2/2
手をくだす
噫、早く殺さねばならないんだな。勢力を殺ぐとは然う云ふ事だ。死ぬのならばさつさと死んで了へ。
僕は今更手を下すことにためらひを覚えない。延ばすのなら、早い方が好いのでは。
――若しな、彼が云ふ。もし僕が死んだら、我方荒廃してしまふ。
其れこそが僕のねらいなのだ。何をたわけて居るんだらう?
いつも君は友人の手を煩わせて居る。
周りが勝手にお膳立てして呉れる所、ってのはいいね。重くるしくないのかい。
きみに云つたところで、栓ないや。妙に暗いのだからね。早く死んで了おう。それは上の手のよごれは前提になつてしまふから。くつうは要らない。