第34話 美人に胸あり
あけましておめでとうございます。
滅茶苦茶更新遅れてごめんなさい!!
やっと更新できました(汗)
俺は今、街に帰るために馬車に乗っている。基本的に森など冒険者が行き来するような場所には馬車が通る。だが馬車は整備され、魔物がいない道しか走れないのだ。だから冒険者等は少しばかり歩かなくては行けない。
そこは問題ないのだ。仕事に行く過程で少しばかり歩くのは。問題はその帰り、過酷な戦闘を乗り越えた冒険者は当然疲れている。そんな状態で馬車に乗れば結果は一目瞭然。
現に俺も今襲われている。乗り物酔いに。
「気持ち悪い……」
「え! それって私のことですか!? 私の事なんですかリヒト様!!」
馬車が揺れる度に俺も同じく揺れる。そして頭が揺れ、視界が揺れる。まじで吐きそう。
「あ、いや――」
「いや、ってどういう意味ですか!?」
応えようとしたがやめた。喋ろうとすると吐き気に襲われるからだ。それに少しばかりめんどくさい。ミオンと喋ると体力がかなり消費させられるからだ。
オマケにミオンの声で頭がガンガンする。
もちろんミオンが気持ち悪い訳ではない。
「普段は酔わないんだがな。かなり消耗してるって訳か」
「むむむー、乗り物酔いを治す回復魔法があれば」
「ないのか。まあそんな都合いいもんじゃないしな」
ミオンが申し訳なさそうに言う。
魔法も万能という訳では無い。
というか、普通に酔い止めを飲めばいいだけか。
「というわけで『アイテムボックス』」
俺はアイテムボックスから酔い止めを取り出す。
こんな時のために家を出る時に色んなものを持ち出しといて良かった。
俺は酔い止めを飲み少し横になった。馬車で揺られ眠れはしないが。
そして1時間くらいたった頃、馬車は止まり目的地に到着していた。俺たちは金を払い馬車をおりた。
乗り物酔いはすっかり治っており今は気分がいい。
疲労は全然回復されていないがな。
「さて、さっさと依頼完了させてくるか」
馬車が俺達を降ろしたのは街の門のすぐ目の前。そして門の近くには冒険者ギルドがある。
俺達がギルドに入ると沢山の冒険者と酒の匂いでいっぱいだった。
ここの冒険者ギルドには酒場が設置されており、仕事終わりの冒険者達がよく食事をするらしい。そのため頻繁に冒険者同士のトラブルが起こるらしい。
俺達は酔っぱらった冒険者立ちを避けながら受付嬢の所へ向かった。
俺は受付嬢に、依頼書と予めアイテムボックスから出しておいたローンウルフの皮を受付嬢に提出した。
どうやらこの世界ではアイテムボックスは希少なものらしい。俺は面倒事はごめんなのでアイテムボックスの存在を隠すことにした。
「はい、こちらが報酬金になります。それにしてもさすがですね、ゴブリンルーキーさん」
「は、はぁ……」
受付嬢はニコッと笑いながら俺達に報酬金を渡した。正直そのあだ名はあまり好きではないが、この受付嬢に言われると悪い気はしない。ちなみにミオンはこのあだ名を少し気に入ってるらしい。
俺達はギルドを出ようとした。
すると酒場の方から俺達を呼び止める声がした。
「ようゴブリンルーキ共。ヒック、こっちで一緒に飲まねえか?」
俺達が金を受け終えると酔っ払った男の冒険者が近ずいてきた。
てか酒臭いなこいつ。どんだけ飲んでんだ?
「いや、この後は用事が……」
「なんだつまんねえな。ひっく」
すると一人の女性がその酔っ払いに近寄ってきた。
その女性はこの男と同じで20代半ばくらいだろう。
かなりガタイがいい。剣士かなんかだろうか。
「悪いねあんた。こいつ悪いやつじゃないんだよ。ちょっと酒癖が悪くてね」
「あ、いえ。お構いなく」
多分だがあの男絶対尻に敷かれてやがる。
そんな匂いがプンプンしてくる。
俺はその場からこっそりと離れ、ギルドをを出た。面倒事はごめんだからな。
「それでリヒト様、これからどこへ?」
「んーとりあえずそこの酒場にでも入るか。色々確認したいしな」
「わかりました!」
そう言って俺たちは目の前に見える『ルッサ』という酒場に入った。
「なんというかオヤジ臭いですね」
「ああ……」
店に入ると中年男性の客がかなり居た。というかほとんど中年男性しかいなかった。まあギルドのすぐそばだし、冒険者が集まりやすいのだろう。
俺達はとりあえず席に座った。
「なんでこんなにも男性客が多いんでしょうか」
「あー多分あれだ」
俺が席に座ると、数名の男性客に囲まれた人物がめにはいった。
十代後半の清楚な感じの女性だ。髪はクリーム色で瞳は大きく、当然と言ったように顔が整っている。そして胸もかなり出ている。
どうやらここの男性客は彼女を目当てにこの酒場にきているらしい。
「な、なんですかあの胸はっ!! 見せつけですか!? それとも私への当てつけですか?」
「まあ落ち着けミオン。女は胸だけじゃないぞ……多分」
「多分!?」
彼女の周りの男性は皆おっさん。子供がいてもおかしくないくらいだ。
彼らは、彼女のことを自分の娘のように思ってるのだろう。……多分!!
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