表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/285

くまさんがほしいのじゃ

ブクマ評価ありがとうございます嬉しいです!

 お姫様の席に向かった魔王様は、ドカッ! とお姫様の隣に座った。 アレンさんはお姫様を挟んで魔王様の反対側に座っている。


「ハートベアデコ欲しいんだって?」


「そうじゃ、キラキラのくまさんをわらわの部屋に飾るのじゃ!」


 ぎゃぴっ! 本気でくまさんデコを入れるつもりなの⁉ 300万だよ⁉


「飲み切ったら特別に持って帰っていいぞ」


「それはアレンから聞いておる。 じゃが売り上げは指名したナイトに行くのじゃろう? わらわはまんべんなく皆の売り上げにしたいのじゃ!」


「一発の金額がデカイからな。 ひとりだけひいきにしたくないってやつか」


「プリンセスは経済活動とご自身の利益を両立させたいそうですよ、代表」


「それなら簡単だぞ!」


「おお! さすがハイドじゃ! して?」


「フッフッフ……ずばり! ナイト全員指名だ‼ 安心しろ、盛り上がるぞ!」


 なんか全然安心できないお話をしてるよぅ!


「全員指名じゃと⁉ 面白そうじゃな! ほっほっほ!」


「全員指名なら売り上げを16人で割る、それでいいだろ? そういえばそろそろヘルプ指名料でも取るか……。 計算面倒なんだけどなー」


 魔王様がなんかまた企んでる!


「全員に売り上げが行き渡るならよいぞ。 ところでヘルプ指名料とはなんじゃ」


「指名したナイトの他に、ヘルプで着くナイトを指名する場合は一人につき2000ディル追加だ! 1人の客が2人以上ナイトを指名できるんだから金が発生しても当然だろ? 2000ディルなんて誤差だ誤差」


「15人追加じゃから3万ディルじゃな?」


 誤差の金額じゃないよぅ……。


「そうだ! 本来ならヘルプ指名されたナイトに売り上げは入らないが、特別にハートベアデコを入れる日だけ全員に売り上げを分配する。 金のあるやつは店のルールを変える力があるからな!」


「その話乗った! ほっほっほ……では早速全員指名してくまさんを持ってくるのじゃ!」


「フッ……まだまだ遊び方をわかってないなアリア」


「む?」


「こんな面白いイベントは一番盛り上がる日にやるもんだろ?」


「……決戦日じゃな?」


「そうだ! 今月の決戦日はまだ高額の酒を(おろ)す客がいるかわからないからな。 アリアが決戦日の女王になれ!」


「ほう……わらわに女王になれと? 聞き捨てならんな、受けて立とうではないか!」


 王女様の最高位は女王様だもんね……魔王様の(あお)りが生々しいよぅ!


「アリア姫なら女王様にふさわしいですね」


「……アレンはさすがにもう気付いてるか」


 えっ⁉


「プレオープンの雰囲気から何となく……。 公爵夫人を呼び捨てにできるお人など限られていますし、毒見をしてからお食事を召し上がっていると聞いて確信しました」


「なんじゃ、バレておったのか。 アレンよ、恥ずかしいではないか! 言えばよかろうに」


「お忍びを楽しんでいらっしゃるのかと思って……すみません」


 アレンさんはニコニコしている。 王女様だと気付きながら接客してたなんて、なんという胆力(たんりょく)の持ち主……!


「ところでアリア、永久指名したらさすがに売り上げはそいつのものにするからな。 永久指名しないように気を付けろよ?」


「む、そうじゃな。 ダンスは城で嫌でも練習させられておるからの、むしろまっぴらごめんじゃ。 ほっほっほ!」


「じゃあ日替わりで色んなナイトを指名してやってな! 話が終わったから俺は戻るぞ」


「うむ。 くまさんのビンダを楽しみしておるがよい」


「決戦日に俺がいいとこ全部かっさらってやるぜ! じゃあな!」




 魔王様がバックヤードへ戻ってきた。


「魔王様さっすが! 全員指名なんて考えてもみなかったよ! 私もやりたいな! 逆ハーレム……ククク……」


 アーニャが想像して興奮してる……。


「店が盛り上がるなら手段は問わない、それがホストクラブだ!」


「ま、魔王様ぁ、くまさんビンダってもしかして300万を亜空間に捨てちゃうんですかぁ……」


 もったいないよう!


「俺様を誰だと思っているニーナ! ホストの帝王だぞ? そんな邪道なことはしない。 プレオープンのシャンパンビンダもちゃんと飲んだ!」


「……ホストの帝王ではなく魔族の王だと思っています」


「魔王でありホストの帝王なんだよ! 伝説を超えるぜ! あ、今日から俺の役職エグゼクティブエンペラーに変えようかな?」


「魔王様カッコイイ! エグゼクティブエンペラー……」


 カッコイイ通り越してむしろカッコ悪くないかな⁉


「決戦日後にナンバー3のナイトにも特別な二つ名を付けてやるか!」


「いいね! 私も考えておくよ!」


 魔王様とアーニャが暴走してる……やっぱり魔王様は厨二病上級者だよぅ!


「デッカイ看板も作りたいなー!」


「看板? 私とラウンツさんに任せて!」


 ひぃ! アーニャとラウンツさんのセンスは勘弁だよぅ!


「いや、そういう看板じゃない。 写真……えっと、ナイトの姿絵をババーン! とでっかく描いて店の看板にするんだ! 看板に描かれたナイトはまさに『看板ナイト』だ!」


「そんなの見た事無いよ! すごそうだね! でも誰が描くの?」


「フッフッフ……楽しみにしておけ!」


 魔王様がものすごく楽しそうな時は大体周りが巻き込まれるんだよぅ! メイリアさん私に胃薬を!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ