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51 懺悔の時間

「お、お前っ……」


 教会に入ってきたのはヴィールだった。


「すまねぇっ! オラは取り返しの付かねぇ事をっ……!」


 ヴィールは直樹の側までやってくると、土下座した。


「な、なんだよ急に」


「今のおめぇにはオラの言葉が届かねぇかも知れねえが、聞いてくれっ!」


「はぁ?」


「オラはおめぇが一撃で死んじまう程弱いなんて思って無くてよぉっ……! ちょっとだけ痛めつけてやろうと思っただけなんだ! 本当にすまねぇ! すまねぇっ……!」


「いや、何もそこまで……」


「謝って許してもらえるとは到底思ってねぇ! だが謝らせてくれぇ! 本当にすまえねぇ! すまねえええぇ!!」


(耳がっ……! そしてなんか(クセ)ぇ!)


「あああっ!! もう(うるせ)ええぇ!!!」

 直樹はヴィールの耳元で叫んだ。


「うぁっ!?」


 ヴィールは一瞬怯み、ゆっくりと顔を上げる。


「あ……え……?」


「人を勝手に殺すな。いや、実際死んだけどな……俺が二度とこの世界に戻ってこられなくなったわけじゃねえよ。何を勘違いしてるんだ?」


「だ、だって、死んだら……」


「お前の中の常識に俺は当てはまらないって事だ。俺のHPの最大値は1。どんな攻撃でも当たれば間違いなく死ぬんだよ。そんな人間が『さっき初めて殺された』なんてのはあり得ねえだろ。つまり慣れてんだよ。壊れたりしねえ。安心しろ」


「そう、なのかぁ……?」


「だが……もし人を本当に殺してしまった場合は今回以上に罪の意識を感じ、それを一生涯(いっしょうがい)背負う事になる。忘れんじゃねえぞ」


(慣れてるとはいえ死ぬのは最悪の気分だからな……)


 直樹は教会の椅子に腰掛け、小さなため息を吐いた。

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