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第77話 商談と贈り物

お待たせしました

取り敢えず手を離してもらい、もってきた一式3セットを取り出す。

伯爵様はその瓶を手に取り、念入りにながめていた。

「これが王妃様御用達に選ばれた品か…額はいかほどかな?」

「はい。これらはそれぞれ、

洗髪剤(シャンプー)14000クラム。

調髪剤(リンス)14000クラム。

せっけん4000クラム。

薬用肌用軟膏(オールインワンクリーム)28000クラム。

以上合計6万クラム。

使い心地を試してくれた人達には、これぐらいの値段で販売しています」

「商業ギルドでの販売価格も同じにするつもりです」

この値段設定は、ミルカードさん達に販売していた値段そのままだったりする。

リガルトさんにもチェックしてもらったが、問題ないと言われたので、そのまま販売することにしたのだ。

「うむ、問題はない。3セット全ていただこう。代金を」

伯爵様は嬉しそうに、後ろにいた執事の人に指示をだした。


その執事さんが、伯爵様の指示に従い、お辞儀をして動こうとした時に、贈り物を用意していたことを思い出した。

「あ、そうだ。贈り物をご用意いたしましたのでお受け取りをいただきたく思います」

僕が取り出したのは、簡素な木の箱に納めた4本のオレンジ色のポーションだった。

「これは…ポーションか?あまり見ない色だな」

箱の中のポーションを見て、伯爵様は不思議そうな顔をする。

「それはキュア・ポイズン・ポーション。解毒薬です。大抵の毒なら解毒できると思いますので、緊急時にお役に立つと思います」

僕が説明をし終わると、

「失礼」

執事さんが箱からポーションを取り出し、多分鑑定の眼鏡であろう片眼鏡(モノクル)をかけ、ポーションを凝視した。

そして驚いた表情をした後、ポーションを箱に戻し、

「間違いなく解毒用のポーションでございます。それも上質極まりない逸品でございます」

そう言ってから、箱を伯爵様に差し出した。

この執事さんの行為は、あらかじめ聞かされていたことだった。

こうして目の前で鑑定する事で危険なものではないと証明する為だ。

「随分な物をいただいたようだな。感謝するぞ」

伯爵様は顎に手をやりながら嬉しそうにしていた。


それとは逆にリガルトさんからは、「どうして事前にチェックをさせてくれなかったんだね?」という、鋭い視線を投げつけられた。

でも、贈り物をチェックさせてくれとは、言わなかったですよね?


そんな時に、応接室の扉が不意に開き、簡素ながらも綺麗なドレスを着た女性が姿を現した。

解毒のポーションはオレンジ味です。



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