2号店初の決戦日 くまさん!
セリーヌさんからルフランさんにダルフィンが入った!
「「「ナイト! 全員! 集まったーところで! 『トゥナイ!』 飲めやー騒げや今宵の宴は! 『宴は!』 王子と姫の独壇場! 『独壇場!』 今すぐ君にー会えるなら! 『ッエイ!』 騒ぎ出す! 胸騒ぎ! 『ハイハイハーイ! ハイハイハーイ!』 踊れー騒げー最高の夜に! 『ハイハイハイ!』 ダルフィン! 『ダルフィン! いただっきゃす!』」」」
「ありがとうございます!」
「うふふ……」
「「「それでは! 『それでは!』 素敵な! 『素敵な!』 姫から! 『姫から!』 一言! 『一言!』 頂きまっしょい! 『オーイ!』」」」
「ナンバーワンおめでとうと先に言っておこうかしら?」
「「「アーリガッザーイ! 『アリガッザイ!』 それでは! 『それでは!』 姫様! 『姫様!』 ありがとうございます! 『ありがとうございます!』 うーソレソレ! 『ワンツーいやほい!』 ナンバーワン! 『ナンバーワン!』 王子が! 『王子が!』 目指すは! 『目指すは!』 ナンバーワン! 『ナンバーワン!』 ディメンション全員パーリーピーポー! 『今夜もフロアはお酒の戦場!』 酒をー浴びるぜ! 『ごっつぁんです!』」」」
セ、セリーヌさん、大人しい人だと思ってたけど周りを煽ってる! 決戦日には人を変える魔法もかかるのかな?
ピポン!
あ! ベルラさんだ! 久しぶりだな。 今日もルフランさん指名みたいだ。
「ベルラちゃんありがとう!」
「う、うん……中々来れないのに毎日念話してくれてありがとうね」
ま、毎日……もしかしてすべてのお客様と⁉ ナイトさん達は日頃努力してるんだな……。
ピポン!
お姫様ぁ! あれ、元気ないな……アナーキーの件でまだ不安なのかな。 でもちゃんと来てくれて律儀だ。
「お、ちょっと俺が行ってくる」
魔王様がお姫様の席へ……プレオープンだけって言ってたのに!
「ようアリア! シケたツラしてんな!」
「……二人で話せると言っていたのは本当かの?」
「おう! 防音結界張ってやるよ」
魔王様のそのお声を最後に、2人の話は何も聞こえなくなった。
「アリアちゃん元気ないね!」
「そうだね……」
「…………」
ルルさんは何か考え込んでいるようだ。
「よし! アリア、アレをやるんだろ? 本指名は誰にする?」
「うむ! アレンじゃ! そして全員ヘルプ指名じゃ!」
あ、お話が終わったらしい。 お姫様の顔はワクワクしている。 とりあえず今日を楽しむことにしたんだな、よかった。
「おーい! アレン指名だ! あと全員ヘルプ指名!」
「「「アッザース!」」」
アレンさんがみんなに小突かれながらお姫様の席へ向かった。 くまさんデコが入るから目立てるもんね! 売り上げは全員で折半だけど。
まずはアレンさんとその他に3人のナイトさんがお姫様の席へ着いた。 ヘルプは入れ替わりで全員が席に着く予定だ。
魔王様まだお姫様の席に座ってる……。
「アリア、いつ入れる? 今日ラストまでいるか?」
「わらわに最後にくまさんを入れてほしいのじゃろう?」
「他に高額入れるやつがいるからアリアの都合に合わせるぞ」
「そうか? では今日は早めに帰るのじゃ」
「大変だな。 よし! ハートベアデコだ! アレン!」
「はいっ! アリア様ありがとうございます! ハートベアデコ頂きましたァ!」
「「「アッッザーーーーース!」」」
バレットさんがそっとキラキラのハートベアデコをボトル棚からおろした。
「「「『ッハイ! ッハイ! っはいはいはい! ッハイ! ッハイ! っあーいやそれ!』 『ッハイ! ッハイ! っはいはいはい! ッハイ! ッハイ! ワンツーいやほい!』 た・の・し・いナイトの遊び方ァ!『ハウトゥー!』 す・て・き・なお酒を卸してよ! 『ギヴミー!』 愛・情・表・現飲めるならァ! 『OK!』 いくぜーディメンション! 『集合ー!』」」」
「「「ナイト! 全員! 集まったーところで! 『トゥナイ!』 飲めやー騒げや今宵の宴は! 『宴は!』 王子と姫の独壇場! 『独壇場!』 今すぐ君にー会えるなら! 『ッエイ!』 騒ぎ出す! 胸騒ぎ! 『ハイハイハーイ! ハイハイハーイ!』 踊れー騒げー最高の夜に! 『ハイハイハイ!』 ハートベアデコ! 『ハートベアデコ!』 300万! 『300万! いただっきゃす!』」」」
「300万⁉」
「300万ですって⁉」
「300万……」
一般席から驚愕の声が上がっている……。 VIP席の貴族達はお姫様の顔を知っているんだろうな、静かだ。 でも扇子で顔を隠しているからビックリはしているみたい。
「「「それでは! 『それでは!』 素敵な! 『素敵な!』 姫から! 『姫から!』 一言! 『一言!』 頂きまっしょい! 『オーイ!』」」」
「くまさんはわらわのじゃ! ほっほっほ!」
「おい! ビンダ指名のコール続けろ!」
ぎゃぴっ! ホントにブランデービンダするのぉっ⁉
「「「えっ⁉ ……それでは! 『それでは!』 ビンダの! 『ビンダの!』 ご指名は? 『ご指名はっ!』」」」
「ハイドじゃ!」
「任せろ! 300万飲んでやるぜ!」
魔王様が立ち上がりくまさんビンダをし始めたっ!
「「「ご指名! 『ご指名!』 代表! 『代表!』 グイグイ! 『グイグイ!』 グイグイググイの! 『グイグイググイの!』 ハートベア! 『ハートベア!』 300万! 『300万!』 ビンダ! 『ビンダ!』 グイグイ! 『グイグイ!』 グイグイググイの! 『グイグイググイの!』 感謝の! 『感謝の!』 気持ちを! 『気持ちを!』 込めまして! 『込めまして!』 『ごっつぁんでーーーす!』」」」
「空にしてやったぞオラァ!」
魔王様はくまさんを逆さまにして掲げ、空になったことをフロア中へ示した。
「「「アーリガッザーイ! 『アリガッザイ!』 それでは! 『それでは!』 姫様! 『姫様!』 ありがとうございます! 『ありがとうございます!』 うーソレソレ! 『ワンツーいやほい!』 ナンバーワン! 『ナンバーワン!』 王子が! 『王子が!』 目指すは! 『目指すは!』 ナンバーワン! 『ナンバーワン!』 ディメンション全員パーリーピーポー! 『今夜もフロアはお酒の戦場!』 酒をー浴びるぜ! 『ごっつぁんです!』」」」
……なんだか全然アレンさんが目立てなかった。 前に魔王様が言った通り、魔王様がいい所を全部持って行ってしまった。
くまさんデコをテーブルに戻し、魔王様はバックヤードへ戻ってきた。
「うー……ブランデーイッキは久しぶり過ぎて辛いぜ……」
「ブランデービンダなんてドワーフさんくらいしかしませんよぉ……」
「ドワーフが人族ウケする長身イケメンだったらナイトが天職なんだけどなー! まぁ無い物ねだりをしてもしょうがないか」
「魔王様が一番目立ってたね! さすがエグゼクティブエンペラー!」
「だろ⁉ アーニャはわかってるな!」
魔族の王だよぅ……。
シャンパンを入れ終わったお客様のほとんどは、ナイトさんに健闘を祈って帰って行った。 入れ替わりでまた続々とお客様が来店。
「あら? 今日は黒薔薇の女王はいらしていなくって?」
「本当だわ」
「確かにいないわね……」
あ、いつのまにかクラリゼッタさん達お茶会メンバーが来てる。 全員アレンさん永久指名だからやっぱり今日勝負に来た!
「ねぇアーニャ、たまに貴族の会話で聞く黒薔薇の女王って誰だろ?」
「ああ、ルルさんの事だよ! いつも黒いドレスを着ていて毎日お店にいるから、貴族の間で黒薔薇の女王ってあだ名が付いてるよ!」
ルルさんの笑顔が引きつっている……。
「いつのまにかそんなあだ名が付いていたのね……」
「ははは! ルルにピッタリだな!」
「ルルさん……ナイトさん達より先に二つ名をもらえてよかったですね」
「いらないわ……」
「いーなー! 私も二つ名欲しい! 片翼の堕天使、とかさ!」
「アーニャはどこからそういう厨二語を引っ張って来るの? そして翼なんて無いよね?」
「封印してるだけだよ! カッコイイ単語は学校に通ってた頃に図書館で必死に辞書から見つけたよ! 秘密の黒の聖典にビッシリ書いてあるんだ! 人生で一番勉強したのは10歳だね!」
実生活に全く役に立ってないよぅ! そして10歳で厨二病に罹患したんだな……恐ろしい病気だ。
「そうだアーニャ、ナンバー3に付ける二つ名は考えて来たか?」
「バッチリだよ魔王様!」
……訂正。 思わぬところで役に立ってる……。
ピポン!
あ、ミアさん永久指名のアルディナさん3人組だ! これで役者は揃った!
今、戦いの火蓋が切られる!




