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第13話 兎は月を見て笑う

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「クピッ?」



 その生物は首を傾げている。当然俺はその意味は分からないし知りたくもない。だが俺はその生物を知っている。その名前も、そしてその恐ろしい能力も。



「ディメンションラビット·····まさかお目にかかれるとはな」



 それが目の前にいる魔物の名前だ。見た目はただの黒く可愛らしい兎。だがそれとは裏腹にディメンションラビットの能力はかなり恐ろしい。その能力の名を()()。主に魔物等を転移し、自分の思うままに操るのだ。恐ろしいのはその魔物の数だ。ディメンションラビットは体内魔力が尽きるまで魔物を転移し続ける。




「まじでディメンションラビットなのかよ·····」

「そうらしい·····それよりも早く逃げるぞ!!」


 そう言うと俺達は一斉に出口まで駆けた。逃げ切れるかは分からない。だが俺らには逃げるしかない。いくら俺でも100や200の魔物の群れを、こいつらを守りながら戦い抜くことは不可能だ。



 俺達が出口に到達する寸前、視界は一気に変化した。そこは出口などではなく、白く美しい()。先程いた場所とはまるで違う。当たりを見渡すと別の部屋だということがすぐに分かった。それと同時に、この部屋には出口がない。


 つまりどうゆう事だ? あのうさぎは魔物じゃなくて俺達を転移させたのか? なんのためにそんな事を·····。そんな事より今は脱出方法を考えなくては。

 俺がそう考えた途端()は俺の後ろに居た。


「クピッ?」

「おわっ!?」


 俺はディメンションラビットに背後を取られてしまった。だが驚きながらも俺はディメンションラビットと一定の距離を保つ。こいつの転移魔法には注意しなくてはならない。



「ファレス達は離れていろ!! 1つに固まって陣形を乱すな!! 自分達の命だけを考えろ!!」



 俺はファレス達に指示を出す。ファレス達も自分達が今どんなに危険な状況に侵されているのかを理解しているようだ。物分りが良くて本当に助かる。


 俺がファレス達の方を向き、ディメンションラビットから目を離した瞬間。ディメンションラビットの足元には魔法陣のようなものが光出していた。


 次の瞬間、その魔法陣からは1匹のの生物が現れた。それは魔物と呼べるのかは分からない。だが今まで出会ってきたどの魔物よりも強いのは一目瞭然だ。



「きょ、巨人? だがそんなものが本当にいたなんて·····」



 俺は巨人なんてものいるとは思っていなかった。それは幼い時から全く変わっていない。きっかけはある絵本だった。悪い巨人を人間の勇者が倒すという、なんとも子供向けの絵本ではあったが。当時はこんなでかい生き物がいたら簡単に見つけられる。そう思っていた。見つけられてないのだからいないのだろうと決めつけていた。だが俺の目の前にいる生物は確かに巨人そのものであった。



 何故ディメンションラビットはこの巨人一体だけを転移させたのか。俺の予測だが、転移する物の大きさと魔力が比例しており、ディメンションラビットには巨人1匹しか転移出来ないくらいの魔力量だったのだろう。まあそんな事は関係ないか。どの道倒さなければ行けないのだから。




「ウオォォーーッッ!!」

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