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ラウンツ無双、相手は死ぬ

「ちょっとあのモフモフ、ラヴィを何匹か捕まえて飼おう。 ルル、捕獲用の魔道具ってある?」


 ラヴィか。 耳が長くて、鼻をひくひくさせてる姿が可愛い魔物だ。 歯に麻痺毒を持ってるけど。


「あるけど……魔王様とニーナちゃんの空間魔法で捕まえる方が早いわよ?」


 そういえばなんで魔王様はラヴィに逃げられたんだろう?


「それじゃラヴィが怖がるだろ、罠にかかった所を助けてやって(なつ)かせるんだ」


「なんか最近そういう自作自演が多い気がするんですけど……」


「心外だぞニーナ! 演出と言え演出と」


「はぁ……」


「……じゃあ私が罠を設置してくるわね」


「ルルよろしく! メイリアあのさ、なんかこうドラゴン! って感じのボトルを作ってくれよ。

 中には錬成で使ってるアルコールでも入れといてくれ。 めちゃくちゃ強い酒なら何でもいい、あと滋養強壮の薬なんかも混ぜるといいな」


「……まかせて……」


 ひぇ! そんなの飲めるの⁉


「魔王様っ! 今日から冒険者が来るかも知れないわぁ! お店の中に隠れているかしら?」


「ん? 冒険者来るのか? なら今日は1日、店の奥で様子を観ようか」


「昨日オルガ軍が多分来るだろうって言ってましたよ。 俺達は11階層以降の地図を作ってきますね」


「おう、よろしく! あ、赤字になるから今日からボス部屋は高級ポーションだけでいいぞ」


「はい」


「魔王様がいらっしゃるなら店番は僕とメイリアさんで十分ですね、皆さん行ってらっしゃい」


 私がメイリアさんから宝箱に仕込む小さい金塊や宝石、ポーションを受け取って、ラウンツさん、お兄ちゃん、アーニャとダンジョンに行くことになった。




「6階層まで走るわよっ!」


 えっ! ま、待ってぇ!


「ハァ……ハァ……ラウンツさん! キラービーとか麻痺が危ないですよ⁉」


「当たらなければどうということも無いわぁ!」


 ひぃぃぃいいいいいいい‼


「ハァッ……ハァッ……」


 一気に6階層まで来たから横っ腹が痛いよぅ……。 ここからは宝箱に仕込み……じゃなくて演出をしながら行く。


「よし! 次はキングバジリスクねっ! 殴れば死ぬ! 行くわよっ!」


 待ってぇぇぇえええ‼


「うぉおおおおおお‼」


「ゴァッ‼」


 ぁぁあああああ‼ 今回はラウンツさんの大剣で一撃だったよ‼ 大剣を鈍器として使ってるぅ!


「ふぅ、キングバジリスク復活してたわねぇ」


「そんなにちょくちょく宝箱の補充に来れないぞ?」


「次からルルさんに来てもらって、宝箱の中に宝を転送する魔術式を描いてもらおうよ!」


「アーニャそれいいかも、転移陣ならルルさん得意だもんね。 とりあえず今は高級ポーションを入れとくよ」




 11階層からは沼地だった。 マッドフロッグやマッドウルフ、マッドタイガーと、毒を持つ魔物のオンパレードだ。


「ニーナちゃん地図をよろしくっ! 行くわよ! うぉぉおおおおお!」


 ラウンツさんが大きなマッドタイガーを一撃で倒していき、お兄ちゃんの剣とアーニャのクロウでマッドウルフがバッタバッタ倒されていく……。


 私がもたもたと魔法を唱えようとする前に倒されてしまう……。

 仕方ないのでメイリアさんが好きそうなマッドフロッグ、つまり毒カエルを氷魔法で氷漬けにして亜空間にしまったり、地図を書きながら宝箱に演出をして先へ進んだ。


「よし! 次は20階層のボスねっ! たぶん殴れば死ぬ! 行くわよっ!」


 さっきも同じような事聞いたよぉぉおおおおお‼


「うぉおおおおおお‼」


「グァッ⁉」


 さっきと同じだよぉぉおおおおお‼


「ラウンツさんスゲェな……」


「……ボ、ボスは何だったの?」


「キマイラだな。 マッドタイガーとマッドウルフとマッドスネークのキメラかな?」


「ラウンツさんズルい! 私も戦いたかったよ!」


「アッ! ごめんなさい! また来る時には復活してるだろうから今度は譲るわぁ」


「お願いね! ……宝箱はやっぱり空だよ!」


「どどど、どうしよう?」


「うーん……とりあえず、俺達が宝を回収したからしばらく宝は復活しないって事にしとけば?」


「そうしましょっ! 今日はこれくらいで帰りましょうか、お腹が空いたわぁ」


 やっと帰れる……。


「じゃあ地上まで走るわよっ!」


 あっ! そうなるよね⁉




「ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ……もうだめぇ……ぐふっ」


 地上に出たら地面にへたりこんだ。 おやすみなさい永遠に。


「ニーナ死ぬなー」


「死んだら闇に()まれちゃうよ!」


「……ニーナ……はい……」


 駆け寄ってきてくれたメイリアさんに仰向けにされ、変な臭いのポーションを飲まされる。


「……‼ ぎゃぴぃぃいいいいい‼ 苦い‼ 臭い‼」


「メイリアちゃん何飲ませたの?」


 ラヴィを抱いたルルさんが来てくれた!


「……新しいポーション……このダンジョンの薬草で作った……」


 また人体実験に使われた……!


「メイリアちゃん、ニーナちゃんで遊んじゃダメでしょ?」


「……つい……」


 ついって何⁉


「広場に冒険者達が来てるな」


「帰ってくる時に5階層あたりからも見かけたよね!」


「そうねっ! お店の方は売れたのかしらぁ?」


「魔王様の戦略で売れ出したわ」


 魔王様の戦略?




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