6 反対の方向へ
直樹は再び浜辺で目を覚ました。
「反則だろあんな化物……俺のステータスがおかしくなくても勝てねえよあんなの」
直樹は顎に手を当てて考える。
(街が近いからあっちに行ってたが……こっちにも一応道はあるよな)
直樹は先程までと反対の方向を見る。曲がった山道があり、その奥に家が集まっているような場所が見える。距離にして1.5kmといったところだ。
「あれは街、というか村っぽいが、あそこでも情報収集は可能だろう。行くか」
直樹は立ち上がって、先程までとは逆の方向に歩き始めた。
「こっちの道は峠って感じだな」
浜辺を抜け、少し歩いた辺りで地面の質感が変わり、砂利と土が混ざったような踏み心地となる。
「少し距離はあるが、モンスターもいないし、向こうまで辿り着けそうだ」
直樹が言葉を言い終わった瞬間、直樹は足を滑らせた。
「うおっ!?」
直樹は尻餅をついた。
「ってて……あ」
〈damage 1〉
「し、しまったあああぁぁ!!」
直樹の視界は暗転し、人間が最も不快に感じるであろう感覚を味わった。
直樹は浜辺で復活した。
「クッソ、転けても死ぬってさっき学習したばっかじゃねえか! 気が緩み過ぎた……」
直樹は不機嫌な顔をして、再び峠道に向かって歩き始めた。
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