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毎月恒例カリン祭り開催!

「ルフランッ! やっぱり私のコトお金としか見てないんでしょっ⁉」

「ちょ! デカイ声出すなカリン! ちゃんと話すから!」


 ぎゃぴっ! カリンさんが叫んだっ! アーニャもルルさんも楽しんでる……!

 同卓のミミリンさんとヴァンさんは……じっと背景に溶け込んでる。そうするしかないですよね!


「集え! 鎮魂歌(レクイエム)──」


 アーニャが集音魔法で盗み聞きするつもりだ。……私も不測の事態に備えて聞いておこう……怖いけどっ!


「ナンバーワンになったのになんで付き合ってくれないの⁉」

「ナンバーワン取ったら付き合うとか言ってないだろ……」


 二人は「小さな声で叫ぶ」という器用な技で喧嘩を続行しているみたいだ。

 確かにルフランさんの言う通りだけど、カリンさんからしたらルフランさんに振り向いてもらうために応援していたわけで……。

 ああ……カリンさん祭りはずっと終わってなかったんだ! そりゃこういう流れになるよね⁉


「そうだけど! でも私ルフランのために頑張ったんだよ⁉」

「うん、だからカリンは俺にとって一番大事だ」

「なら!」

「でもまだ出会って二ヶ月位だろ?」

「時間とか関係ないし!」


 カリンさんはちょっと強引だけど、気持ちはものすごくわかる……。ルフランさんどうするのぉ⁉


「いやそうじゃなくて、俺はナイトの仕事を始めたばかりだから──」

「今は仕事に集中したいって言うんでしょ⁉ もう何回も聞いた! 結局それってこれからも私がルフランのために頑張れって事じゃん!」


 うわぁ……ルフランさんが()されてる!


「……違うだろ? 俺は今月カリンに『店来い』なんて言ってない」

「っ! そうだけどっ! じゃあどうしたら付き合ってくれるのっ⁉」

「ナイトの仕事をしてる俺と付き合っても辛いだけだぞ?」


 ガシャーーーンッ‼


 あああっ! やっぱりグラス投げたぁっ!

 アーニャが「カリンちゃん祭り開始!」って喜んでる! バカッ!


「そうやって逃げてばっかり! 『一番大事』って『売り上げのために一番大事』って意味じゃん! もうお店来ないからっ! ラウンツさんチェック!」


 カリンさんが真実に気付いた! そして乱暴にバッグを引っ掴んでお財布を取り出す……。

 この流れは……ルフランさんまた逆ギレ放置作戦するのぉ⁉


「……おう、もう帰れ」


 ルフランさぁん……。静かだけどやっぱ怒ってるよぅ! もうその作戦はやめてっ⁉ 事態が悪化するからぁ!

 そしてルフランさんは、お会計が終わって出口へ向かうカリンさんの後ろを付いて行った。


「付いて来ないで!」

「いいから、送るから」


 ……パタム。とドアの閉まる音がする。二人は外へ出たようだ。

 取り残されたミミリンさんとヴァンさんが気になるので会話を聞いてみる。


「ミミリン、やっと二人っきりだな! 飲もうぜ!」

「やめて気持ち悪い。ねぇヴァン……ルフランがナイトなのは分かるけどさぁ、カリンちゃんを騙したりしてないよね?」

「騙してはいないけど……まぁカリンちゃんが期待するのはしょうがないよな」


 夢を見せてるだけって事かなぁ……。でもカリンさん可哀そうだようっ!


「せめて試しにでも付き合ってみたらいいのに」

「う~ん、俺がルフランに言ってみよっか? ミミリンが言ってたって言わないから」


 ヴァンさんお願いします! 私の心の平穏のために二人を結んでください!


「ホント⁉ やっぱヴァンいいやつだね!」

「まぁな! 俺は顔も中身もイケメンだから!」

「イケメンじゃないし!」

「お話し中失礼します。ヴァン」


 レオさんが抜きに来た。


「あ、ごめんミミリン、ちょっと行ってくる」

「……ヴァン、指名入ったの?」

「え? あー……どうせバレるか。うん、初回に飲み直し指名もらった」


 するとミミリンさんの顔が心なしか曇った。


「あそこの初回めっちゃガッついてたよね……」


 あれ? ミミリンさんがなんだかしっとりしてる……どうしたのっ⁉


「俺は初回にいつも全力だぜ⁉」

「そうだけど……でもあの人お金持ちじゃん……」

「なんだよミミリンー! 俺が盗られちゃうかもって心配してんの⁉ かっわいい~!」


 そうなの⁉ あのミミリンさんが嫉妬なんて可愛い! いつもは他のナイトさんがヘルプに来るから被りは嬉しいって言ってたのに!


「ち、違うし! 捨てようとしたゴミでも人が欲しそうにしてたらなんか惜しくなるでしょ⁉ それと一緒!」

「ミミリンヒデェ! 俺はゴミで捨てようとしてたの⁉」

「ちがっ! 今のはものの例えで!」

「そっか~違うのかぁ~。今日のミミリンなんか可愛いな!」

「可愛くないし!」

「ははは、すぐ姫の元に帰ってくるから待ってて!」

「うるさい! 早く行きな!」


 そしてヴァンさんはミミリンさんに頭ぽんぽんをして他の席へ向かった。

 向かった先は……。




 ええっ⁉ サシャさんから指名もらったのぉ⁉




逃げた女子を追いかけないともっと修羅場になるという地獄の選択を迫られる男子の皆さんお疲れ様です!


多忙につき次の更新は11/28(日)ですm(__)m

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