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悪魔来襲

魔王様により締め日出勤させられました。

明日はお休みします_(:3 」∠ )_

 今日は正式オープン2日目だ。 早く私のお仕事を探さなければ……何となく肩身が狭いよぅ!


 まずは、フロアのテーブルでおしぼりをクルクルしてる内勤グループに混ざって今日もお手伝いをする。


「お兄ちゃん……コーディさんがハイスペックすぎて私のお仕事が無くなっちゃったよ……」


「あー……それは……」


「アラッ! 裏でナイトちゃんのメンタルケアをしてあげてるじゃない! グチを聞いてあげるのも立派なお仕事よっ」


「え? 話してるのはアーニャだけです……」


「じゃあニーナ、人見知りを治すためにナイトと話してみろよ!」


「お兄ちゃん……うう~ん……そうだね、お仕事だと思って頑張ってグチを聞くよ。 ラウンツさんのおかげでお仕事が見つかりました、ありがとうございます」


「頑張りましょっ☆」


 ウィンクはコッソリ結界で防いだ。 それだけはノーセンキューです。




 ピポン!


「お客様ご来店です!」


「「「おかえりなさいませプリンセス‼」」」


 うわぁ……クラリゼッタさん……常連になる勢いで来てるよぉ! 今日は誰を指名するのかナイトさん達の間に緊張が走っている……!


 クラリゼッタさんがVIPに座ったのを確認した瞬間にルフランさんはルルさんの席に逃げたっ!


「あ! ニーナ、今日はヴァン君が生贄(いけにえ)だよ!」


「ホントだ……心なしかトボトボと席に向かってるね……」


「昨日入れたブランデーがまだ残ってるから、飲み切ってもう1本入れないとほとんど売り上げにならないし最悪だね!」


「そ、そうなんだ……運が悪いね。 って、ボトルほとんど残ってるよぉ!」


「ははは! ヴァンは亜空間魔法使えっかな? 使えたら飲んだフリして亜空間に捨てられるんだけどな!」


 ええ……いくら売り上げのためとはいえ、お客様の入れてくれたお酒を捨てるようなことしていいのぉ⁉ 魔王様は相変わらず恐ろしいっ!




 その後も続々と初回(しょかい)のお客様が来店した。 宣伝はバッチリ成功してるみたいだ!


「メ、メイリアちゃん……解毒ざ……うっぷ!」


 バックヤードに来たヴァンさんがトイレへ駆け込んで、また戻ってきた。


「ババアーーーーー!!!!!」


「クラなんとかさんだね!」


 ハッ! 私もお仕事! メンタルケアを!


「ヴァ、ヴァンさんどうしたんですか?」


「聞いてよ! あのババア、ブランデーイッキさせてくるんだよ! 『わたくしとお酒を飲めるなんて本物の騎士でもあり得ない事ですわよ? ありがたくお飲みなさい?』だってよ! うぜぇえええ!」


 裏声でクラリゼッタさんの台詞(セリフ)を言ったヴァンさんはアーニャレベルでモノマネが上手い。 っとそんなのはどうでもいいんだった。


「あ、あの、ヴァンさん。 魔王様が、亜空間魔法が使えればごまかせるって言ってましたよ……」


 つい禁断の技を教えてしまった。


「亜空間魔法なんて使える人は中々いないよ……ミア以外は使えないと思うよ?」


「そ、そうですか……」


「ははは! ミーティングでナイトに教えてやるか! ヴァン、辛いならちょっと初回(まわ)りして来い!」


「はい! ありがとうございます!」


 ヴァンさんは初回の席へと旅立った。 そして「ちんちん魔法!」とか聞こえてきた時点で心配をするのをやめた。




 ピポン!


「お客様ご来店です!」


 コーディさんの声でチラリと入口を覗くと 悪 魔 が い た。


 ミニスカートから生えたガチムチの脚を支える小さなハイヒールから、苦悶(くもん)の叫びが聞こえてきそうだ。

 後ろにいる女の子はお連れ様なのかな? おネエ耐性バフでもかかってるのだろうか……私にもそのバフを教えてほしい。


「ラウンツちゃん! 仕事前に来たわよっ!」


「アラッ! モモちゃん達じゃなぁ~い!」


 ラウンツさんと悪魔たちが両手を前に出してフリフリしながらキャピキャピしてる……。


「っと! すみません、私は営業中おネエを封印されているので。 ミミリンさん達と来てくれたんですね、ありがとうございます。 ではお席へご案内いたします」


「あらそうなのぉ? 辛いわネッ! とりあえず今日はナイトちゃんと楽しむわ!」


 ラウンツさんが悪魔3人と女の子2人を席へ案内した。


「ま、魔王様……おネエは女性としてカウントするんですか?」


「そこはグレーだから、女性客と一緒なら入店してもいいって言った! ちなみに普通の男でも女性客さえ同伴(どうはん)なら入店出来るぞ。 男性客のみはダメだ」


「は、はぁ」


「ニ、ニーナ……あの人達のこと知ってるの?」


 アーニャが震えながら聞いてきた。


「いや、知らないよ……。 でも今朝お兄ちゃんから話を聞いてたからわかったよ……」


「ど、どうしておネエをテイムしちゃったの⁉」


「昨日俺らがおネエの店へ営業に行った!」


 魔王様はエッヘン! とアーニャに言った。 なんて取り返しのつかない事を……。


「魔王様! おネエのサキュパスに洗脳魔法かけられてない⁉」


「俺は正気だ、安心しろ」


「正気じゃない人ほど正気だって言うんだよ! 私が治してあげるね! (けが)れを(まと)いし叛逆(はんぎゃく)終焉(しゅうえん)(さば)きを────〈聖なる審判ホーリージャッジメント〉! ────ぐあぁあああっ‼」


 アーニャが聖属性魔法を使って自爆してる。

 ……って、魔族なのに聖属性魔法あみ出したのぉ⁉ アーニャはカッコイイ技名を唱えるためなら種族の壁すら超えられるのかもしれない。 厨二病の執念(しゅうねん)恐るべし……!


「ア、アーニャ大丈夫?」


「クッ……! なんて強力な洗脳……!」


「何やってんだお前……」


 魔王様は呆れている。 そして私も微妙に聖ダメージを食らった、魔王様の作った労災(ろうさい)ってやつ下りないかな。




 〈影移動〉を使って再び店内把握をすると、悪魔達の席ではヴァンさんアッシュさん達がワイワイしていた。


「アッシュ童貞魔法使えよー!」


「童貞魔法! おぱんちゅ透視! ……ミミリンちゃんピンク!」


「キャハハハハ! 当たり~! てかさっきあたしの見たっしょ⁉」


「マリンちゃんは黒!」


「残念、紫……イッキして……」


「「「童貞イッキ! 童貞イッキ! 飲めコラ飲めコラー!」」」


「アッシュちゃんアタシのも当ててみてちょうだい!」


「モモちゃんのは透視したくありません!」


「「「ギャハハハハハハ!」」」


 アッシュさんが童貞キャラを確立してる……たった1日で何が⁉


 ちなみにヴァンさんは悪魔達の席とクラリゼッタさんの席を行き来して何とか乗り切った。 ふぅ。 ……クラリゼッタさん明日も来るのかな……?




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[良い点] おネエをテイムwww タイトルを見て一瞬ドキッとしたんですが、前々回の展開を思い出し「そう言う小説だった!」と安心しました!
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