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【まおホス!】魔王様のホストクラブ作り!……に振り回されて大変です!【表紙挿絵有】  作者: つーちゃん
第五章 ちょっと戦争ブッ飛ばそうぜ
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勇者イケメン化計画の修正

「さて、勇者の様子を見に行くかー! 楽しみだな、ははは!」


 ぎゃぴっ! 魔王様勇者の事覚えてた!


 そして魔王様の軽すぎるフットワークにより、ムーバーイーツメンバーはそのままアレイル都市上空へ転移させられた。メンバーはそのまま魔王様と私、お兄ちゃん、アーニャ、ルルさんラウンツさんだ。

 メイリアさんがいなくて勇者は命拾いしたかも。視線だけで殺されそうだから。

 ……メイリアさん、休まないで卵の観察してるのかな? 早く帰りたいな。


「ん~……勇者アレイル都市にいないな。あっちの方向にいる、魔物退治でもしてんのか?」


 魔王様が南の方角を指し示した。


「転移するぞ!」


 魔王様がそう言った瞬間、私達はまたどこかの木の上にいた。森に転移したみたいだ。

 もぉお! これ以上転移したら吐くよぉ! 勇者めっ! なんでアレイル都市に帰って来てないの⁉


「アラッ⁉ 勇者ちゃん、ちゃんとオシャレになってるじゃなぁい☆」


「ホントだね! イケメン装備になってるよ!」


 私も聖属性でぞわぞわする方向を身体強化で見てみた。

 ……確かに森の中で勇者らしき人物が聖剣を振り回しながらブラックコボルトと戦っている。勇者の近くに全身赤色のミルムさんがいたから分かった。

 勇者は(えり)付きのジャケットを羽織っており、ズボンやブーツ、手袋も全てお揃いのオシャレなモノトーンコーディネートになっていた。魔物の皮で作られた装備かな? 全体的に金属の装飾がされていてチャラい。あと聖剣の(さや)も用意したみたいだ。


「髪もストレートになってるな……でも短けぇ。魔王様……どうするんですか?」


 お兄ちゃんが一番の問題点を指摘した。

 そう、勇者の金髪はたった3センチくらいしか無いのだ……辛うじてイケメンに見えるようになったけど、髪型がまだ(やから)臭プンプンだようっ!


「……ヴァンより短いけどイケるか? ……いや、やっぱり短いな! どうすっかー!」


「魔王様! 私の魔眼がまだ髪型だけ許せないって言ってるよ!」


「魔王様……これを」


 ルルさんが魔王様にキラキラのふさふさを差し出した。ルフランさんみたいなサラサラ金髪カツラだ!


「おっ! ルル準備がいいな! よし、これを──」


 おネエの神様はやめてっ!


「──アーニャ! やっちまえ!」


 ホッ。


「オッケー魔王様! 聖なる(セイント)ウィッグを装備させればいいんだね!」


 防御力はほぼ無い。


 そしていつも通り魔王様がアーニャ以外に結界を張ってくださった。


「いっくよー! 闇夜の狂乱に(むしば)まれし子羊よ……今ここに月の女神の聖なる光を()って浄化する……(なげ)きの魂よ! 月光より(あかつき)へと変貌(へんぼう)する(ことわり)遵従(じゅんじゅう)せよ! 〈聖なる光(ホーリーシャイン)〉! ──ぐあぁあああっ‼」


 虹色の光が勇者へ降り注ぐ。アーニャ……カスのために毎回本気出さなくていいのに。でも多分アーニャがやりたくてやってるんだろうな。


「おっ⁉ なんや⁉ ──っせいっ! オラァ!」


「リュー! セレネー様の光ちゃう⁉ はよコボルト倒しぃ!」


「ちょ! ちょ! 待ってぇな! ──ッハァーーーッ!」


 勇者がバックステップでブラックコボルトから距離を取り聖剣を横一閃すると、刀身から聖属性魔力が放出。五匹いたブラックコボルトは全て吹き飛ばされ木に打ち付けられる。そしてそのままズルリ……と地面に落ちて沈黙した。


 ブラックコボルト……闇と同化するスキルを使うから結構強いのに……一撃で。勇者って本当に強い? それともドルムさん最高傑作の聖剣のおかげ?

 ……ひぇえ! そういえば私、勇者と戦うんだった! やだようっ! 接近戦は怖いようっ!


「やっぱデュランダルはバリエッグいなぁ! 闇属性の魔物相手なら無敵やでぇ!」


「……勇者リューよ……」


 アーニャが空気を読み、勇者の戦闘が終わってから語りかけ始めた。


「おっ! セレネー様! 聖剣ありがとさん~! ホンマおかげさんで稼がせてもろてます~! 魔物がバッタバッタ死んでくでぇ!」


 勇者は空に向かって手を振っている。

 こいつ……まさか魔王様が大金をはたいた聖剣を使って稼いだお金をカジノで使ってないよね?


「……いえ、まだまだ聖剣・デュランダルの力を使いこなせていないようですね……?」


「えーーーっ! メッチャ装備に金かけたんやでぇ⁉ セレネー様はこういうチャラいんが好きなんやろ⁉ 大剣まで売ったんやで⁉」


 勇者、意外と真面目に装備を整えたらしい。


「アホ! 大剣売ったのはカジノでマイナスなってもーたからやろ!」


 ミルムさんが勇者の左胸を裏拳で殴った。……やっぱり勇者は私の期待を裏切らなかった、残念な方向で。


「ちょぉ! ミルム! セレネー様にバラすなや!」


「……リューよ……ファネイから聖剣の使い方を教わったのではなかったのですか?」


「おお! 教えてもろた! ちゃんとチャラいカッコしてパンチも元に戻したでぇ! どや⁉」


「……貴方が努力しているのは分かりました。ですが……邪なる四体はもうすぐそこまで迫っています! 時間が無いのです! ですからリューに聖なる(セイント)ウィッグを託します……これを被っていなければ聖剣・デュランダルの真価は発揮できません! 人前では必ずこれを被っているのですよ⁉ 絶対ですよ⁉ サラサラ金髪イケメンでなければわたくしの魔力と同期できません! では……わたくしとファネイは常に貴方の事を見ています……頼みま……たよ……」


 どこまでもイケメン好きな女神だ。人界の聖職者に知られたら怒られそう……。


「セイントウィッグぅ~?」


 勇者とミルムさんが首を傾げていると空から金髪カツラが勇者の手元へゆっくり降ってきた。月明かりに照らされ金に輝くヅラは上手い具合に神々しさを(かも)し出している……魔王様の演出だ。


「おーっ⁉ なんやこれ!」


「……このヅラを被れっちゅーことやな……」


 ミルムさんに言われ勇者がよいしょよいしょとヅラを被った。


「……どやミルム⁉ チャラいか⁉ 今日はこのまんま抱いたるわ! ──痛ァッ! ヅラ取れたやん! セレネー様に怒られる!」


 ミルムさんが勇者の頭をはたいたことによりヅラが地面に落ちた。


「こんなのリューやないぃいいい‼ うわぁーーーん!」


 ……お腹空いたなぁ。ラウンツさんのフリフリハートエプロンが恋しい。




明日のお休み取り消し! 更新します。

ストック溜まってきました! いつも更新お待ちいただきありがとうございます(∩´ω`∩)

エッセイ書いたのでご興味あればそちらでお暇つぶしください。まおホス!の事も書いてあります。

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