第36話 魔族は意外とお高い
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リヒト Lv29
職業 魔剣士 Lv3
HP 102
攻撃 150
耐久 72
魔力 131
敏捷 153
スキル
魔神化 Lv1
鑑定 Lv2
異空間収納 Lv2
身体強化魔法 Lv3
黒炎魔法 Lv1
恐怖耐性 Lv3
称号
憤怒の罪
武神の弟子
早熟
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「は?」
どうなっている?! 元のレベルの何倍も上がってるじゃねえか!!
「どうしたんです?」
「いや……なんかかなりレベルが上がってたんだが」
まさかレベル一桁の俺達でも倒せる程の敵で、これだけのレベルを上げることが出来るとは思ってもいなかった。
それよりも魔族も経験値になることの方が驚きだ……。
「そうなんですよね。それに私『火炎魔法』も覚えることが出来ました」
「『火炎魔法』って炎魔法の上位互換のようなものか?」
「そんなとこです!」
『火炎』と言うからには相当な威力なのだろう。
「そういえば……」
俺はすぐさま閉じていたステータスを開いた。
そして三十分くらい、ステータスプレートとにらめっこしていた。
ミオンは既におかわり5回目に突入しようとしていた。どんな胃袋しているのやら、と思いながらも俺は追加されたスキルに満足していた。
「どうしたんですか……そんなにニヤニヤして」
「いや、大丈夫だ」
俺が新しく獲得したスキルは『黒炎魔法』『魔神化』そして戦闘の最中に獲得した『恐怖耐性』の三つだ。
『黒炎魔法』は普通にレベルアップで手に入れたすぎるだろう。そしてこの『魔神化』というスキル。クライシスやプルーネの話を考えると、『憤怒の力』『魔剣耐性』この二つのスキルが『統合』されたようなものだろう。
今回の戦いではスキルの取得方法が明確になった、というのが戦利品だろう。もしかしたら基本の基本かもしれないが。
俺はこの事をミオンに話した。するとミオンは目を輝かせ、とても嬉しそうに喜んでいた。口に入った飯を飛ばしながら……。
「『黒炎』てことは炎!! つまり私とリヒト様はおそろいですね!」
「あぁ……分かったから、口の中のものをなくしてから喋ってくれ」
「はっ!?」
ミオンははっとなり、急いで口を手で覆い、恥ずかしそうにしながら口に残ったものを食べている。
「まあおそろいってのはいいよな」
「っですよね!」
ミオンは口の中のものを急いで飲み込み答えた。
いささか危険な行為だ。
「明日にでも試してみるか」
「楽しみですね」
そう言ってミオンは残りの飯にかぶりついた。
俺はもう既に腹一杯なので、俺の肉をミオンの皿にこっそりと移した。
「そろそろ部屋に戻るか」
「はい!」
俺達はそう言って部屋に戻り眠りについた。
風呂はと思ったが、めんどくさかったので朝にはいることにした。
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