猫かぶりメガネの最悪パーティ
「ふんっふふーん!」
「ご機嫌だね、菫。」
「当然でしょ!……当然よ。わたくしの友人の誕生日パーティに招待されたのだから。…何?」
おい、なんで今ため息をついたんだ、コラ。
「あぁ、猫ね。まったく、別人かと思うわよ。」
えぇ?何?私は普通よ?おほほほ!
「でもひとつ言っておくけど、今回のパーティ、かなり大物が来るみたい。」
「あら、そうなの?でもまぁ、わたくしには関係のない事よ。」
「貴方の親の苦労が心配。」
「おい、なんだ…何よ。文句でもありますの?」
「その口調といい仕草といい猫といい…心当たりがなかったら驚くわ。」
グサグサと私の心に刺さった。
「だってぇ〜!」
「理由がしょーもないのよ!何よ、あ「あ、着いたよ。」今ぁ!?」
「ほら未来、行くよ。」
「ああ頭痛が…」
「頭痛薬飲む?」
「だ、れ、の、せ、い、だ、と?」
それよりなんで持っているの!?って言われても…私はストレスが溜まるから、常備するようしているんだよ。最近特に。
あぁ、誰のせいって?それは…
「うーん…花粉のせい?」
「今の時期飛んでないわぁ!」
うわぁ…未来、疲れてるなぁ…誰のせいかな?(すっとぼけ)
「いや、菫を相手にまともに話そうとした私がバカだったわ。」
「ええ、未来はバカね。」
「菫より劣っている自分の頭が恨めしぃ!!」
おおう、今日はいつもより突っ込みがキレッキレッすね。
「なんで!?菫は勉強しているの!?」
「まぁ、学校で。」
「家庭学習は!?」
「やってる時間があったらイベント。」
「ムキーー!!」
現実でムキーっていう人初めて見たわ。すごーい。
「まあまあ。未来、落ち着きなさい。これからパーティですのよ?」
「そうだね!私のせいだ!」
珍しくテンション爆上がりの未来を横目で見つつ、私は完璧に被る。誰にも看破されたことのない猫を。
***
そう気合いを入れた時もありました。
今は外に出てガンを飛ばしています。……何で!?
「アンタがいるって聞いてないんですけど!?」
「俺は加藤に誘われたんだよ!メガネがいるって聞いても加藤のパーティなら行くだろ!?」
「そりゃあね!?」
何でコイツがいるの!?
私はコイツを誘うって沙耶の口から聞いたさ!
だけど私が来ると知っていたら来ないと思うじゃん!知らない人のパーティなんてその程度でしょ!?
まさか沙耶の友人って誰が思うかぁ!
「お前今すぐ帰れ!」
「その口調どっちが俺からワカンねぇだろ!…俺は誰にいっているんだぁ!?」
頭を抱えやがった。私の勝ちだな!
「はっ!私の勝利!今直ぐ帰れぇ!」
「それは加藤に言うんだな!」
「お前のことは腹が痛くなったから帰ったって言っておくさ!」
「言い訳が最低すぎないか!?」
「とっとと帰れ!」
「帰んねぇよ!……このパーティの間は絶対関わんなよ!」
「言われるまでもないね。……さっさと消えろ!」
「お前がな!」
こ、い、つぅ〜!
青筋が浮かんできているのが自分でもわかった。
いや、待て待て。ここは沙耶のパーティ。そう誕生日よ。とてもめでたい日。そんな日に私が苛立っていたら楽しくないわね。そうよ。
OK。
「ふふ、それじゃあ。」
見たか、魔王!私の勝利だ!
「……なんでいきなり冷静になったんだ…?」
……大人だから!