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第10話 ダンジョンの影

おはようございます!!

感想等はお気軽に!


 

「なあなんかここ気味悪くね〜かライトの旦那?」

「·····ああ、この光ってるやつな。でも上の階層にもこんなのあっただろ」



 ファレスはこの光る部屋をどうやら気味悪がってるらしい。それは他のメンバーも同じと言った様子だった。

 俺達が今いる場所は20階層。つまりボス部屋だ。このダンジョン全てのボス部屋は皆天井等が光っているらしい。なので必然的にファレス達は10階層のボス部屋を通って来てるはずだと俺は思ったのだ。

 いくら待ってもファレスからの返事が来ない。代わりに俺の疑問に答えてくれたのはクリルだった。



「実は私達上の階層から落っこちちゃったんですよ。それでガイストが怪我をしちゃってどうしようってなってた時にライトさんを見つけて·····」

「落ちたって5階層以上あっただろ、よく怪我だけで済んだなお前ら」



 ダンジョンの階層には必ずいくつか下の階層に繋がる階段がある。普通はそこを通って下の階層に行くのだ。俺も当然そうしてる。

 ていうか落ちたって何だ? 俺は今までダンジョンに穴やがけのようなものなんて見た事がないぞ。そんなものがあるなんて知らなかったし。

 


「え、5階層以上ってどういう事ですか!?」

「いや、だってここは15階層だぞ。10階層のボス部屋に行ったことがないってことは5階層以上離れてるだろ?」



 普通に考えたらそうなるだろう。というか少しおかしいよな。5階層以上離れてる場所から落ちて怪我人1人っていうのは。何かあるはず、そう考えるのが妥当だ。

 それにしてもこいつらの違和感はなんだ? 最初のファレスと言い、何だか変だぞ。·····まあ今はそれどころじゃないし後回しにするか。



「え!? じゅっ15階層!? 私達今そんな下にいるんですか!?」

「いや、でもおかしいだろ。だって俺達はそんな落ちた感覚がない。精々2階層分くらいだ。それに5階層以上落ちて怪我だけで済むって事はありえないだろ」

「·····確かにそうだな。どう思うライトの旦那」

「ああ、·····そうだな」



 俺はダンジョンに潜る際、事前にベイトさんからダンジョンの情報はあらかた聞いている。だからスムーズにこれまでやってこれた。だが今回のような事はベイトさんからは一切聞かされていない。ベイトさんが知らなかったという可能性もあるがかなり低いだろう。となると残された可能性は2つくらいだろう。



「お前らの言うことが確かなら絶対何かあるだろう。ダンジョンの構造という訳でも無さそうだし、考えられるのは2つくらいだな」

「2つと言うと?」

「1つは何らかの魔物によってお前らが転移させられた。もう1つは人為的に転移させられたか」



 それ以外に考えられないだろう。まず、階層から落ちるということ事態がおかしいのだ。だとしたら何らかの手によって転移させられた、と考えるのが妥当だろう。


 転移というのは転移魔法の事で、1部の魔物や高位の魔法使いが使える魔法らしい。一応このダンジョンにも転移魔法を使う魔物がいる。だがその魔物はボス部屋にしか現れないという特殊な性質を持つ。さらにその魔物の出現率はかなり低いらしく、出会った事のある人間はほんのひと握りらしい。



「となるとやはり誰かの手によって転移させられた、この可能性が1番高いだろう」

「誰かって一体だれが」

「さあな、余程高位の魔法使いに恨みでも買ったんじゃないか?」

「そんな·····」



 3人とも青ざめた表情をしていた。それもそのはずだろう。誰かの手によって下の階層に落とされたのだ。もしこいつらが俺に出会う前に魔物の群れと出会っていたら怪我どころじゃ済まない。最悪死ぬ事だって有り得る。それだけダンジョンは下に行くほど危険が増すのだ。

 今日は魔物狩りは無理そうだな。こんな状態でミノタウロスとかと戦わせたら絶対に死んでしまうし。今日は薬草採取とするか。それにファレスにも聞いておきたい事があったしちょうどいいか。



「よし、お前ら。今日は魔物狩りはやめて薬草採取にするぞ」

「いやでもよライトの旦那」

「ファレス、今日は辞めておこう。無理して怪我をでもしたらどうするんだ」

「そうよファレス。それに、そんな事は貴方が1番分かってるでしょ」

「·····ああ、そうだったな。悪いライトの旦那。気い使わせちまったみたいだな」


 どうやらこいつらは思っていた以上に大丈夫そうだな。きっとこいつらは全員で支えあってきたんだろう。今と同じように。



「よしっと、じゃあさっさと上の階層に行くぞ」


 俺達は薬草採取のために上の階層に上がる。その間俺はずっと考えていた。一体誰の手いよって転移させられたのか。故意か偶然か。何かの陰謀に巻き込まれなければいいのだが·····。


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