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第5話 ダンジョン!!

ブクマ等をしてくださりとても嬉しいです!!

「しかし2年の間にかなり強くなったなライトの坊主」

「まだまだベイトさんには敵わない。·····ていうかそろそろその呼び方何とかならないのか?」

「ライトの坊主はライトの坊主だろ? 違うか?」


 ベイトさんはいつも俺を茶化す。俺はもう20歳だぞ。だがそれも今日で終わりか·····。20と言っても俺の外見は2年前とほとんど変わってない。特別ごつくもなっていないしな。



 俺とベイトさんは今、ある洞窟の前来ていた。そこは暗く、奥は闇が続いている、そんなような場所だ。そこはダンジョンと呼ばれる場所だ。ダンジョンとは魔物の巣窟と呼ばれる場所で、基本的に冒険者が素材目的や修行目的に訪れる。


「じゃ、ここでお別れだな」

「はい。今までありがとうございました」



 ベイトさんから出された最終課題。それはダンジョンで過ごすという事だ。なんと無茶苦茶な、と思ったがベイトさんの話を聞くかぎり案外そうでも無いらしい。普通の冒険者がダンジョンで生活するのかは知らないが。

 ベイトさんはと言うと、もう歳で冒険者を引退するそうだ。村でのんびりスローライフをするらしい。ちょっと羨ましい。



「ま、もう俺が教えることは無いってやつだ。元気でな」

「はい。ベイトさんこそ。お身体に気をつけてください。·····全て終わったらまた会いに行きますから」

「ライトの坊主。もう聞き飽きただろうが·····」

「復讐は身を滅ぼす·····ですか。分かってますよ。でも俺はやらなきゃいけないんです。それにもう決めた事ですから」

「ああ、そうだったな。だがこれだけは忘れるな。決めるのはお前自身だ。誰でもねえお前自身だ。それだけは忘れるなよ」

「はい!」




 この言葉はベイトさんの口癖のようなものだった。何度も聞かされた、だが嫌にはならない。なれるわけが無い。だから俺は決める。いや、最初から決めていた。あいつに復讐し、この悪夢を終わらせる。



 俺はあの時の出来事をまだ忘れられない。頭の隅っこにこびりついて離れないんだ。俺はたまにあの時の夢を見ることがある。もう俺は決めたんだ。この悪夢を終わらすと·····。誰にも邪魔はさせない。


「·····母さん」




 俺はベイトさんと別れを済ましダンジョンへと入る。ダンジョンは薄暗く、手元の火を頼りにしないと歩けないほどだった。

 俺はダンジョンは初めてなので少しばかりか警戒している。ダンジョンは様々なものがある。このダンジョンは下に向かっていくダンジョンらしい。ベイトさん曰く下に行けば行くほど魔物は強く、凶暴になるらしい。修行の成果を図るためには丁度いいだろう。



 ダンジョンに入ったは言いものの雑魚しか現れない。まあまだ3階層だし当然か。ベイトさんは4階層からが本番て言ってたしな。

 そんな事を考えていると早速オークと出くわした。



「オークか。確かに強いが·····出来るなら群れできて欲しいところだな」

「ぐわ? グォォォッッ!!」


 どうやらオークは馬鹿にされた事に感づき、怒ったようだ。賢いなこいつ。



「まあ倒すけどな。『フォルテート流 修羅ノ型 裏斬り』」



 ライト素早く剣を抜き、オークに突っ込んで行ったオークは持っていた棍棒でそれを防ごうとする。だがライトは一気に距離を詰め、そのまま後ろに周りオークの首を落とす。フォルテート流は速さが命。力で勝てない相手を速さで翻弄する。逆に速さで負けたらもうそこで終わりなのだ。



「ま、こんなもんかな」



 フォルテートってのはベイトの先生にあたる人の名前だ。何でもその人は不思議な知識の持ち主らしい。この世界の常識を覆すような事をやっていて退けたとか。だがその人は秘密主義でその人の知識は公に出ることは無かったらしい。多分この技もその知識の中のひとつかもしれない。



 ライトはその後も次々と魔物を倒して行った。そしてライトは等々10階層までたどり着いた。そこは何故だか明るかった。天井がやや光を発しているからだろう。原理がまったくわからん。



「ここが例のあれか? ボスが出るって噂の」



 すると何やら上から音がする。光る石のようなものが上から落ちてきたので、俺は上に目をやる。そこには何が落ちてくる。よく見ると魔物だ。魔物が降ってきたのだ。


「ん? どゆこと?」


 その魔物はドスンッ!! と大きな音と衝撃を立てながら落ちてきた。どうやら天井が崩れて落ちてきたのだ。ボスの魔物は壁から出るって聞いていたが、まさか天井から出てくるとは驚いた。その魔物の周りには天井の破片が散らばっていた。そしてその破片を魔物が踏んでしまっている。きっと痛かっただろうに。



「ミノタウロス·····か。初めて見るな」

「ウオォォーー!!」



 ミノタウロスは牛の化物のような見た目をしており、大きな斧を片手に持っている。肌は赤く、息は荒い。ライトが観察していると、ミノタウロスはライトに気が付き突進してくる。

 突進て·····まあ牛だし当たり前か。



「『フォルテート流 修羅ノ型 流し斬り』」


 ライトはミノタウロスの突進に対し、剣をミノタウロスに当て流れるようにいなす。この技は相手の攻撃を回避するのと同時に相手に斬撃を与える技。だがミノタウロスはピンピンしている。



「こいつ硬いな。オーガとかならスッパりいってるはずなのにかすり傷程度か·····」

「ウウォォーーンッッ!!」


 ミノタウロスは攻撃をかわされたことに腹を立てている。今度は突進ではなく手に持っている大きな斧を使うようだ。ミノタウロスは大きな斧を持ち上げ、ライト目がけて振り下ろそうとしている。



「『フォルテート流 修羅ノ型 居合 羽衣斬り』」


 ライトは剣を鞘に収め、ミノタウロスの攻撃を待つ。ミノタウロスが斧を振りかざす瞬間、ライトは剣を抜き、隙だらけのミノタウロスの腹を切り裂く。ミノタウロスの腹からは血が溢れ、中の臓器が漏れ出す。ライトは自分に血がかからないように避けながらミノタウロスにトドメを指す。ライトはこれぞフォルテート流の真骨頂と言わんばかりのドヤ顔をしていた。



 ミノタウロスを倒した俺は少し休み、また魔物狩りを再開させる。ミノタウロスはデカいが食える部分がほとんど無い。2メートルもあって食べれる部位がないって·····。俺はオークを適当に仕留めてそれを今日の晩飯にする。オークは普通の豚とほとんど変わらなくとても美味なのだ。

 しっかりと火を通して塩胡椒で味付けするのが最高だ。ぎっしりと詰まった油が口の中で弾ける。まさに至福。まあ素材の味そのものなんだけどな。



 俺は魔物避けの薬を撒き、眠りにつく。ココ最近はよく眠れるようになったが、以前はほとんど眠れず不眠症が続いていた。あの悪夢のような出来事を思い出すからだ。ほんとにベイトさんの存在はとても大きかったと思う。



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― 新着の感想 ―
[一言] 物語のテンポって、ダラダラしてるとだめなんですね。 とても参考になりました。 テンポが良いストーリーだと思いました。 それに、読みやすいと思いました。 設定もわかりやすいです。
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