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【まおホス!】魔王様のホストクラブ作り!……に振り回されて大変です!【表紙挿絵有】  作者: つーちゃん
第五章 ちょっと戦争ブッ飛ばそうぜ
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イケメンは作れるっ☆

執筆に夢中で更新遅れました! すみません!

「あん? 雰囲気イケメンじゃないだけで、顔はクソイケメンだったぞ? ちゃんと見なかったのか?」


「「え?」」


 私とアーニャの声が重なった。顔……そういえば虎の顔しか見てなかった。インパクトがすごすぎて。


「髪を伸ばしてちゃんとした服に着替えれば完璧なイケメンだ! 元がいいからな、簡単にイケメンは作れる!」


「イメチェンネッ☆」


「そうね、服装などはともかく、顔の造形は良かったわ。でも魔王様、見た目を変えさせるのはどうするのかしら?」


 ルルさんは冷静に分析していたようだ、さすが。


「おう! もっかいアーニャが啓示を与えればいいだろ! イケメンじゃないと女神の力が発揮されないとか何とか言ってよ」


「それは一理あるね! あのままだとうっかり殺しそうだよ!」


 ぜひアーニャにはうっかりやらかしていただきたい。でも見た目よりまずカジノをやめさせた方がいいと思う……。


「でもさぁアーニャ、さっき『もう呼びかける時間は残されていない』とか言って消えてく感じだったじゃん? そんなに簡単に復活したらおかしくないか?」


 お兄ちゃんのいう事はもっともだ。アーニャの演技力の高さにより、復活できなさそうなフラグを立てていた。


「そこは女神の力でさ!」


「こうなったらしょうがないわネッ! アタシが太陽の神として啓示を与えるわぁっ!」


 ひぃ! ラウンツさんがやる気になってる! おネエの神はダメだってぇ!


「うーん、もうそれでいいや。ただラウンツ、おネエは封印だぞ? 王様みたいに偉そうな感じでよろしく頼むぞ?」


「任せてっ☆」


 魔王様が投げやりになった。そしてサッ! と首を傾けたのはラウンツさんのウィンクをかわしたな……。




 魔王様とラウンツさんが簡単な打ち合わせを済ませ、魔王様がカス勇者を探した。彼はまだ森の入口らへんで魔物相手に聖剣の試し斬りをしているそうだ。


 私達はまた適当な木の上に転移させられカス勇者を再び観察。

 ……確かに顔()()見れば、ルフランさんに負けず劣らずの切れ長の目をしたイケメンだった……。


「う~ん確かに顔は悪くないけど……なんか私が求めてたのと違うよ! ラウンツさん、勇者のイケメン化計画お願いね!」


 アーニャは服装や髪形も含めて完璧なイケメンでないとダメらしい。


「任せてっ! アーニャちゃんもう一回〈聖なる光(ホーリーシャイン)〉お願いネッ☆」


「あっ! そういえば〈聖なる光(ホーリーシャイン)〉を使う魔力が無いよ! レイスターよろしく!」


 え? お兄ちゃんもあの厨二聖魔法をマスターしたの? ……うん、きっとアーニャに便乗して練習したな。


「え~俺かよ~しょうがねぇな~」


 渋々、といった感じの返事をしたお兄ちゃんの口元がムズムズしている。お披露目出来てよかったね。


 そして「太陽の神の啓示作戦~勇者イケメン化計画~」が開始された。もちろんお兄ちゃん以外は魔王様の結界に守られている。

 お兄ちゃん……その左手を顔の前に出し、右手で左手首を掴むポーズは必要なの? ……必要なんだろうな。


「闇夜の狂乱に(むしば)まれし子羊よ……今ここに月の女神の聖なる光を()って浄化する……(なげ)きの魂よ! 月光より(あかつき)へと変貌(へんぼう)する(ことわり)遵従(じゅんじゅう)せよ! 〈聖なる光(ホーリーシャイン)〉! ────うぐっ……!」


 お兄ちゃんは左手をバッ! とカッコよく前へ振り払い、アーニャよりはるかに弱いけどなんとか聖なる光を発動させた。そしてやっぱりダメージを喰らってる……。

 光がカス勇者へ降り注ぎ、お兄ちゃんと場所をチェンジしたラウンツさんが拡声魔法で呼びかけ始めた。


「……我は太陽の神ファネイである……リューよ、よくぞ聖剣・デュランダルを手に入れた……」


 ラウンツさんの野太いバスボイスにより鳥たちが一斉に木々から飛び去った。そしておネエ言葉じゃなかった、よかった。いつも疑ってごめんなさい!


「おおっ⁉ ファネイ様⁉ せや! 俺が勇者リューやでぇ! やっぱり俺が選ばれし勇者やったんやな!」


「セレネーが伝える時間が無かった故、我がその聖剣の使い方を教えてやろう……その聖剣はだな──」


「使い方⁉ はよ教えてや!」


 今ラウンツさんが喋ってるでしょ! 黙って⁉ こちらとしては「選ばれし」ではなく「選ばれ死」させるのもやぶさかではないのだ。


「その聖剣はだな……ズバリ! イケメンでないと本来の効果が発揮できぬのであ~る!」


「なんちゅーこっちゃ……せやから俺が選ばれたんか~! なるほどなるほど納得や!」


 その自信はどこから⁉


「……違うのである。セレネーが好む衣装・髪型でなければ力を発揮できぬのだ! お主の魔力はセレネーと同期できる故選ばれたが、見た目が相応しくないのである!」


「なっ、なんやてぇーーー⁉ センスの塊の俺は神様に理解されへんのかいな……せやな、神様ってふっるいもんな……俺の最先端ファッションが理解されんくてもしゃあないか……」


 神々に対してなんとも不敬である。敬虔(けいけん)なる信者の設定はどこへ……?


「うむ! であるからまずはだな、その髪を伸ばすのだ! 人界には恋物語があるであろう? あの挿絵のような髪型、服装にするのだ! サラサラの長髪が最も力を発揮できるのである!」


 恋物語を知っているなんて(ぞく)な神様だなぁ。そして指示が具体的すぎる……まぁ本当は神じゃなくて魔王様が黒幕だからだけど。


「アカンて! パンチは俺の個性なんや! 毎月3万ディルもかけとんやで⁉ アカンアカン、それだけは譲れん!」


 あ、天パじゃなかったらしい。……その理解しがたい髪型にお金をかける前に借金を返すべきでは?


「リューがチャラい格好せなアカンの⁉ そんなの……そんなの……リューやないぃいいい~~~!」


 ミルムさんがまた泣き出してしまった。……ミルムさんの好みだけは一生理解できそうに無い。もしディメンションに来たら秒で(きびす)を返しそうだ。


「ほう……では他の勇者を探そう」


 ラウンツさんがそう言うと、カス勇者が聖剣を頭上に掲げた。……いや違う、魔王様が空間魔法で引っ張ってる! カス勇者が聖剣に引っ張られてちょっと地面から浮いてるもん。


「ちょい待ちぃ! アカン! 聖剣は俺のモンや! 待ってぇな!」


「……チャラ男になるのであるな?」


 神はチャラ男などという言葉は使わない。さらに「チャラ男になれ」なんてふざけた啓示も与えない。


「わかったわかった! なるなる! 質草を持って行かんといてや!」


 こいつ……本当に最終手段として売り払おうと考えてる……ッ!


「ふむわかった……ならば貴様の覚悟を見せてもらおうぞ! あと筋肉だ! 筋肉が足りぬ! 筋肉はいいぞ! 特に大胸筋だな! 髪が伸びるまでの間、戦いに備えておくがよい! ではさらばだ! はっはっはーーー!」


 ちょっとぉーーー⁉ 最後の絶対ラウンツさんの好みだよね⁉ 勇者イケメン化計画のドサクサに紛れてガチムチ改造計画まで……ッ! やっぱり信じちゃいけなかったよぅ! さっきの謝罪を返して!


「おお! せやな、筋肉は大事や! ファネイ様ありがとさん~!」


 カス勇者は満面の笑みで空へ手を振っていた。……愛嬌があるとも言えなくはない。




 ラウンツさんも額の汗を拭いながらキラッ☆キラの笑顔でこちらを振り返った。


「魔王様っ! バッチリよぉっ☆」


「お疲れ……もういいや……」


 魔王様が諦めた。私もどっと疲れた……。


「さて、ちょっと時間が余ったから魔界に行くか」


 ぎゃぴっ⁉ も、もう⁉




カス勇者にだけ辛辣なニーナも実はちょっと楽しんでます。本人気付いてないけどw


「162話 ~人物紹介2~ ネタバレ無し」を追記・改変しました。その他修正ちょこちょこ。

オルガ国王の名前が安直過ぎたので、バルフレア・カルディ・オルガに変わっています。

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