表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/52

第26話 成長という名のレベルアップ

前回のあらすじ


ライト「今日からワイはリヒトやで!」


ミオン「魔法ブッパでゴブリンイチコロやで!」


ゴブリン「.......」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


更新遅れて申し訳ありませんm(_ _)m


 ゴブリンを二十体くらい倒した頃だろうか。俺の頭に声が響く。

 その声は、なんとも言えないような声だ。女でも男でもない声。生を感じさせないような声が、俺の頭に響く。

 そしてその声は一言、俺の頭の中で告げる。


 《レベルアップを確認しました》



 ()はそう俺に告げたのだ。

 俺は一瞬、敵の術か何かと警戒してしまった。だが直ぐにその言葉の意味を理解した。



「ミオン――」

「――ベルノエット様!! とうとうレベルアップしましたよ!!」



 どうやらあの()が聞こえたのは俺のだけでは無かったようだ。ミオンは嬉しそうにはしゃいでいる。

 レベルアップという事はつまり成長という事だ。魔物を一定数倒すとレベルが上がり強くなれるらしい。

 俺としてはこの原理が全くわからない。というかこの世界人々ですら原理を理解出来ていないだろう。リンゴをてから話したら下に落ちるように、極自然の現象なのだろう。 



「レベルが上がったから当然ステータスも上がるんだよな?」

「はいもちろんです。時には基礎ステータスだけでなく、新たなスキルなんかも取得出来たりしますよ!」



 つまりもっとレベルを上げていけば、俺もいずれ魔法が使えるということだよな。これはかなりの朗報だな。

 ちなみに基礎ステータスってのは、HPとか攻撃力とかのことを指す。スキルは鑑定とかのことだな。



「ベルノッ――リヒト様、とりあえずステータスを確認してみましょう」

「ああ、そうだな」



 俺は心の中で、「ステータス」と唱えた。

 すると俺の目の前に、ステータスが現れる。

 ちなにステータスは半透明な板のようなものに映し出されている。



 ――――――――――――――――――――――――


 リヒト Lv2


 職業 魔剣士 Lv1


 HP 25

 攻撃 20

 耐久 16

 魔力 23

 敏捷 27


 スキル

 魔剣耐性 Lv1 

 憤怒の力 Lv1

 鑑定 Lv1

 異空間収納 Lv1


 称号 

 憤怒の罪 

 武神の弟子

 早熟


 ――――――――――――――――――――――――




 敏捷がかなり上がってるな。あと攻撃もなかなか上がってる。だけど魔力は上がってない、と。

 俺は今まで剣を使ってゴブリンを倒してきた。だから攻撃とか敏捷が上がっていたのか? すると魔力は魔法を使わなきゃダメなのか。

 てかちゃんと名前が変わってる。これはありがたい……のか?


「リヒト様、私魔力が10も上がりました!」



 そうか、ミオンもちゃんと成長し……ん? 

 おかしい、よな。そりゃこれだけゴブリンを倒せばレベルが上がってもおかしくない。だが、俺には《早熟》というスキルがある。つまり俺はほかの人間よりも成長が早いのだ。


「成長の早い俺と、ミオンのレベルアップのタイミングが同じ……つまり」

「ん? どうされました?」



 考えられるのは2つ。1つは《早熟》というスキルはパーティメンバーにも効果があるという可能性。もう1つ、それは《早熟》が発動されていないという可能性。



「……今すぐ調べる事も出来るが、今すぐ調べる必要も無い、か」



 調べる機会などいくらでもある。俺は冒険者なのだから。今度、他の冒険者と一緒に仕事に行く時にでも聞けばいい事だ。



「もーリヒト様!!」



 俺が考え事をしていると、ミオンが俺の耳元で俺の名を呼ぶ。しかも馬鹿でかい声で。



「1人で考え事しないでください! 私はリヒト様の()()なのですから」


 ()()、そうだよな。

 仲間は大切にしなきゃな。


「悪いミオン、でももう大丈夫だから」

「そうですか? それならばいいのですが。それより、そろそろ戻りません?」



 確かにゴブリンは充分倒した。だがまだ日は高い。

 何故こんなにも早く狩れたのか、それはミオンがゴブリンを見つける度に全力で魔法を放ったからだ。ミオンは攻撃魔法を打つのが楽しかったんだろう。



「つまり魔力が殆ど残ってない、って事でいいか?」

「いや、そのー、はい……」



 魔力とは魔法を行使するのに必要なエネルギーみたいなもの。ステータスプレートに表示されている魔力の数値は、魔力量では無く魔法を操る総合的な能力の事らしい。


 ミオンは魔法使いすぎてもう戦えない。だから帰ろうと言っているのだ。ゴブリンもかなり倒して魔石も手に入った。別に帰ってもいいのだが――



「――ギルドに戻ってもいいけど、その前にアイツらを何とかしなきゃだな」


 アイツら、それはすぐそばの茂みに隠れているゴブリン達のことだ。



「ギギィィー!!」


 どうやら俺に場所をバレた事に気がついたらしく、茂みから姿を現した。その数10匹。


「うそ、こんなに隠れていたなんて……」

「ミオン、俺の後ろに下がって」


 ミオンはあまりの数に怯えている。

 それもそうだろう。数に勝る力無し、と言う奴もいるくらいだ。それだけ数の力は絶大だ。



「リヒト様、大丈夫なのですか?」


 ミオンの声は震えている。魔法が使えるといってもまだ15の少女だ。当然の反応だ。



「大丈夫だ。お前を死なせるわけにはいかないからな」


 仲間はもう殺させない、俺はそう誓ったんだ。

 それにたかがゴブリン10匹程度、どうということは無い。俺の身体能力は前世とは比べ物にならないくらい低い。フォルテート流もこの体じゃ使える技に限りがある。



「使えるもんは全部使う。それがリヒトの生き様だ!」



 俺は吠え、ゴブリンの大群に突っ込む。

 小細工は一切せず、ただただ突っ込んだ。


「ギキャァーー!!」



 俺の目の前には3匹のゴブリン。どうやら1番奥のゴブリンが指揮を執っているようだ。上位種かなんかだろうか。 

 ゴブリンの身体能力は子供と同等。つまり今の俺でも充分勝っている。俺は勢いを殺さず、一気に技を放つ。



「『フォルテート流 人ノ型 浅斬り』」



 俺は勢いを利用しゴブリンよりも早く動き、ゴブリンの腕に腹、脹ら脛や足首に、浅いながらも斬撃を入れ動きを封じる。

 これが今の俺でも使える技の1つ、『人ノ型(ジンノかた)』。これは基本的に格下相手の拘束用に使う技なので、今の俺の身体能力でも勢いを付ければなんとかなる程度のチカラしか必要としない。必要なのは技術と経験。武神が言うんだから間違いない。

 どうやらゴブリン達は、あっさりと仲間がやられた事に驚いているらしい。だが俺の勢いは止まらない。それどころか先程よりも増している。俺は流れるようにゴブリン達を戦闘不能にしていった。たが最後の1匹、奥でゴブリン達に指示をしていたゴブリンに俺の攻撃は避けられてしまった。



「やっぱこいつ、上位種だな」

「ギィッギッギキー」



 どうやら俺は煽られているらしい。

 正直かなりムカつく。今すぐにでも切り刻んでやりたい。やりたいのだが、あいつの実力は他のゴブリン達とは訳が違う。他よりも知性が高く、俺の攻撃にも反応できる。正直、かなり手強いだろう。



「炎よ 我の魔力を喰らいて 塵をを巻き散らせ 『爆煙』」


 その念唱が終わると同時に、その声の元から魔法が放たれる。俺の後方から放たれた灰色の塊は俺とゴブリンの中間地点に落ち、大きな煙を発生させ爆発した。



「ナイスだ、ミオン!!」


 この魔法はミオンの援護だ。俺はそれを瞬時に理解し、ゴブリン気配を探す。煙の中で相手の気配を察知する、そんなの造作もないことだ。

 俺はゴブリンの気配を察知し、ゴブリンの首に斬撃を入れる。ただの斬撃だ。視覚を失い、相手を見失ったゴブリンにはこれで充分だ。俺の斬撃はゴブリンの首を切断し、その首は地面に落ちる。





「魔石回収っと」


 ミオンの魔法で発生させた煙が晴れると、俺は他のゴブリンにとどめを刺し魔石を回収する。



「リヒト様ってなんであんなに強いんですか!?」

「んー、火事場の馬鹿力?」

「もーまたそうやって」

「でも俺一人じゃ勝てなかったかも。あのミオンの援護のおかげで勝てたようなものだし」

「ほ、ほんとうですか!?」



 あの援護魔法は本当にナイスタイミングだったと思う。あれのおかげで楽に倒せた。

そしてまた、あの声が俺の頭の中で



 《レベルアップを確認しました》



 どうやらレベルが上がったらしい。俺が最後のゴブリンにとどめを刺すと同時に。

 きっとあのゴブリンの経験値が高かったんだろう。


 


――――――――――――――――――――――――


 リヒト Lv3


 職業 魔剣士 Lv1


 HP 29

 攻撃 30

 耐久 16

 魔力 23

 敏捷 35


 スキル

 魔剣耐性 Lv1 

 憤怒の力 Lv1

 鑑定 Lv1

 異空間収納 Lv1


 称号 

 憤怒の罪 

 武神の弟子

 早熟


 ――――――――――――――――――――――――




 やっぱ攻撃と敏捷の上がりが高いな。そして魔力の上がりはゼロ。早く魔法覚えないとな。ミオンが羨ましい


「よし、じゃあギルドに戻るとするか」

「おぉーー!!」


 俺達はゴブリン狩りをした森を後にする。そしてギルドへと向かった。

ブクマや評価等をしてくださった方ありがとうございます!!!

とても励みになっております。

これからも是非よろしくお願いします。

感想もお待ちしてまーす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ