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看板効果

ブクマ評価感想ありがとうございます!

とっても嬉しいです(´TωT`)

「おざまーす!」

「おはようございます……」

「ざす……」


 あ、ヴァンさんアレンさんルフランさんだ。


「看板スゲェなー! 俺も描かれたかったー!」


「くそぅ……俺は舌まで出してねぇぞ……」


 ルフランさんはリサさんアレンジによって事実をねじ曲げられたらしい。

 そういえばアレンさんも手袋はしてなかった。


「いーじゃねーか2人共カッコイイぜ⁉ 指名増えそうだな! ますます差をつけられちまうなー!」


「ありがたいけど恥ずかしいね……」


 そして次々とナイトさんが出勤して来て、みんなアレンさんとルフランさんをいじっていた。




 ダンスの練習が始まるギリギリにラウンツさんがツヤツヤした顔で帰って来た。


「みんなごめんなさいっ! ついデザインを選ぶのに夢中になっちゃってっ!」


「大丈夫よラウンツちゃん、これから始めるところよ」


 ルルさんが言った。


「間に合ってよかったわぁ!」


 ああ……仕立て屋パウリーの皆さんどうか安らかに……。 世の中には諦めなければならない事もあるのだ。




 ──────────────


 そして営業開始。


「そういえばアーニャ、ルフランさん指名で遊ぶんじゃなかったの?」


「あー、何かさ、ナイトくん達の裏側を知ってるから遊ぶ気無くなっちゃったよ。 バックヤードで普通にお話ししてるから満足しちゃった!」


「ああ……それは確かに。 今さらチヤホヤされても微妙な気分になりそうだね」


「だから私はイケメンエルフを狙うよ!」


 あ、そういえば魔王様に聞かなきゃいけない事が。


「魔王様魔王様、エルフの里って結界で見えないらしいんですけど、魔王様の魔眼なら見つけられますかね?」


「あん? エルフ? ……どーだろーなー、俺様チートだから見つけられんじゃね?」


「えっ⁉ 魔王様ホント⁉ イケメンエルフが私を待ってるから見つけて!」


 アーニャが食い付いた。 別にアーニャを待ってはいないよ……。


「あーあのなー、仮にエルフが結界を張ってたとしたら見つけてどーすんだ? 結界壊すのか? そんなのいきなり他人(ひと)ん家の鍵壊すようなもんだぞ?」


 確かに……私だっていきなり結界を壊されたらかなり警戒する。


「あー……魔王様の言う通りだね。 じゃあ私はイケメンエルフに会えないのっ⁉」


「知らん!」


「えー! ニーナ! 魔力感知で見つけてよ!」


「だから見つけてもその後どうするのって話でしょアーニャ」


「のぉおおお! イケメンエルフに会うまでは死ねないよー!」


 もうアーニャは放っておこう。 私には重大なミッションが!


「ところで魔王様、虫害を起こしてる虫って何なんですか?」


 我ながら自然に聞けた! 雑談を挟んでからの本命投下! フッフッフ。


「…………」


 魔王様に真顔でジッと見られた。 ……えっ⁉ や、やっぱり聞いちゃマズかったのかな⁉ ひぇ!


「……バッタだとよ」


 と思ったら意外とアッサリ教えてくれた。


「バ、飛蝗(バッタ)ですか?」


「おう」


「ぎゃあ! 飛蝗(バッタ)の大群……気持ち悪うっ!」


 アーニャが腕をさすっている。


「そうなんですね……」


 チラリとメイリアさんを見ると目が合った。 メイリアさんにちゃんと聞こえてたみたいだ。 ミッションコンプリート!

 というか魔王様……前のお話合いの後にわざわざお姫様に聞いたのかな? 魔王様も調べてるのかな?




 ピポン!


「あ! お客さんだね! (つど)え、鎮魂歌(レクイエム)────」


 コーディさんが扉を開けたら何だか今日は騒がしい。


「「「おかえりなさいませプリンセス‼」」」


「「「キャー!」」」

「イケメンがいっぱい!」

「アレン様とルフラン様はどこっ⁉」


 わぁ! お客様の声がいっぱい聞こえてくる! 看板効果すごい!


「お客様は何名様でいらっしゃいますか?」


「2人です……!」

「3人……です」


 ラウンツさん達が続々と初回のお客様を入店させた。


「ちょっとー! ルフラーン!」


 あ、カリンさんだ! チラリと(のぞ)くと、キラキラカリンさんが入口の人混みからピョンピョン跳ねている。


「おー! カリン待ってたぜー」


 ルフランさんがカリンさんの肩を抱いて席へ案内するのを初回のお客様達は(うらや)ましそうに見ていた。


 もうすでに一般席は満卓(まんたく)だ! まだ入口にいるお客様には、お兄ちゃんが満卓だから待てるかと聞いていた。


「ルフラン、今日なんか混んでない? あ! 看板見たよーすごかった! 看板のせいかな?」


「おー……見たのか」


「超目立ってたよ! 私にもあのポーズして!」


「はぁ⁉ やだよ! あれは無理矢理やらされたポーズだっ!」


「えー!」


 その後もルフランさんはキラキラカリンさん達に看板のポーズをいじられていた。


「ルフラン」


 あ、レオさんが抜きに来た。


「お、行って来る。 すぐ戻るな?」


「初回だね、行ってきな!」


 カリンさん相変わらず頼もしい……。 ルフランさんはカリンさんの頭をポンポンして初回の席へ向かった。




 あれ、アレンさんが急いでバックヤードへ来た。 何だろ? アーニャが声をかけた。


「アレンくんどうしたのー?」


「手袋!」


 更衣室へ入って一瞬で出てきたアレンさんは急いで席へ戻って行った……。 手袋……もしかして。




「失礼します、『通行人のハートにすら火を点けてしまう俺は愛の放火魔』ルフランです!」


「きゃあ! ルフランくん……あ、 あのっ! 看板と同じポースしてくださいっ!」

「見た~い!」


「……え?」


 ルフランさんが笑顔のまま固まってる気がするっ!


 そしてアレンさんの席を見ると案の定、手袋をはめて看板のポーズをしたアレンさんに悲鳴を上げている女性が。 アレンさんはもうネタとして笑いながらやっている。


「アレンくんは吹っ切れてるね! でもルフランくんは恥ずかしいみたいだね!」


「そうだねアーニャ。 流石にルフランさんのポーズは恥ずかしすぎる……」




 その後も初回の席ではアレンさんルフランさんが呼ばれまくり、2人は目まぐるしく初回回りをしていた。


 席に着くたびに「恋の螺旋(らせん)階段!」とか「愛の放火魔来た!」とか「看板のポーズしてください!」と言われている。

 「ずっと街で気になってました! ここで働いてるってわかって勇気を出して来ました!」なんていう元々2人のファンの子も来ていた……。 さすがイケメン、歩いているだけで目立つんだな。


「ルフラン全然戻らないね、カリンちゃん大丈夫?」


 出来る子ララさんがカリンさんを気にしてる……。


「あー、今日は看板のせいでしょうがないね……金貨で殴ろ! ネフィス、モエリ白入れて!」


「おー! さすがカリンちゃんだな! オナッッシャース! モエリ白頂きましたァ!」


「「「アッザース!」」」


 ぎゃぴっ! 金貨で殴るって何⁉




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[良い点] 金貨で殴る!! 正しい戦い方!!さすがカリンさん!
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