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2回目の決戦日 全てを凌駕した者

 魔王様に言われて私の最後の疑問を口にしてみた。


「じゃ、じゃぁ最後の質問です……タワーの子はもしかして……」


「やっぱりニーナは魔力感知してなかったか。ここは戦場だぞ⁉ 常在戦場の意識が足りないな!」


「え? 魔力感知?」


「あ、分かったわ」


 ルルさんは分かったらしい。私も魔力感知してみる。……えっ⁉


「あ、あの子の足元にクラリゼッタさんの魔力の点があります! な、何で⁉」


「……ホントだね! 小さい魔力だから気付かなかった! どういう事なのー? 教えてルルさん!」


「恐らく隷属(れいぞく)の足輪ってところかしら。主人としてクラリゼッタさんの魔力が登録されているのね」


「あっ! リサさんとブロアさんが着けられていた首輪みたいな物ですか⁉」


 そういえばルルさんは首輪を速攻解析してコッソリ亜空間にしまってたな。


「そう、あれの足輪よ。クラリゼッタさん……自分が来られないからあの子を買ったのね。使用人じゃすぐに顔が割れるけれど、奴隷なら人を介して必要最低限しか関わらなくて済む割には拘束力が強いもの。

 アレン君のためにそこまでするなんて……奴隷代も合わせたらクラリゼッタさんが一番お金を使ったわね……」


 ひぇ……! やっぱりカリンさんより強かった! だからタワーはカリンさんの前にしたの……?

 魔王様はクラリゼッタさんだって分かってたからVIPに入れたのかな? ……そう思うとちょっとニクイ演出だ。

 そしてクラリゼッタさんの頭脳戦とはみゅエルさんのずのうせんの格の違いを見せつけられた。


「今日の場を支配していたのはキキカリン・ブヒエル戦争なんかじゃねぇ。カリンとクラリゼッタだ」


 魔王様には全てが見えていたんだ……。


「やっぱりアレンくんと不倫ゼッタさんはガチ恋だね!」


「ふ、不倫ゼッタさん……。不倫なんていいのかなぁ?」


「ぶはは! 女子は恋バナ好きだな! アレンはナイトだぞ? ちゃんとマメに営業かけてたんだろ。俺が前に研修で『切れた客でもいつか戻って来るから諦めるな』って言ったのを覚えてたんじゃねぇか?

 そしてクラリゼッタはサカリゼッタじゃなくてただプライドの高い貴族だっただけみたいだな。『看板の顔に泥を塗ることは()()()()』……流石は元王族ってとこか」


 な、なんだ……良かった。


「えー! ガチ恋に賭けてたのに! 私はまだ[ドキッ☆ 障害で燃える恋の魔法大作戦!]を諦めないよ⁉」


「うふふ……私も諦めないでおこうかしら?」


 ルルさんが参加すると成功率が上がりそうだからやめてっ⁉




 あ、気付いたらもうキキマカリンさんしか残っていない。そろそろ閉店準備だ。

 アルディナさん……枝付きキウイを手に持って帰ったのかな……まぁいいや。


「うるるろろるるるるろるろぉぉぉおおおおおおおおお!!!!! チクショー! また二つ名もらえなかったぁあああーーー!!!!!」


 トイレからヴァンさんの叫びが聞こえてくるのにはもう慣れた。

 休憩卓……意味無かったね。でもコールのマイクを頑張ってたのにはプロ根性を感じる。


 コーディさんが書き終わった売上表を見てみると、ルフランさん753万8千、アレンさん603万9千、ミアさん562万4千、ネフィスさん530万、セシルさん334万3千、ヴァンさん258万9千だった。

 ヴァンさんのちんちん魔法使い授賞式は見送りに……おめでとう。

 そしてアレンさん……6位から2位へ……。看板のメンツは守られた、クラリゼッタさんのプライドで……。


「ナンバーは各自確認な! もう今日はだいぶ遅くなったからミーティング無しで解散! 明後日のダンスの練習時間をミーティングにするぞー!」


 魔王様の取り計らいで解散となった。確かに今日の営業は大分長引いた……疲れたよぅ!


「あっ! ネフィスとセシルは二つ名楽しみにしとけよ!」


 2人がズンッ……っと肩を落とした。私も気が重い……。




「カリン~起きろ~!」


 ルフランさんがソファで寝てしまったカリンさんを揺すってる。キキマリンさんとネフィスさんアッシュさんもどうしようかと相談している。


「あれ? ルフラン、カリンちゃん潰れちゃったの?」


 アレンさんがルフランさん達に話しかけた。アレンさんは亜空間魔法を使えるからピンピンしてる。


「おう、どうすっかな~送ってくか」


「これだけ頑張ったんだから今日くらいルフランの部屋に泊めてあげたら?」


「……おい」


 アレンさん余計な事を!


「……りゅふりゃんのへや……おとまりしゅる……」


 あああ! カリンさんが「お泊り」に反応しちゃったよぅ! 寝ながらはみゅってる……。


「カリンちゃんも1回うちに来れば本当にルフランが僕の家に住んでるって信じてくれるでしょ?」


 ん? ルフランさんはアレンさんのおうちに住んでるの?


「はぁ……」


 ルフランさんがため息をついた。


「ルフランがカリンちゃんに襲われたら僕が守ってあげるよ!」


「うっせぇ! ……もうそれでいいや。キキちゃんとマリンちゃんはまたな!」


 ルフランさんは諦めてアレンさんとカリンさんを連れて行くみたいだ。

 ……カリンさん、泥酔しててもルフランさんに襲い掛かりそうだな。でもアレンさんが上手くやってくれるんだろう。私はしーらないっと!


「うんっ! カリンちゃんをよろしくね!」


「……ふふ」


 キキマリンさんはネフィスさんとアッシュさんの腕にまとわりついている。……この2人も絶対この後お泊りだ! カリンさんがいないからウキウキしてるっ!


 もうっ! 私には刺激が強すぎるよぉ!

 私、明日のお休みだけは何もかも忘れて一日中寝るんだっ!




 そして私は忘れていた。メイリアさんの忠告を。




第四章~完~




最初に出てきた強敵が味方になってピンチを救ってくれた時のワクワク感は異常!


アレンとクラリゼッタの真実は皆様のご希望通りで想像してください(∩´ω`∩)

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