金貨で殴る
引き続きブクマ評価感想ありがとうございます(∩´∀`)∩
「魔王様! 金貨で殴るって何ですかっ⁉」
「ははは! 金の力で客を蹴散らすって意味だ!」
「な、なるほどですね……」
本当に金貨でお客様に殴りかかるのかと思ったよぅ! 暴走化じゃなくてよかった。
「さっすがカリンちゃんだね! コールいっくよー!」
「「「いーよいしょ! 『いよいしょ!』 始まりました! 『始まりました!』 素敵な! 『素敵な!』 シャンパン! 『シャンパン!』 ぶち込んで! 『ぶち込んで!』 くれたのは! 『くれたのは!』 こちら! 『こちら!』 素敵な! 『素敵な!』 姫と! 『姫と!』 王子の! 『王子の!』 お席に! 『お席に!』 なんと! 『なんと!』 なんと! 『なんと!』 なーんと素敵な! 『なーんと素敵な!』 シャンパン一発頂ました! 『ありがとうございます!』 ディメンション全員集合! 『集合ー!』」」」
「あー! カリンありがとなー!」
ルフランさんが急いでカリンさんの席へ戻って来た。
「「「さーディメンションのナイト全員集まったところで! 『オイ!』 乾杯の! 『オイ!』 準備! 『オイ!』 できた! 『オイ!』 ところで! 『オイ!』 コールいきまっしょーい! 『オーイ!』
素敵な 『素敵な!』 思い出を! 『思い出を!』 姫様! 『姫様!』 ありがっとーーーい! 『ソレソレソレソレ!』 感謝の! 『感謝の!』 気持ちを! 『気持ちを!』 込めまして! 『イェイ!』 シャンパン! 『イェイイェイ!』 みんなで! 『みんなで!』 頂きます! 『ハイッ!』 『スリー、トゥー、ワン、GO! かんぱーーーい!』」」」
ポンッ!
「「「それでは! 『それでは!』 素敵な! 『素敵な!』 姫から! 『姫から!』 一言! 『一言!』 頂きまっしょい! 『オーイ!』」」」
「ルフランと飲むのに1000ディルしか使わないとかみんな大丈夫そ?」
ひぇえ! カリンさんめちゃくちゃ初回を煽ってるよぉ! やっぱり暴走化カリンさんだっ!
「「「アーリガッザーイ! 『アリガッザイ!』 それでは! 『それでは!』 ビンダの! 『ビンダの!』 ご指名は? 『ご指名はっ!』」」」
「アレンも高い酒しか飲まなくない? 大丈夫そ?」
ああっ! めちゃくちゃ皮肉ってる! 初回のお客様が初めて見たシャンコの衝撃とカリンさんの煽りでプルプルしてるよぉ!
「「「ご指名! 『ご指名!』 アレン! 『アレン!』 グイグイ! 『グイグイ!』 グイグイググイの! 『グイグイググイの!』 感謝の! 『感謝の!』 気持ちを! 『気持ちを!』 込めまして! 『込めまして!』 『ごっつぁんでーーーす!』」」」
「カリンちゃんありがとう、またね!」
「アレン頑張ってー」
爽やかな笑顔を残してアレンさんは初回の席へ。
「お前……痛マイクすんなよ……」
ルフランさんがため息をついた。 ルフランさん! カリンさんを鎮めて!
「ルフランとアレンのためだし! このあと他の席で私を落とせばルフラン達が営業かけやすいでしょ⁉」
「……カリン、お前計算できたんだな」
「ひどーい! あはははは!」
け、計算なの? あのプライドの高いカリンさんが自分を落としてまで?
その後、初回の席ではアレンさんとルフランさんが「僕はプリンセスと一緒ならどんなお酒でも美味しくいただけます」とか「アレは痛い客だから気にすんな! 俺はお前みたいな大人しい子がいい」とか言って見事にお客様を取り込んでいた……。 ナイトって恐ろしい!
「それにしてもカリンさん……自分でシャンパン開けてまで2人のお客さんを増やそうとするなんて献身的ですね。 アレンさんはライバルですし、ルフランさんの指名が増えたら自分の席に着いてもらえる時間が減るのに」
「確かにニーナの言う通りだが、その分カリンは外でルフランと会ってんだろ。 アレンはなんだかんだカリンに気に入られてるしな。 いやー! カリン見事に育ったな! さすが俺様!」
「カリンちゃんもお客さんの鏡になってきたね!」
「やっぱホスクラにはカリンみたいなヤツがいないとな!」
「カリンちゃんみたいなお客さんもっと欲しいね! 今度ははみゅエルちゃんイベントやろーよ魔王様!」
ぎゃぴっ! アーニャ余計な事をっ! イベントはもうやめてっ!
「いや~、あの電波は危ねぇからやめとくわ。 勝手に痛イベント起こすだろ」
「魔王様、さっきから言ってる『痛マイク』とか『痛イベント』って何ですか? よく分からないのですが……」
「あん? あー、本人はドヤ顔でやってるけどはたから見たら痛々しいって意味だ! ニーナはガキのくせに若者言葉知らないな!」
「むぅ! キャロルさん語みたいのは苦手ですぅ! 『大丈夫そ?』とかも何となく意味わかりますけどムズムズしますっ!」
「キャロルちゃんと一日話せば全部理解できるよ!」
そんな勉強はしたくない……。
「魔王様、あと『マイク』って何ですか? たまに聞きますけど」
「あ……そっかマイク無いんだった。 普通にナイトに『マイク』で通じてたから気付かなかったわ」
「メインでコールのセリフを言う人の事だよね! よくヴァンくんがやってるね!」
「アーニャの言う通りだけど、姫からの一言もそうだな」
「つまり目立ってる人が発する言葉の事ですか?」
「あー……なんつったらいいかな……知らん! そんな感じだ! ホスクラに理屈を求めるな!」
魔王様が諦めた。 ……まぁなんとなく分かった。
「じゃ、じゃあついでに『爆弾』は確か、やったらマズイ事ですよね? キキさんがアッシュさんの枕を暴露したのとか」
「あん? ああ……爆弾も無かったか。 ルルの爆発の魔道具みたいなやつだ! キキのも言われてみれば確かに爆弾発言だな。 正確には、ホストクラブで一番やっちゃいけない事、例えば人の永久指名客に手を出すとかの事だ」
「なるほど……魔王様は不思議な言葉を沢山作りますね」
「キャロルちゃんを超えてるね! さっすが魔王様!」
「俺が作った訳じゃねぇ……」
また異世界の知識かな?
ピポン!
あ、アンナさんだ。
「ミアくん! 看板出来たね!」
「カッコイイニャ……僕も載りたかったニャ……」
「ミアくん……! こうなったらうちのお店の看板にミアくんを……」
アンナさんが力技を考えてるよぅ! アンナさんの商会は食料品や魔物素材の取り扱いメインでは⁉
そして今日の営業が終わり、アレンさんルフランさんは疲れてるのかと思いきやルンルンだった。 お客様が増えそうで嬉しいらしい。
「アレンとルフランいーなー! 俺は今日初回全然ダメだったぜ!」
ヴァンさんが解毒剤片手にソファに寝っ転がりながら拗ねている。
「僕も看板に載りたかったニャー!」
「おう! それなら朗報があるからミーティングするぞー!」
魔王様のお声でミーティングが始まった。
火薬が無い世界設定、なんとか回収w
普通にニーナが「爆弾」って使ってた事に気付いて焦りました(;´Д`)
砲台は魔道具なので魔力で飛ばします。「砲」って火薬で飛ばすって意味ですが、まぁ異世界語の意味は「魔力」って事でご勘弁を。
「爆弾魔キキ」の表現を修正しました。




