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2回目の決戦日 前半戦!

 5週目3日、ついに今日は決戦日だ。 メイリアさんも出勤するらしい。

 ……うぅ……キキカリンさんとはみゅエルさんがバッティングしちゃうよぅ! やだよぅっ!


 とりあえず開店準備のためメイリアさんと1階へ降りると、またお兄ちゃんがシャンパンタワーグラスに洗浄魔法をかけていた。


「お兄ちゃん、今月はタワーの予約入ったの?」


「いや入ってない。 みんななんだかんだ席に置いておける飾りを選ぶからな。 そういう意味ではクラリゼッタは(イキ)な客だったよな」


「そっか」


 クラリゼッタさん……嵐のような人だったな。 クラリゼッタさんのいないディメンションはどこか寂しい。 こんな風に思う日が来るなんて。




 そして私はいつも通りバックヤードに待機した。 決戦日なのでルルさんもここで待機だ。


「あ! メイリアさん、アーニャとお兄ちゃんが治癒魔法の練習をするらしいですよ」


「メイリアちゃん任せて! もうカッコイイ詠唱は考えてあるからあとは魔術式の勉強だけだよ!」


「……………………ありがと……」


 メイリアさん、アーニャの厨二詠唱魔法を何度もかけられるのを想像したな……。


 さて今の順位は……昨日のラストでひっくり返ったから、セシルさん、ヴァンさん、ミアさん、ルフランさん、ネフィスさん、アレンさん。


 そうしている間に営業が始まった。

 ……というか、コーディさんが入り口前のディメンション文字のライティングを点ける前から、店前にキキマカリンさんとアルディナさんの魔力を感じる。 き、気合いが入ってるな……。


 ピポン! ピポン! ピポン!


 はいはいはい! 待ちきれないんだね! 今コーディさんが開けます!


「「「おかえりなさいませプリンセス‼」」」


「今日もオーラスだからよろしくねラウンツさん!」


「カリンちゃん達の席は準備万端よっ☆」


 カリンさんとラウンツさんがどんどん仲良しになっている……。 おネエ封印解けてるし。


「ミアくんっ! 私達もオーラスだよ!」


「嬉しいニャ! 今日は3人にプレゼントがあるニャ!」


「待って⁉ またプレゼント⁉」


「くっ……! やっぱり無理してでももっと持ってくるべきだった……っ!」


 ミアさんが入口から席へとアルディナさんをエスコートしながらそんな話をしていた。 プレゼントって何だろ?


 そして続々とお客様が来店。 あ、軍のベルラさんも来た。 やっぱりアレンさんとルフランさんのお客様が多いな。

 アレンさん……はみゅエルさんと他のお客様でナンバー入れるかな? 看板ナイトとしてコッソリ応援してます!




 お店は満卓(まんたく)になったけれど、ちょこちょこシンデレラやシャンパンが入るくらいで先月ほどの盛り上がりは無い。


「ねぇアーニャ、今日のカリンさんはしょっぱなのシャンパン入れないね。 先月みたいにお客様を(あお)らないのかな?」


「カリンちゃんはブヒエルちゃんが来るまで温存してるんだね!」


「ぎゃぴっ! やめてよぉ! そしてお兄ちゃんとラウンツさんがイキイキする姿が目に浮かぶよぉ!」


「ははは! キキカリン・ブヒエル戦争楽しみだな!」


「うふふ、女の戦いね」


 ルルさんまで……。 魔王様を筆頭にみんなが楽しみにしているから第二次ディメンション戦争は止められそうにない。 ここはナイトさんの戦場であり、お客様同士の戦場でもあるのだ。


「うおーーー! 片っ端から念話してるのにやっぱり誰も来てくれねぇ! せめて休憩卓が欲しい!」


 毎度毎度ヴァンさんは決戦日にお茶というオチをつけてるのがすごい。 ヴァンさんのお客様の間で「決戦日のヴァンをお茶にする作戦」でも決行されてるのかな⁉


「そうニャ、3人にプレゼントを渡すニャ」


 あ、何だろ? アーニャとフロアを(のぞ)いた。

 ……ミアさん、亜空間から枝に付いたままのキウイを取り出して渡してる……女の子へのプレゼントとしてどうなのっ⁉


「僕はこのキウイの葉っぱの匂いが大好きニャ! お酒より酔っぱらっちゃうニャ~」


 あああっ! ミアさん、自分が好きなものは人にも喜んでもらえると思っちゃってるタイプだ! それは迷惑になる事ががが!


「……ミアくんっ! これ何⁉ 見た事ない! この匂いは……果物?」


「待って⁉ オルガにない果物だよ⁉ ミアくんどこで手に入れたの⁉」


 あ、あれ? 思いのほか好評なんだけど……。 あ、そっか、アンナさんの商会は食料品を取り扱っているから興味があるんだ。 ミアさん……天然で当たりを引くなんてさすがです。


「ニャ? エルドラドのコナーがくれたニャ。 不思議といつの間にか実がなってたニャ。 僕たち猫族はキウイが大好きニャ!」


 メイリアさんが成長させたやつぅ!


「くっ……もしかしたらこれはすごい高級品になるかも……っ!」


 アルディナさんはキウイを市場に流通させようとお仕事のお話をし始めた。 ルナさんディアナさんも食料品を扱っている商会のお嬢さんなのかな? アンナさんと仲良しだからその可能性は高い。

 というか、猫族はキウイが好きなの? 何でだろ……フルーツで酔っぱらうってどういう事?


 試食したいというアルディナさんの要望により、ジルさんがキウイを飾り切りしてレオさんが運んで行った。


「……酸っぱいけど甘い。 ミアくんっ! うちの商会が仕入れるから農家の人とお話したい!」


「アンナが買ってくれるニャ? コナーが喜ぶニャ! ハイド様、あ、代表に聞いておくニャ」


 アルディナさんの3商会とも仕入れたいとの事で一旦お話は終わった。




 時間が経つにつれ、段々お客様が入れ替わってきた。


 ベルラさんは今日もシャンパンを入れ、ビンダ指名でアレンさんに「突撃ー!」と言って帰った。

 多分ルフランさんは、はみゅエルさんと戦うカリンさんを抑えるために単価が低めのお客様は早めに帰したんだ……。

 後半戦には太めのお客様を呼んだようだ。 そしてそれはアレンさんも同じ……。


 店内が飾りボトルを並べているお客様ばかりになってきたところで、ついに戦争開始のクラリオンが奏でられた。


 ピポン!


「こんばんゎなのだっ☆」


「決戦日楽しみにして来たにょ~♡」


 ひぇ! 来たっ! 恐る恐る入口を(のぞ)く……。


「おかえりなさいませ! お席へご案内します!」


 お兄ちゃんがキラッキラ☆笑顔ではみゅエルさんをカリンさん達と離れた席へ案内した。 絶対楽しんでる!

 被りの席同士はなるべく離すようにするのが内勤のお仕事だけど、不自然にカリンさん達の真向かいの席が空いてたもんっ!


 ダンスホールを挟んでいるから距離的には離れてるけど、まさに左右で「キキマカリン陣地」と「はみゅエル陣地」に分かれているような錯覚に(おちい)る。

 お店の入口から見て、一般席左側の真ん中の席がはみゅエルさん、左奥がルフランさん指名のセリーヌさん、右奥が観戦者のアルディナさん、右側の真ん中の席がキキマカリンさん。 ……くっ! 完璧な配置っ!


 そしてついにカリンさんが動いたっ!




キウイの枝葉はマタタビに似ているらしいです。


挿絵付き小説サイト「たいあっぷ」の投票締め切り7/31なのでぜひよろしくお願いします(∩´∀`)∩

電子書籍化したら2巻が出る?みたいな。お気に入りのあの人の挿絵が増えるかもw

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[良い点] ラウンツさんがオネエ解禁してるw ノベプラ、ピピッとがある分読み難くて結局こっちで読んでます
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