、大統領は笑顔で会話を交わしていく。
最初は経済状況や政治的話題だったのだが、それは段々と身近な、たわいのない話題へと移っていく。
いつしか、首相は何の気負いもなく彼と話している自分に気がついた。
同時に、朗らかで気立ての良い大統領の人柄に惹かれ始めている事も。
その日は、そこで目が覚めた。
しかし次の日も、その翌日の夢にも大統領が出てくる。
現実には、彼と話した事はそんなに多くなかったはずなのだが、それでも夢の中の彼は妙にリアルだった。
次第に、首相は夢で彼と会うのが楽しみになってきた。
夢の彼といるのは、実に楽しい。
政界での駆け引きに疲れていたのも相まって、素直な気持ちで彼との会話を楽しんだ。
こうしていると、まるで大統領と竹馬の友でいるような錯覚すらある。
夢の中で大統領にときめきを覚えるのと、その彼が迫ってくるのは同時だった。
優しくも少し意地悪な大統領に対する抵抗感はもはやなく、異常なまでの興奮を覚える首相は流れに身を任せる。
翌朝、自分の見た夢を思い出した首相は、赤く火照った顔がばれぬよう、何度も冷水で顔を洗った。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
夢の中とはいえ、首相の薔薇を散らした俺はこうして撃沈した。
こんな任務を課した課長を呪う気力すら失せていた。
「もう死にたい……」
傍らでマトも呻いている。
しきりに臀部をさすっているところを見ると、奴はリードされる側だったらしい。
「せんぱぁい……俺、もうお婿に行けない……」
しくしくと泣くマト。
気持ちは痛いほど分かる。
いっそ殺してほしい。
だが俺は心を鬼にして告げた。
「――まだ、これで任務は終わりじゃない。明日の首脳会談で、二人の反応を確かめる。もし二人の反応が不十分なら……『ヒギョパム』を続ける必要がある」
それを聞き、マトはこの世の終わりといった表情をした。
「い……嫌だ……もう嫌っ……お尻が痛いのは……!」
「――辛いだろうが、耐えてくれ。俺だって辛いんだ。マト、お前は立派な時空管理局の局員だ。お前ならできる、誇りを持て」
俺の励ましが届き、彼は落ち着いた。
普段の俺はこいつを褒める事はしないのだが、それだけ効いた。
奴は深呼吸一つ、そして精神を集中させていく。
「……心頭滅却すれば火もまた涼し。重心低くすればどんなタックルでも止められる! オッケーっすよ、先輩。今の俺なら、どんな任務だっていけます! たとえそれが『ヒギョパム』だろうと……」
そしてマトは、「ヒギョパム」で経た内容を思い出し、
「ごめん……」
そっと目を閉じ、どうと倒れこんだ。
まさか今ので、奴の精神的ライフが0になったのか!?
「ルッピョロ先輩……心頭滅却しても、火は熱いんすね……。フフ……死んだはずのじいちゃんが、あっちで手を振ってら……」
「マ、マト!? しっかりしろ、おいっ!」
俺は慌ててマトを抱きとめるが、すでにこいつの目の焦点は合っていない。
「ヒギョヒギョヒギョヒギョヒ~ギョパァ~ム、世界の平和を守るため……♪」
「マトリョーシカあぁっ!」
ここまで来て倒れるなんて……馬鹿野郎が!
俺も長らく三課の任務をこなしてきたが、こいつ以上の相棒と出会った事はなかった。
そりゃあマトは騒がしいしそそっかしいが、それでもこいつに助けられた事は何度もある。
そんなマトに、俺は何を返してやれる?
今ここで、マトを失うわけにはいかない。
第一、俺は、俺は……!
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
時空管理局第三課にて、俺はヤーヴェ課長への報告を終えた。
「ふむふむ、成程。君達には、酷な任務だったねぇ……ごめんよ」
すまなそうに謝る課長。
本当に、酷な任務だった。
「でも、無事任務を成功させてくれて、本当にありがとう。二課の方からも報告が来て、歴史の歪みの修正が確認されたらしい。君達は立派に、三課の役割を果たしてくれたんだよ」
良かった、俺達の苦労も無駄にならなかったというわけだ。
「それで、マト君は……?」
「自室で療養中です。これから見舞いに行きたいと思うのですが、構いませんね?」
「もちろんだとも。今度の事を慮って、しばらく君達に任務が下りる事はないだろう。ゆっくり休養してきなさい」
俺は課長に一礼し、第三課を後にした。
マトのアパートを訪ねると、むさ苦しいところですがと慌てて通してくれた。
良かった、起き上がるくらいには元気になったようだ。
「しかし感激です。先輩が見舞いに来てくれるなんて!」
「何を言ってる、今回あれだけ心労をかけたんだ。パートナーとして、これくらいは当然だ」
「それでも嬉しいですよ。それに……恋人が来てくれたら、自然と張り切るというもんです」
そうなのだ。
あの後、俺はマトの魂を呼び戻すため、勢い余って告白してしまったのである。
その甲斐あって、マトはこうして平常でいられるのだが……早まっただろうか。
「マトは、受付のシェロンコさんに告白するんじゃなかったのか?」
照れ隠しにそんな事を言ってみるが、マトはまるで動じない。
「先輩と恋人同士になれたんですから、もうそれはいいんです。……それより、ルッピョロ先輩。何で先輩は、そんな男口調なんです?」
そういえば、こいつには俺が男性的に振る舞う理由を話していなかったか。
「性格というのもあるが、昔色々あってな。誰よりも男らしくあろうと決意してたら、いつの間にかこうなった。……だのに、この俺をして告白させたんだからな。その責任は取ってもらうぞ?」
すると、マトは満面の笑顔で「任せてください!」と来たもんだ。
そんな風にまっすぐ言われたら、むしろこっちが恥ずかしい。
……だが、こいつのこういう所に俺は惹かれたのだろう。そう思う。
幸い、次の任務までは間があるらしい。
それまで、一度くらいこいつとデートというのを経験するのもいいかもしれないなと思った。
おしまい
どう見ても地雷な今作を読んでいただき、本当に(笑)ありがとうございました。
色々なネタを仕込んだつもりですので、分かる人には諸所で分かる仕様になってます。
ネーミングが一風変わってるのもそのせいというわけで。
作品を書き上げた後で、楽しい悩みの時間がキーワードやタグの指定。
今回はR-15にすべきか、はたまたR-18か迷いましたがとりあえずR-15にしました。それとも昨今のラノベはファウルギリギリ狙ってるの多いから、R指定いらなかったかなと思いつつ。
R-15で「らぶえっち」タグ、ウソジャナイヨ。らぶダシえっちデスヨ。(なぜか片言)
ニコ動だと間違いなく釣り扱いですが。ウヘ。
それとも「残酷な描写あり」をつけるべきだったでしょーか。
便利ですよねこのタグ、汎用性が広すぎる。
……どうも、私の作品の殆どにこれが付くのはそれが原因ぽいですね☆
そんなシュール、カオス、やっつけ感漂うネタまみれの短編でした。
反省はしている、後悔はしていない。
ご意見、ご感想などございましたら(こんなのに本当にあるんだろーか…)喜んでお待ちしております。