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【まおホス!】魔王様のホストクラブ作り!……に振り回されて大変です!【表紙挿絵有】  作者: つーちゃん
第一章 ちょっとホストクラブ作ろうぜ
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プレオープン終了

 シャンコの嵐が終わって、店内が落ち着いてきた頃に魔王様が再び店内へ向かった。


「皆座ったままでいい。今日は楽しんでもらえたみたいだな。正式オープンは一週間後の来月一日だから宣伝をよろしく頼む! あと、ここは社交界じゃないから身分差は無しだ。金を使って自分好みの空間を作るのは個人の自由、それが店でのルールだと覚えておいてくれ。最後に、気に入ったナイトがいたら次回指名してやってな、そいつらの給料になる。じゃぁ俺はこれで」


 魔王様がバックヤードに戻るとザワザワし始めた。お客様がナイトさん達に次回からのシステムを確認しているようだ。


 ラウンツさんとお兄ちゃんがお会計伝票を取りに来たので渡し、少しすると小金貨がわさわさ集まってきた。

 ひぇ! 実際に現金を見るとドキドキする……こんなにもらっていいのかな……。


 ナイトさんがお客様をエスコートしながら出口へと向かって来たので慌てて扉を開けた。

 お客様はナイトさん達とここでお別れみたいだ。


「貴方の騎士(ナイト)になれる日を心待ちにしています、プリンセス」


「そ、そうね、考えておくわ……」


 指名してねって意味かな。でも即答しないのが淑女の(たしな)みだ。でもお客様の顔を見る限り、正式オープンにも絶対来てくれそう……。


 お店を出たら、ラウンツさん、お兄ちゃん、アーニャが護衛で馬車まで送るらしい。


 三人が店内に戻って来て全員揃ったら魔王様が口を開いた。


「プレオープンは大成功だ! みんなお疲れ、よくやった。ナイト達はちゃんと客に念話していいか聞いたな?」


 ナイトさん達がブンブンと縦に首を振る。連絡先まで聞くんだ……。


「よし! じゃぁミーティング、えっと会議は明日の朝するからまた店に集まってくれ。今日は疲れただろう、簡単に片付けたら帰っていいぞ」


 みんなホッとしながら返事をした。……あ、そうだ!


「あのう……魔王様、今日の売上とか伝票はどうしたらいいですか?」


「……そうだな、しばらくはナイト達に日払いで給料を出すから小金貨一枚寄越せ。俺が大銀貨一枚ずつ渡しておくから帳簿に付けとけよ? ニーナの事は信頼してるから残りは来月末まで亜空間に保管しといてくれ。しばらくの間は俺も店に来るから毎日確認するつもりだ、安心しろ」


 ぎゃぴっ! この調子でひと月分も売上を保管してたらすごい金額になるよぅ! 怖い! 全然安心して眠れない……。


 お店を出たらラウンツさんが扉の魔術式に魔力を込めて鍵をかけた。鍵はメンバーの魔力でしか開かないようになっている。魔術式も無く転移出来る魔族は魔王様しかいない。


 お兄ちゃんと家に帰ってお風呂に入ったらすぐに寝た。精神的に疲れたよぅ……。




──────────────


 今朝はミーティングという会議だ。

 もそもそと朝食をとってお兄ちゃんと家を出ようとした時、客間にお母さんお抱えの仕立て屋さんが来ていた。


「あれ? お母さんどうしたの?」


「どうしたも何もないわ、早くドレスを頼まないとオープンに間に合わないのよ……」


 お兄ちゃんを見たら頭を振っている。……お父さんお仕事頑張ってね……。




 私達に続いてルルさんが最後にお店へやって来たところで、魔王様が転移して来た。


「皆おはよう! 早速ミーティングだ、座ってくれ」


 ナイトさん達含め全員が座ったのを確認して魔王様が話し出した。


「今後、ナイト達にはダンスも覚えてもらう。ルルとアーニャ、ラウンツとレイスターは踊れるな? 今日から毎日教えてやってくれ」


「いつかイケメンと踊るためにママから教わったからね! 任せて!」


「アタシをエスコート出来るまでスパルタでいくわよぉ!」


「ラウンツ、残念なお知らせだが()()()()()ダンスを教えてやってくれ。女役はルルとアーニャだけだ」


 またラウンツさんがショックを受けてる……。

 前に魔王様に「何でラウンツさんを近衛兵に抜擢(ばってき)したんですか?」と聞いたら「面白そうだから」っていう答えが返ってきた。絶対ラウンツさんで遊んでるよぅ……。


「ニーナとメイリアは……踊れないな。うん、他の仕事を任せよう」


 ふるふると頭を横に振る私とメイリアさんを見て魔王様は諦めたようだ。へっぽこダンスを披露する羽目にならなくて良かった……。


 そういえばやけに店内のど真ん中が広く空いてるなと思ってたけど、ダンスをするためだったんだ。ホールと言うらしい。


「あ、あの、魔王様……もしかしてナイトさんとダンスをするのにもお金が発生するのですか?」


「そんな無粋な事はしないぞ。だが条件がある」


「条件とは?」


 魔王様がニヤリと笑う。段々わかってきた、魔王様がこの顔をする時は何か(たくら)んでる……!


「新規オープンしてからのお楽しみだ。まだマリリア達には言うなよ?」


「はぁ……分かりました」


 その後、メイリアさんは新しい飾りボトルを作るよう依頼されていた。同じ形で七色作るみたいだ、カラフルで綺麗かも。


 私は、お母さんに昨日の感想を直接聞いてこいと魔王様に言われたので帰宅する。また明日の朝ミーティングに参加すればいいとの事。

 お母さんに色々聞かれるのかなぁ……疲れそうだよぅ。




2021/8/28改稿。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ニーナの苦労が頭に浮かびますが、報われることを望みます。
[良い点] 淑女達のお金がぁああ集まるぅうう(゜∀゜) 旦那勢ファイト(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ プレオープンでセレブ達の心を掴み、システムを理解してもらってからの…((((;゜Д゜)))…
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