猫かぶりメガネの昼休み
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「うがぁあ!」
先程の会話を思い出し、私は頭を掻きむしった。
向かいに座っている未来がジト目(通常)で見てくるが慣れたもの(これが通常。大事な事なので二回言います)。
「菫さっきからそんな声しか出てないよ。ほら、猫を忘れないの。」
「はっ。がぁ…ゴホン。」
咳払いをした私を未来が呆れた目で見てくる。
なんだよ。文句あんのか、こんにゃろー!
「私はあんたが心配だよ。」
「私は悪くない。悪いのはあいつだ。」
「いや、悪い人なんていないでしょ。」
さらっといいことを言う未来を睨む。
理屈じゃないんだよ!こう、なんていうか…精神的なものでね!?
「だって、何も知らなかったら体育委員なんてしなかったのに〜〜!」
私は先程委員会の仕事で、委員長であるアイツに書類をおしつ…ゲフン。渡してきた。
嫌い。顔を見るだけで吐き気がする。
何故神は私とアイツを会わせたのか。呪いたい。
そんなことを考えていたからか。バチが当たったみたいだ。
「体育委員はいるか?」
そ、の、こ、え、は!?
ガバッと振り向くと案の定アイツがいた。
「なんでくんの!!あれか、私達の分返しに来たの!?」
「いや、それはあんたが悪いでしょ。」
「いや、そうなんだけどぉ!」
撃退してやる!と息を巻いて向かう。委員は各クラス一人なのだ。
「何でしょう?」
「おいメガネ。お前自分のクラスの分を渡しただろう!?」
ちっ。やっぱりその件についてか。だが私は考えている!見てるがいい!(見てる。相手御本人。)
私の計画を!
「何のことでしょう?」
すっとぼけって大事ですよね。
青筋を浮かべた魔王が…キザ野郎が書類を突き出してくる。
「これ。」
ふははは!私がその程度で怯むとでも?
決定的なことを言われるより先に言う!
「あら?貴方様が関・わ・る・な・と仰ったのでしょう?」
うふふと弱いところをつく。これ、実は仕事もできないのか、と問い詰めたら返せるんだけど。そこまで頭回らなそう。
ほーら、何も言えていない。私の勝利!
「という事でさようなら。」
「あっ、こら!」
誰が振り返るものか!
ドアを閉め、机に向かう。
「……ねぇこれ西条様が可哀想じゃ…」
「アイツにこんぐらいしてもバチは当たらない。」
「いや当たるから。思考回路どうなってんの。あれ菫が悪いよね。」
「………。」
ツーンと明後日を向く。
「今からでも謝って「それはない。」
真顔になってしまう。
間違ってもアイツには謝らない。
譲らない私を見た未来が溜息をついた。
「未来、貴方も経験したら分かるよ。」
「そうかなぁ…。」
「ま、私は何処かの子息を捕まえるのを頑張ろう!」
「あんたの本性知ったら逃げられそう。」
「……頑張ろう!」
「おーい。」
聞こえませーん!
「よし!私は次の体育祭の時に彼氏を作る!えいえいおー!」
「……おー!」
かなり間があったが未来も協力してくれるみたいだ。
よし!未来がいるなら私は誰か落とすぞー!