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四天王戦 エタフォ、再び

早速いいねありがとうございます(∩´∀`)∩ワーイ

 次はエタフォ、いっくよぉーーーーー☆!


「死の冷気を(まと)いし──」

「うぉおおおーーー!」


 ひぃ! 勇者がこっち来るっ! 火属性魔力を放出して〈ダイヤモンドダスト〉を打ち消してる! コイツ……ッ! 魔法戦の方が得意なんじゃないの⁉ そんな事より詠唱が間に合わ──〈空間固定〉!


「んあ゛ぁっ⁉」


 足元を固定された勇者がべちん! と前につんのめった。

 危ない危ない……さて、詠唱だ。ボスはたっぷりと時間をかけて仰々(ぎょうぎょう)しい演出をしなければならない。

 再びカッコいいポーズで「これが最後ですよ!」感を出すため、左手をスチャッと仮面に向かって構える。もちろん右手は空へと伸ばし、両脚は軽くクロスさせる。


「死の冷気を(まと)いし我が身を喰りゃいて力と()しぇ…… 顕現(けんげん)しぇよっ♡! 今ここに憤怒(ふんど)の吹雪を巻き起こしぇ! 暗黒の氷の刃が(しゅべ)てを()み込みゅっ☆!」

「これアカンやつちゃう⁉ 〈紅孔雀〉!」


 ふふん! 勇者の火魔法など、私の圧倒的な魔力に比べたら焼け石に水なのだよ!

 〈はみゅはみゅ☆フィールド〉中に充満した氷の結晶はゴォオーーーっと吹雪(ふぶ)き出し、無数の氷柱(つらら)が生成される。

 目標、カス。と念じると、氷の剣山がジャキンッ! と全方向から勇者に狙いを定めた。

 勇者が普通にこれを喰らったら死ぬ。なので魔王様がエタフォの氷刃(ひょうじん)を空間魔法で無理矢理操作する手はずになっている。それについては、ピンチになった勇者が急になんかすごい力に目覚めた(笑)という事にするらしい。


『……いきますよ? 本当にいきますからねっ⁉ 魔王様、お願いします!』

『ニーナ、やっちまえ!』


「アカンアカンアカン! 〈嶺上開放(リンシャンカイホウ)〉ッ!!!!!」

「〈エターナル(えたーにゃる)フォース(ふぉーしゅ)ブリザード(ぶりじゃーど)〉っ☆!!!!!」


 勇者が聖剣から放出した膨大な魔力と私のエタフォがぶつかる! と思ったその瞬間──何者かの影が勇者に覆い被さった!

 ……なに? でも今は回避を!


「勇者ちゃんっ!!!!! ……ぐっ! ぐぁあああっ……!!!」


 ドスドスドスドスドスドスドスドスドスッ!!!!!


「……ぎゃぁっ! オカマの四天王⁉」


 〈影移動〉で回避した先の地面から出て勇者を見る。

 ……えええええーーーーー!!!!! なんでラウンツさんがっ⁉

 でも今日はいつものプレートメイルだ! よかった! 世界は守られた!

 ってか思いっきりエタフォがラウンツさんにブッ刺さってるようっ! どうしてっ⁉ 死んじゃう! いや、むしろなんで生きてるのっ⁉


「チガウわぁっ! 『破壊の乙女』は……アタシの姉よっ!」

「いやお前やん!」


 ラウンツさんですっ!

 勇者の声と私の心の声が重なった。


「こういう体形の家系なのよっ! 姉はそれを気にしていたわ……だから言わないであげて……」

「ちょっ、近っ! カオ近いねん! 分かった分かった! 分かったからもう離れて⁉」

「ダメよっ! まだメロディちゃんが攻撃してくるかもしれないわっ! アタシは姉を止めるため……いえ、今はもう、罪滅ぼしのため、ネ。そのために人界へ来たのよ……」


 えぇ……そういう設定なのぉ……? 無理があるんじゃ……。


「どぉでもええ! お前は完っ全にオカマやんな⁉ ソコが大事やねん!」

「そうよっ☆ アタシは強い姉に憧れ……心までオンナになったのよぉっ!」

「……ッ……ぎゃぁああああああああーーーーー!!!!! ()られるぅうううーーーーー!!!!!」

「失礼ネッ! んもうっ! 勇者ちゃんはアタシの好みじゃないわぁっ!」

「さっきっから俺の身体まさぐってるやん! マジ、もう! 勘弁してやぁ!」


 ……ボスである私はどうしたらいいの……?

 今なら分かる。ボスとして登場したのに私達に待たされた火竜さんの気持ちが。

 エタフォの最後はシメの台詞を言わなきゃいけないのに……完全にタイミングを逃したよぅ!

 とりあえずボソッと「雪の蓮華(れんげ)は……二度、(しゃ)く……」と言っておいた。


『ニーナ! もう一回エタフォだよ!』


 やっとアーニャから指示が!


『……えっ⁉ もう一回⁉ ってかラウンツさんはなぜっ⁉』

『もうっ! 作戦変更聞いてなかったの?』

『変更……? 聞いてないよぉおおおおお!』

『いいからエタフォ! その前に台詞は──』


 くっ! もう訳が分からないけど早く終わらせよう! 勇者が色んな意味でピンチだけど構わない! ラウンツさんは死ぬ気がしないし!


「おぬし……確か『破壊の乙女』の身内、みゅ? 魔王の犬め……ッ! おぬしもろとも深淵(しんえん)に叩き落としてやりゅみゅっ! ──漆黒より舞い上がりし雪の(はにゃ)よ! こにょ世の(しゅべ)てを()てちゅかしぇ!」

「──ッ⁉ 来るわよっ! 勇者ちゃん! アタシを盾に!」

「せ、せやな! まずはアイツからや!」

「〈()()()()()()()(しゅ)()〉ぉっ☆!」

「〈嶺上自摸(リンシャンツモ)〉! 小三元(ショウサン)混老頭(ホンロー)混一色(ホンイツ)──」


 立ち上がったラウンツさんがキリッとした顔で両手を広げ壁になり、〈ダイヤモンドダスト〉から勇者を守ってる……。

 勇者はラウンツさんの影でなぜかイキイキと詠唱し始めた。さっきのリンなんとかと微妙に違う? この感じは……魔力増幅系! 奴も二段階詠唱……だと⁉ 私も次の詠唱を!


「死の冷気を(まと)いし我が身を喰りゃいて力と()しぇ…… 顕現(けんげん)しぇよっ! 今ここに憤怒(ふんど)の吹雪を巻き起こしぇ! 暗黒の氷の刃が(しゅべ)てを()み込みゅっ!」

「──対々和(トイトイ)三槓子(サンカンツ)! ヨッ……シャァーーーーーッ! 〈(かぞ)え役満〉!!!!!」

「喰りゃえ☆ 〈エターナル(えたーにゃる)フォース(ふぉーしゅ)ブリザード(ぶりじゃーど)〉ぉ~~~っ!!!!!」


 えっ! なんか勇者から白いドラゴンが出てるんだけどっ⁉ 私、大丈夫だよね⁉

 ……あああああっ! 結界張ってないよぉおおおおんんん!!!!!




麻雀知らない人には呪文に聞こえるよ(*´・ω・)(・ω・`*)ネ! 嶺上開花=カッコいいレアな役。数え役満=出現率0.01%。夢見る鳴き麻雀なのがこの勇者の性格を表している。

麻雀と世界観についてはプロットにあるのでスルーして下さい。


2/3(木)はお休みします(∩´ω`∩)

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