1 第二の人生
「どこだここ……? まさか、死後の世界ってやつか? ……ん?」
直樹は自分の右手に、巻物のように丸められた紙が握られていることに気付いた。
「なんだこれ……」
直樹はあぐらをかき、紙を広げる。
『貴方は死にました。あまりにも不幸な死を迎えたので、転生対象者となりました。よって、貴方をこちらの世界に転生させました。
世界観は中世ヨーロッパといったところです。
この世界はゲームと同じ法則で成立している世界です。この世界で死んだ場合、今貴方がいる浜辺で蘇生します。念じるとステータスを確認出来ます。
貴方には魔王を倒す、世界を救うなどの目的は一切ございません。どうぞ楽しんでください!』
「異世界転生? どこの冗談……って訳でもないのか? 首の痛みが無い。本当に生きてるなら病院にいるはずだしな……」
直樹は手紙に書いてあった一文を思い出す。
「念じるとステータスが確認出来る、ねえ……」
直樹が念じると、ステータスウィンドウがホログラムのように浮かび上がった。
「おお、本当にゲームみたいだな」
〈Name:Naoki Yamada〉
「はぁ? 英語表記かよ……まずはレベルだよな。レベルは────は?」
〈LEVEL -100〉
「いや、レベルなんて関係ないよな……こういう場合特定のステータスが強かったり……」
〈HP 1〉
「………………はああああぁっ!?」