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ニーナのへっぽこが火を噴くぜ

ブクマ評価ありがとうございます!

 今日はやっとお休みだ。 オープンから一週目だけで精神的にものすごく疲れたよぅ!

 着替えを終えて部屋から出ると早速お兄ちゃん達が笑顔で待ち受けていた。


「ニーナ! 朝メシ食ったらダンジョン行こうぜ!」


「……50階層まで走ったら私死んじゃうよぅ! やめようよぅ!」


 せめて最後の抵抗だ!


「ニーナちゃんっ! 転移陣で40階層からスタートよっ?」


 ……ラウンツさんの言っている意味を分かりたくない。 もしかして……もしかして……。


「ねぇアーニャ、私、研修クビになってる間、毎日30階層まで歩いて行ってたんだけど……」


「……あははははははは! ニーナ、ルルさんが設置してくれたボス部屋の転移陣知らなかったの⁉ 歩いて行ったの⁉ 毎日⁉」


「誰にも教えてもらわなかったのか? はははは! バカだなー!」


 お兄ちゃんの言葉に思わずキッチンにいるルルさんメイリアさんを見る。


「ま、まさかニーナちゃんが一人でダンジョンへ行くなんて思ってもいなくて……ごめんね」


「……ごめん……私はしばらくダンジョンに行ってなかったから本当に知らなかった……」


 くっ……この二人は無罪だ。


「うわーーーーーん! 誰か教えてよぅ! そうやってみんな私のへっぽこを楽しんでるんでしょ⁉」


「「あはははは!」」


 爆笑してるお兄ちゃんとアーニャだけは許さないっ! この怒りは後で2人にぶつけてやるぅ!


「ニーナちゃんっ! 気を取り直して行きましょっ☆」


「むきーーーーー! もうこれ以上無いってくらい魔法ブッ放しますからね! みんなを巻き添えにしても知りませんからねっ⁉」


「無限魔力装置の実験だ! 行こうぜ!」


 そしてルルさんメイリアさんコーディさんも行く事になった。 コーディさんはいつも通りお店の方を見るからダンジョンには行かないらしいけど。




「あら、皆さんでこちらへ来るのは久しぶりですわね!」


 みんなでディアブロのお店へ転移するとシャナさん達が出迎えてくれた。 犬の獣人さんや熊の獣人さんが店員として増えている。


「みんなが私を笑いものにするからダンジョンで魔法をブッ放しに来ました!」


「えー! 何々? チョー楽しそうじゃん!」


「キャロルさんも事情を知ったら笑うからご遠慮願います! ルルさん! 転移陣はどれですか⁉」


「こ、このヒュドラの絵の床石よ」


 キャロルさんにいじられる前にぴゃぴゃっと40階層への転移陣で転移!




 転移先は湖のほとりだった。 水中からブワッシャーーー! とヒュドラさんが登場。


「ヒュドラちゃんっ! 久しぶりネッ☆」


「ヒッ! ラ、ラウンツさん! 今日は急所でお願いします……」


 ヒュドラさんが完全にラウンツさんに怯えてる……。 9本の首がキュキュッとねじれ上がった。


「ゴメンねぇ、今日は50階層まで行くのよっ!」


「! そうですか! みなさん行ってらっしゃい!」


 ヒュドラさんの9本の首が横並びになって左右にユラユラ揺れた。 嬉しいらしい。




 41階層へ踏み入れると火山エリアだった。 ひぃ! 暑いってか熱いよぅ!


「おー! マグマだ! 氷魔法が効きそうだな!」


「お兄ちゃん、魔物さんには話しかけてから戦うんだっけ?」


 前にそう言ってた気がする。


「おうそうだぞ、ラウンツさんよろしくお願いします!」


「任せてっ☆ ちょっとー! アタシ達と戦いたい魔物()は全力で来てちょうだぁい!」


「ま……ぞく……?」

「うぉぉおおお! おれたちのでばんだ!」

「やっとひとがきたぞ! たたかうぞ!」


 大きな赤い身体のトロールさん達が戦いたがってる……ってことは全力でやっていいのかな⁉


「私は見てるわ。 50階層の転移陣設置に来ただけだから」


「……素材だけ回収する……」


 ルルさんメイリアさんは見学組らしい。 マグマの熱さとトロールさん達の暑苦しさのせいかな……。


「よーし! いっくよー!」


「一撃で倒してやるぜ!」


 早速アーニャとお兄ちゃんが飛び出していった。


「トロールちゃんっイクわよっ!」


 ひぇ! ラウンツさんがおっきなモーニングスターを振り回しながら走り出した! スプラッタは見たくないよぅ!

 私が先に倒そう! トロールさん! 今楽にしてあげるからねっ!


「〈氷結〉! 〈氷結〉! 〈氷結〉! 〈氷結〉! 〈氷結〉!」


 手あたり次第に大きな氷のつららを飛ばして心臓を狙う!


「ガッ!」

「ギャッ!」

「ヘブッ!」


「ちょっ! ……もー! ニーナずるい! 先に倒さないでよー!」


 1体ずつトロールさんを倒し終わったアーニャ達前衛(ぜんえい)3人が私を見た。


「だ、だってぇ……一思いにやってあげないとトロールさん達が可哀そうだよぅ」


「「「すいやせんっしたぁあああ!」」」


 生き残っていたトロールさん達がザザッとナイトさん達みたいに左右に2列に並んで道を空けだした。 ……その空気椅子に座っているようなポーズで右手を前へ差し出しているのは何っ⁉


「おれたちがまぞくさんとたいとうにたたかえるなんておもいあがっててすいやせんっした! ささ、おとおりくだせぇ!」


「……ニーナちゃん……尊敬されてるわよ? よかったわね……」


「ルルさん……なんか私が求めてたのと違います!」


「……まぁいいや先に行こうぜ」


 お兄ちゃんが呆れながら言った。 そうじゃないの! 私はお兄ちゃん達から汚名を払しょくしたいの!


 42階層まではトロールさん達が怯えながら道を作ってくれた。 いらないよぅ!


「走っていくわよっ☆」


「えっ⁉ ま、まってぇ! ……ハァッ! ハァッ! お兄ちゃん達〈縮地〉で移動してズルい!」


「ニーナさ……何で〈影移動〉で移動しないんだ?」


 ……ハッ!


「あははははは! ニーナこれも気付いてなかったね!」


「むきーーーーー‼」


 くそぅ! アーニャの影に全身潜り込んで移動してやるぅ! 〈影移動〉!


「フッ……ついにニーナも私の闇に共鳴(リンク)したんだね!」


「ちょ! 違うよぅ!」


 人選を間違えたッ! お兄ちゃんの影にしよう……。


「頑張って走ってね! お兄ちゃん!」


「ハァ……なんで俺の妹はこんなにへっぽこなんだ……」


 むぅ! ボスでは絶対に巻き添えにしてやるぅ! 魔王様にエタフォの使用許可をもらおう!




 トロールさん達が作った花道を駆け抜けて45階層に来ると、魔物はトロールさんから赤い身体のオーガさんに変わった。


「うぉぉおおお! おれたちのでばんだ!」

「やっとひとがきたぞ! たたかうぞ!」


 なんかさっきも聞いたよぅ!




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