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新たな魔界メンバー

新章開始です。ドブグロ戦争と応援隊のせいで二章が長くなりました……反省はしている、後悔はしていない!

「待たせたな! 魔界から人を連れて来たぞ」


 3人いる……私の知らない人だ。


「あら、シャナちゃんが来たのね」


「はい! ルルさんの一番弟子ですもの! ゴリ押ししましたわ!」


 シャナさんは紫の巻髪でたぶん20代の女性だ。 ルルさんリスペクトなのか髪型や服装も似てる。

 てか……ルルさんの弟子になるとおっぱいが大きくなる特典でも付いてるのかな⁉


 最近の魔王様の人選は冒険者さんへの罠だとしか思えないんですけど……。




「メイリア! チョー久しぶりじゃーん!」


「…………」


 こっちの金髪の女の子はメイリアさんの知り合いみたいだ。 メイリアさんに緊張が走ってる……!


「キャロル、メイリアをいじめるなよ?」


「キャハハ! 魔王様ウケる! いじめてないしぃー! ちょっと前に可愛がってただけだし!」


 お、おう……キャピキャピがすごい、メイリアさんと正反対だ。 こっそりメイリアさんに話しかける……。


「メ、メイリアさん、キャロルさんと知り合いなの? 錬金術師?」


「……うん……先輩……よく人体実験されてた……」


「そ、そっか……」


 メイリアさんも私で人体実験してたからそこは似た者同士だ……またマッドサイエンティストが増えたよぅ!


「こいつはみんな初めて見るだろ、クレイドだ。 一般人から腕っ節が強くて計算も出来るやつを探した。 魔王城からばかり引き抜く訳にはいかないからな」


「クレイドです! 文武両道と自負しております! 何でもお任せ下さい‼」


 あ、暑苦しい! 声が大きいよぅ!

 クレイドさんは藍色の髪で、ラウンツさんみたいなムキムキの男性だ。

 小麦色に焼けた肌にキラリと光る白い歯が暑苦しさに磨きをかけている……!


 この3人相手じゃ魔王様がお疲れなのにも納得がいくな……。


 そして私達も軽く自己紹介をした。


「じゃあ早速2号店を建てに行きたいから、ルルとメイリアとニーナを連れていくぞ。 他の皆は新しく来た3人にダンジョンや店の事を教えてやってくれ!」


「アタシが手取り足取り教えるわっ☆」


 アッー! クレイドさんがラウンツさんに狙われてるかもっ⁉ ……頑張ってね、人界征服の道のりは険しいのだ、うん。


「魔王様! 父さんから何か預かってたりしませんか⁉」


「あ、危ない危ない忘れてたよ。 レイスターとアーニャに2000万ルインずつ預かってきたぞ。 ディルで渡すな」


 お兄ちゃんとアーニャは無事、邪龍の武器をおねだり出来たようだ。 お父さんとミゼルさんもさすがにドワーフの最高傑作相手には落ちたみたい。

 というか……うちの財産全部はたいてたりしないよね⁉ 大丈夫だよね⁉


「やったぜ! ドブグロに行ってくる!」


「私も! すぐ戻るね!」


「……よし、じゃあ街に行ってくるからダンジョンをよろしくな!」




 魔王様に転移させてもらって街の門に来た。

 ベルラさんがいたので、これからお店を作ることを話したら自分の事のように喜んでくれた。 宣伝もしてくれるらしい。 嬉しいな。


 物件の前までは歩いて行く。

 魔王様は人族に警戒されないよう、緊急時以外は街中で転移するのを控えると(おっしゃ)った。 あれはビックリするから正解だと思う。


「じゃあニーナ、前みたいにドドン! とよろしく!」


「はいっ!」


 やっと人界初出店だ! ようし! 頑張るぞ!


 ボロボロの建物は亜空間にしまって後でポイ。 ルルさんに渡された設計図を元にズモモモモ……っと、完成ー‼


 今回も白亜の宮殿だけど、1号店より大きい!


「入ってみていいですか⁉」


「おう! 建具や内装を発注しなきゃいけないから寸法を測るぞ!」


 入口を入ってすぐ脇にバックヤードがあるのは魔界と一緒だ。


「あれ? 魔王様、お店の奥は一段高くなっていますね?」


「おう、人族は貴族と一般人で明確に身分差があるからな。 つまらんイザコザを避けるために奥は貴族専用のVIPルームだ」


「びっぷルーム?」


「ああ……貴族専用スペースの略だ」


「VIPルーム、何だか特別な響きですね!」


「そうだろうそうだろう。 VIPルーム代も取るぞ!」


「また魔王様の罠っ⁉」


「罠じゃない、VIPルームは内装を豪華にするからその演出代だ。 貴族が一般席に座りたいならそうすりゃいい」


 ……貴族ってプライドが高そうだからVIPルームにしか座らないだろうな……実質貴族料金だっ……!


「VIPルーム代に限らず、人界では全ての客からセット料金、つまり席料を取るぞ」


「……座っただけで料金が発生する?……」


「あら、なぜかしら?」


「例えば20万の飾りボトルを入れた客がいたとするだろ? だけどその客が毎日割り物(わりもの)、つまりソフトドリンクだけ飲みに来たら会計はどうなる?」


「……最悪1300ディルになるわね。 でも飾りとはいえお酒は席にあるから何も言えない……そんなお客様ばかりになったらお店がパンクするわ」


「そうだ。 魔界では俺の店だからそんな意地汚い飲み方をする客はいないが、人界だとそうもいかないだろう。 だからその対策だ」


「……なるほど……」


「さすが魔王様ね」


「そ、そんな抜け道があったんですね……」


 魔王様は異世界の知識があるから知ってたのかな?


「2階も見るぞ」


 2階っ⁉


 2階には広いスペースと大きい個室が1つ。 そして小さい個室がいくつもあった。

 実は私は魔術式を含んだ設計図に魔力を込めるだけだから、出来あがってから実際に中を見るまでよく分かってないのは内緒だ。


「魔王様、もしかして私達の部屋ですか?」


「そうだ! 野宿ももう終わりだぞ」


 お兄ちゃんとコーディさんが泣いて喜ぶ姿が目に浮かぶ!


「ルルさんメイリアさんありがとうございます!」


「ニーナ、2階を提案したのは俺だぞ?」


 魔王様にジトと(にら)まれた。

 魔王様はいつも魔王城の豪華なベッドで寝てたくせにぃ!


「魔王様アリガトウゴザイマス」


「気持ちがこもってないな……」


 しらないっ! ぷんだ!


「ところで大きい部屋は誰のですか?」


「コーディだ。 任期が終わるまでここに住むからな。 お前達の部屋はいずれナイトの寮にする」


 なるほど。 私達はお店が落ち着いたら別の街か国へ行くもんね。 再利用も出来るし無駄が無い。


 一応一部屋ずつ見て回る……。 あれ?


「魔王様、収納スペースが大き過ぎませんか?」


「そこは浴槽とトイレを設置する。 全部屋完備だ!」


「ええっ! やったぁ!」


「……部屋でも錬成出来る……」


 ……メイリアさんが引きこもりにならないか心配……。




 その後は扉や窓、キッチンやトイレなどの寸法を測って、素材を売りさばいた時に私が念話先を交換した商人さんに片っ端から発注しに行った。


 ガレリーさんにエリーさんの装備を発注した仕立て屋さんを紹介してもらって、騎士風の制服と内勤(ないきん)のスーツの発注もした。

 その際、あの装備の発案者が魔王様だと知ったデザイナーさんが魔王様と固い握手を交わしていた……。


 もう陽が落ちる……。 疲れたぁ。


「よし、今後の商人とのやり取りはニーナに任せた! 金を預けておくから物が出来次第、取りに来て店に置いておいてくれ! 服はナイト達に見せるからディアブロに持って来い」


「ぎゃぴっ!」


 確かに財務管理をしてて亜空間の広い私が適任だけどっ!

 ……しょうがない、人界征服のためだ、頑張ろう……。




 ディアブロに帰ってきたらシアさんが魔王様とルルさんに何か話していた。


「それは怪しいわね……」


「ルル、解決策はあるか?」


「魔王様に依頼された件と一緒に解決出来るかもしれないわ」


「じゃあ任せた、よろしくな!」


 そう言って魔王様は魔界へ転移した。

 何があったんだろう……?




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