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パパズ

「賭けるナイトくんを決めたよ!」


「ダメッ! アーニャ言わないで!」


「何で?」


「アーニャの予想は外れるから賭けたナイトさんはナンバーワンになれないよ!」


「ヒドイ! 私は────」


 無詠唱で思いっきり魔力を込めてアーニャを〈空間固定〉! これなら口も動かせないはず!


「ーーー! ーーー!」


 アーニャにずずいっと詰め寄りドスの聞いた声で(おど)す。


「絶っっっっっ対、言わないでね……? 私、ネグリジェラインナップの最新情報を仕入れる覚悟はあるよ?」


 (おび)えた(ひとみ)になったアーニャを開放した。


「もうっ! わかったよー!」


 アーニャのせいで念のためネグリジェの情報更新をしなきゃいけない羽目になったよぅ! ナイトさんのためだ仕方ない……お仕事だと思って割り切ろう……。


 その後ナイトさん達が来てみんな真剣な顔で売上表を見ていた。 そして魔王様がいないからミーティングは無しで解散。 魔王様、さすがに決戦日は来てくれるよね?


 ちなみにお兄ちゃんにラウンツさんのネグリジェ最新情報を聞いてみたけど、「そんな情報わざわざ手に入れると思うか? 金をもらっても嫌だぞ!」と言われてしまった。


 仕方なくラウンツさんに「最近新しいネグリジェ買いましたか?」とジャブを打ってみたら、「ベビードールを買ったわぁ☆ ニーナちゃんも興味が出てきたのねっ⁉ オススメのお店を教えてあげるわっ!」というヘヴィなボディブローが返ってきた。 私は瀕死のままベッドへ倒れ込んだ。



 

──────────────


『魔界から人を連れて来た。 ディアブロの店に集合してくれ……』


 魔王様からの念話で目が覚めた。 魔王様なんだかお疲れだな。

 今日はお休みだけどどうせやる事も無いのでみんなでディアブロへ転移した。


「レイスター! ニーナ! 久しぶりだな!」


「ぎゃぴっ! お父さん!」


 ガシッ! っと抱きしめられた!


「父さん本当に来たんだな……ありがとう」


 お兄ちゃんはお父さんと念話でもして知ってたのかな?


「アーニャーーー! パパ来ちゃった! 悪い男に捕まってないか⁉ パパが殺してやるからな!」


「ええっ! なんでパパがっ⁉」


 ミゼルさんまで……。


「ま、魔王様ぁ……魔王軍第一部隊長と第二部隊長が来ちゃったら魔界の防衛はどうするんですかっ⁉」


「もう俺は諦めた……ガルスターとミゼルに聞け……」


 魔王様……人選が大変でヤケになったんだな……。


「軍なら安心しろ! 臨時で副隊長に全権委任した! 副隊長にとってもいい経験だ!」


 ええ……。 安心できないよぅ!


「アーニャが心配で来ちゃった! でもずっと魔界を離れるわけにも行かないからローテーションで部下も来るよ!」


 そうだった……ミゼルさんは一人娘のアーニャに親バカだった……。


「魔界ではずっと魔物退治しかしていなかったからな! 軍のやつがみんな人界に行きたいって大変だったんだ、だからお父さんがローテを提案したぞ!」


「なんで部隊長のお父さん達が真っ先に来てるのぉ……」


「部下に背中を見せるためだ! 一番槍は譲らんぞ!」


 なんか違う! 背中を見せるとか一番槍ってこういう時じゃないよぅ! ただ単に人界に来たかったんだね?


「はぁ……魔王様が諦めた理由が分かりました」


 みんな人界征服したくて収拾がつかなくなったんだろうな……そしてしぶしぶローテで軍の熱気を霧散(むさん)することにした、と。


「レイスターちょっと来い」


 お兄ちゃんがミゼルさんに肩をガシッと掴まれて外へ連行された。 何の話だろう……。


 ルルさんやラウンツさん達がお父さんに挨拶し終わった頃にお兄ちゃんとミゼルさんが戻ってきた。


「頑張れよレイスター! 俺はレイスターの味方だからな!」


 ミゼルさんがお兄ちゃんの背中をバシバシ叩いてる。 お兄ちゃんはタジタジだ。 お兄ちゃんはなぜか昔からミゼルさんに気に入られている。


「ねぇパパ、人族を怖がらせちゃダメだからねっ⁉ 部隊長なんて知られたら人族が混乱するよ!」


「大丈夫だよアーニャ! 人族からしたらパパ達はただの魔族だ! わざわざ『部隊長なんだぞー!』なんて言わないよ!」


「よろしくね!」


「ところでアーニャ好きな子は出来たかい?」


「うーん、やっぱりイケメンナンバーワンのルフランくんかな! 決戦日が終わったら指名して遊んでもらうよ!」


「ルフランとは誰だっ⁉ パパよりイケメンなのかっ⁉ 遊ばれてるのか! パパが殺す!」


 ちょ、アーニャ言葉足らずだよぅ! ルフランさんに死の危険がっ!


「ミゼルさん違います……あのですね……」


 お兄ちゃんが説明して事なきを得た。 危ないよう!




「はぁ……とりあえず俺は大工のモリスに宿泊用の家を建ててもらうよう依頼しといた。 ガルスターとミゼルは今日クレイドの家に泊まらせてもらえ」


 魔王様のお話で、お店のカウンターでじっとしていたクレイドさんがビクッ! っとなった。

 流石に魔王軍のトップが来るとは思っても無かったんだろうな……。 ラウンツさんとお泊りするのとどっちが辛かったか今度聞いてみよう。


「あ、魔王様、今日は決戦日ですけどいらっしゃいますか?」


「おう! もちろんだ! また今日から店に復帰するから安心しろニーナ!」


「よかったです! そういえば魔界では2カ月目から引継ぎが始まりましたけど、もうすぐ別の国へ行くんですか?」


「いや、人界では色恋解禁したからな、ナイトの教育にもう少し時間をかける。 まだ様子見だ!」


「わかりました」


 オルガはアレイルの事でちょっと心配だったから安心した。 しっかりとこの街を征服してから次の国へ行くのだ!


 そしてお父さん達をドブグロやニャンダフルへ案内してからエルドラドの人達にも紹介した。


 ドブグロではお父さん達がドルムさんと意気投合し、お父さん達が買ったドルムさんの最高傑作がいかに素晴らしいかを語り合っていた。


 エルドラドでは、アーニャと仲良くお喋りしてるイケメン獣人さんやミアさんを見たミゼルさんがまた暴走しかけたけど、全部お兄ちゃんに丸投げした。

 ……アーニャお嫁に行けるのかな?




 はぁ……今日は疲れた。 明日は決戦日だ。 今日よりものすっごく疲れそうだよぅ!

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[良い点] パパが殺してやるからな!で「男はどいつもこいつもw」とニヤッとしてしまいました。過保護か!
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