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エリーの装備(魅力+∞)

ブクマ評価ありがとうございますヾ(●´∇`●)ノ

「でな、21階層からは岩石エリアだ。 岩とかからミスリルが出るし、なんと30階層のボスはミスリルゴーレムだ!」


「何っ⁉ ミスリルが採り放題じゃないか!」


「フッフッフ……だが人族は21階層まで行けるかな?」


「ぐぬぬ……絶対に攻略させるぞ!」


「そして31階層から40階層まではマングローブエリアだ。 デカい川の中にある密林だな。 ここは下りの一本道だから面白いらしいぞ! ボスは湖にいるヒュドラだ!」


「ヒュドラちゃんは強かったわぁ! ルルさんと行った時もアーニャちゃんと行った時もギリギリだったのよ! でも楽しかったわっ☆」


「ヒュ、ヒュドラ⁉ あの首が9本の水蛇だよな⁉ 2人で倒した……だと……?」


「そういえばラウンツの馬鹿力でゴリ押ししたのか?」


「動きが(にぶ)かったからきっとルルさんとアタシの魅力にメロメロだったのよ☆ アーニャちゃんは封印を解いていたわ!」


 ……ヒュドラさんは、ルルさんの凶悪な魔道具と、ラウンツさんアーニャのテンションに付き合うのがしんどくなって適当にやられたんだと思う……多分。


「あとラウンツ、素材はどうした? ディルが必要なんだよ」


「おお! 見せてくれ!」


「ヒュドラは全部メイリアちゃんにあげちゃったわっ!」


 魔王様がジト……とメイリアさんを見る。


「……全部はダメ……」


 メイリアさんは全て渡す気は無いらしい。 魔王様に負けじとジト目で対抗してる!


「……わかったよ。 じゃあグレイムに査定だけしてもらっていいか? 売りさばく際に参考になるからな!」


「……ん……」


 メイリアさんが亜空間から凍らせて保存したヒュドラを出した……って、えええ! 首が丸々1本、部屋を占領してる! ぐるりと首に囲われて気持ち悪いよぅ!


「アタシもミスリルゴーレムを少し持ってるから出すわねっ!」


 グレイムさんが興奮しながらしげしげとヒュドラとミスリルを検分し始めた。


「ヒュドラはオルガで初めて見たな!

 出回ってない素材だから商人相手ならこの首1本で500万ディルはいけるんじゃないか? 冒険者ギルドだと底値だから100万しか出せないけどな。

 ミスリルもすごいな、精錬したミスリルと同じだ。 ボス素材だからか……? 精錬済なら相場があるからぼったくられたりはしないだろう」


 ひゃあ! 売れたら一気にお金持ちだ‼


「おっ! やったぜ! レイスター達は今頃ヒュドラを狩ってるかな⁉」


「メイリアさん、これでもう私達が鉱山奴隷になることは無いね!」


「……アダマンタイト欲しい……」


 ダメだっ‼ メイリアさんはアダマンタイトを見つけるまで掘るつもりだ……。


 ドアがノックされたのでメイリアさんがササッとヒュドラをしまった。


 ギルド職員さんが借用書をたくさん持ってきてくれたみたい。 メイリアさんが受け取った。


「じゃあ世話になったな! 地図はディアブロの店で売ってるからオフレコで頼むぜ? 冒険者がたくさん来るように宣伝はいいけどな!」


「うむ。 また41階層以降の情報を楽しみにしている」




 冒険者ギルドを出て、魔王様にディアブロへ転移させてもらった。


 はぁ……謁見から奴隷の救出、商業ギルド、冒険者ギルドと疲れたよぅ……。

 これはニャンダフル副店長のお仕事としてラヴィをモフらなければ……っ‼


「あっ! 魔王様! 例のブツが仕上がりましたよ‼」


 ガレリーさんが広場にいた。


「何っ⁉ ちょっとニャンダフルに来い!」


 ちょ、職権乱用しようと思ったのに魔王様が邪魔だよぅ!


 魔王様とガレリーさんとニャンダフルの中へ入ったらお客様がいっぱい……! もう夕方だから冒険者さんが帰って来たみたい。

 でも女性の冒険者さんばかりだ。 男の人はこういう可愛いお店は入りずらいもんね。


「おかえりなさいプゥ」


「エリー! 制服が出来たぞ! ちょっとキッチンで着替えてくれ!」


「? わかったプゥ!」


「魔王様……僕は歴史が変わる瞬間の目撃者になるかもしれません……」


「……そうだな、その目に焼き付けるといい」


「ハイド様〜この服、(そで)が無いプゥ」


 エリーさんが出てきた。


「おお! エリーバッチリだ! これぞ本物のバニーガールッ‼」


「魔王様! 革命です! 革命とはこの事です‼」


 …………。


 エリーさんが着ているのはガーターベルト付きニーハイ網タイツにハイヒール、その上はルルさんのドレスみたいな形で胸までの服……だけど腰から下がスカートじゃないのはなぜっ⁉

 脚が付け根から丸見えだよぅ! さらにメロン(おっぱい)がこぼれ落ちそうだ!

 そしてなぜか白い(えり)袖口(そでぐち)()()しか無い……。 エリーさんの言う通り(そで)が無い!


 意味がわからないよぅ! なんで襟と袖口だけなのっ⁉ もはやいらなくない⁉


「僕は……僕はこの瞬間のために商人をやっていたのかもしれません……っ!」


 ガレリーさんは一筋の綺麗な涙を流した。


「ガレリー、よくぞ成し遂げた。 お前はこの街一番の商人になるぞ!」


「はいっ‼」


 魔王様とガレリーさんの間で熱いドラマが繰り広げられているけど、ただのお色気作戦だ。


「エリー! ちょっと男の冒険者に店の宣伝して来い!」


「はいプゥ!」


 クルクル回って服を確かめながらまぁるい尻尾をフリフリさせていたエリーさんがピョンと跳ねてお店から出ていった。


「ニーナ店内はよろしくな!」


「はい……」


 私のモフモフタイムがぁああ‼


 魔王様が[店員へのボディタッチは厳禁! 以後出入り禁止とします!]という貼り紙をカウンター脇に貼ったところで、エリーさんとたくさんの男の冒険者さんがやって来た。


「ハイド様! ラヴィが好きな冒険者さんがいっぱいいたプゥ!」


 魔王様とガレリーさんがニヤリと黒い笑みを浮かべた。

 冒険者さんは「仲間を迎えに来ただけだ!」とか強がってるけどチラチラとエリーさんを見てる……。 見事に魔王様の罠に引っかかってるよぅ!




 ニャンダフルの営業が終わって魔王様とディアブロのお店の裏口へ戻って来た。 魔王様がずっとニャンダフルを観察してたからモフれなかったよぉ!


「魔王様! ヒュドラ素材を取ってきました! ガレリーさんはさすがに手持ちが無くて買い取れないそうです。 買い取ってくれる他の商人さんと話をしてくれるみたいです」


「獣人と手分けしても、私達の亜空間じゃ持って帰れたのはヒュドラだけだったよ!」


 裏口には解体されたヒュドラさんが……。


「レイスター、アーニャお疲れ! 素材はニーナに預けとけ。 ラウンツとメイリアもな。売れたら獣人にもディルを分配するから言っておいてくれ」


 ひぃ! 出た! 歩く倉庫扱い!

 腐らないよう氷漬けにしてしぶしぶ亜空間に入れる……。


「あれ? ルルさんはまだ帰ってきてないんですか?」


「僕はずっとお店にいましたけど帰ってきてませんね」


 コーディさんがそう言うならまだリサさんの所かな? 私もリサさんが心配だからちょっとだけ様子を見に行ってみよう……。




 ルルさんに念話したらミアさんシアさんのお家にいるとの事で向かった。 お見舞い(?)にラヴィを1匹連れてきた。


「ニーナです、リサさんのためにラヴィを連れてきました。 私が入っても大丈夫ですか?」


「ラヴィニャ⁉」


 ぎゃぴっ! 扉がバンッ! っと開いた。 ぶつかる所だったよぅ!


 ミアさんに中へと(うなが)され入ると、ベッドに腰掛けたリサさんとその横にルルさんシアさんがいた。


「リサさんは落ち着きましたか?」


「とりあえずは、って感じかしら?」


「……ニーナさん助けてくれてありがとうございますコン……」


「いえ当然の事です。 あ、ラヴィモフりますか?」


 リサさんにラヴィを渡すとちょっと微笑んだ、よかった。


「ニーナの魔法すごかったニャァ! 眼が光ってオレンジの魔力が部屋中に広がってたニャァ! 〈紅霧(こうか)〉使ったのかニャァ?」


「えっ……? あれは夕陽が差してる時にしか使えませんよ?」


「あれ? そうなのかニャァ? キャラリアで戦った時と一緒だったんニャけど……」


 ん……? 確かに部屋がオレンジ色に染まってた……。 何だったんだろ? でもそれよりリサさんだ。


「ところで、リサさんはこれからどうするんですか? 私の勝手ですけど心配で……」


 め、迷惑じゃないかな? もじもじと指をこねる……。


「お母さんとお父さんが命をかけて守ってくれたから、どんなに辛くても絶対に生きるって決めて耐えてきたコン……ここにいるみんなのおかげでもう安心コン……しばらくここに住まわせてもらえるから頑張るコン……」


 ラヴィを()でながらリサさんが言った。

 まだ憂いを秘めた顔をしているけど、眼にはしっかりとした光が宿っている。 ミアさん達に任せれば大丈夫そうだな……よかった。


「僕たち獣人はみんな家族ニャ!」


「リサに合ったお仕事を見つけるニャァ、任せるニャァ」


「じゃあそろそろ私は帰るわね。 ニーナちゃん行きましょうか? リサちゃん、相談があったらいつでも呼んでね」


 リサさんは笑顔で手を振ってくれた。




 ラヴィを柵に入れて少しモフったらご飯を食べてすぐ寝た。 疲れたよぅ……。


 明日からは金策かな……。 上手く素材をさばけるといいな。




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