第37話 ガチムチゴリラ
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夜遅く、眠りの途中で目が覚めた。などということは無く、気持ちの良い朝を迎えた。
俺はすぐさま風呂にはいり、体を綺麗に洗い流す。
どうやらミオンは昨日のうちに入ったらしい。
「それにしてもあまり疲れは残ってないな」
俺は欠伸をしながら体を伸ばしている。まだ少し眠い気がするがそんなことは言っていられない。今日だって仕事に行かなければ行けなきのだから。
「実験も兼ねてるしな。それにいつまでも金が持つ訳でもないし」
俺は一応家からこっそりと金を持ってきている。
だがそれほど多い訳では無い。だいたい後一ヶ月持つくらいだろう。
俺はその後ミオンと合流し、ギルドへと向かった。もちろん朝食をとって。
ギルドに着くとやはり冒険者でいっぱいだった。
俺はその冒険者をかき分けながら、何とか依頼書が貼ってあるボードにたどり着いた。
「ん〜やっぱランクが低いといいのないよな。とりあえず今日はゴブリンでいいか」
相変わらず雑魚の魔物討伐の依頼しかない。仕方ないといえば仕方ないのだが。
「お、ゴブリンルーキー。またゴブリンか? 程々にしとけよっ!」
「そのうち逃げ出すぜ。ゴブリン達が」
「がっははっ、ちげぇねぇ」
俺が一人で悩んでいると横にいた冒険者笑われた。中年男性の冒険者二人にだ。
別に彼らには悪気があるわけではない。それはわかっている。だがイラッとするものはする。
俺は二人の冒険者を無視し、依頼書を受付嬢に渡した。ちなみにミオンはここの酒場で二度目の朝食をとっている。
「そんなに食ってたら太るぞミオン」
「え……」
俺がそう言うとミオンは「そんな!?」という顔をした。――だが食べるのをやめないミオン。
「でも食べるんだな」
「う、運動前だから大丈夫ですよ……」
俺は今、自分の黒炎魔法のことよりもミオンの体型の方が心配だ。
食事を終えたミオンを連れ、俺達は近くの森に向かった。馬車を使わなくても平気なくらいの近さだ。ちなみにプルーネと出会した森は真反対にある。
「よし、行くか。とってもどこに行くわけでもないけど」
「まあそこら辺歩いてればすぐに出てきますしね」
ゴブリンは強くない。だが数が多い。ゴブリンを一匹見つけたら百匹いると思った方がいいだろう。
俺達はしばらく森を進んだ。魔物が出る森のほとんどが整備されていない。よってまともな道がほとんど無い。だから皆獣道を通る。
「みんながみんな通り過ぎて獣道じゃなくなってるってわけですね」
「ありがたいことにな」
そんな話をしながら俺たちは進んでいた。
するとすぐさまゴブリンと出会した。
「今日は俺の実験、てことでいいんだよな?」
「はい! お好きなだけどうぞ!」
今日は俺が魔法を試す番と、ギルドを出る時に決めた。
俺は昨日寝る直前、『鑑定スキル』で『黒炎魔法』を鑑定した。すると三つの魔法と効果が鑑定されたのだ。
「前にゴブリン一体です!」
「よし! 『ブラック・スピア』」
俺が前に手をかざし。魔法を唱えると黒い槍状の炎が現れた。これがその一つの魔法『ブラック・スピア』だ。
「はぁっ!!」
俺はその槍の炎をゴブリンめがけて放った。その槍は凄まじい速度でゴブリンを襲った。
「ギィアッ!!」
その炎の槍はゴブリンの土手っ腹に命中し、絶命させた。黒い炎はゴブリンが光の粒子となるまで燃え続けていた。
その後、俺はゴブリンのドロップアイテムを『収納』した。
「すごい威力ですね。全然反応できてませんでしたよ!!」
「ああ。自分でもかなり驚いてる」
あそこまで威力が出るとはさすがに思っていなかった。強化魔法を使う時と同じくイメージでやったのが良かったのだろう。
「にしても詠唱とかいらないの便利だな」
「え〜ずるいですよリヒト様だけ」
そう。俺の『黒炎魔法』には詠唱が要らないらしい。
職業が魔剣士だからだろうか? 俺が魔法を発動しようした時、詠唱がいらない。そう直感したのだ。
体が、ステータスが、その事を理解しているということだろうか。
「じゃあこの調子でどんどん狩りに行きましょう!」
「じゃないと今日の晩飯無くなるからな」
「それは嫌です!!」
本当に大丈夫だろうか。俺はまだ心の中に心配という感情を持っていた。このままではミオンがガチゴリのデブになってしまうのではないかと。
そんな事を考えながら俺達は再びを森を進んだ。
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