29 休息
教会で蘇った直樹はため息を吐き、教会を出た。
「街中で死ぬとは思わなかった……」
「はぁ、はぁ……だ、大丈夫ですかあっ!?」
神父が走って直樹の元へやってきた。
「街の中でもダメージ判定はあるんですね。油断してました」
「普通はあり得ないのですが……」
「本来も計測はされていて、俺の場合はステータスが低すぎるから1発アウトってことですね、わかりますわかります」
直樹は死んだ事によって少しヤケになっていた。
「もう少し明るくなるまで教会でゆっくりしていってください!」
「ありがとうございます。そうさせてもらいますね」
直樹と神父は教会に入った。
「すみません、トイレ借りていいですか?」
「ええ、ご自由に」
直樹は洋式の便器に腰掛け、ため息を吐く。
「何で俺のステータスはこんなに低いんだ……? 何かの手違いがあったのか? 手違いだとしたら神とやらをぶっ殺してやりたい」
直樹がトイレから出ると神父はマグカップを差し出す。そのマグカップには淡い青色の液体が入っていた。
「どうぞ、シアンハーブティーです。精神異常に効果があります」
「精神異常?」
「勘違いはなららぬようにお願いします。貴方の頭がおかしいというわけではなく、そういう状態異常の一種がこの世界には存在します。貴方はその症状が出ていると見受けられたので」
「はあ、いただきます」
直樹がシアンハーブティーを飲むと、直樹の目から涙が流れた。
「あれ……?」