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第70話 お土産と言う名の自前の品③

暑くなってきました


教会をでて、次の目的地の冒険者ギルド。

正確には、リュゼートさん・グリオルさん・ルイーゼさん・モーティアちゃんの、元・琥珀金(エレクトラム)級冒険者『星嵐(スターストーム)』のメンバーのところに向かう途中、グリオルさん・ルイーゼさん・モーティアちゃんの3人に遭遇した。

すると、僕が声をかけるより先に、ルイーゼさんが声を上げて走りよってきた。

「あっ!ヤムちゃん!よかった帰って来た!」

「どうしたんですか?ルイーゼさん」

ルイーゼさんは僕の手をがっしりと掴むと、半泣きになりながら、

「洗髪剤と整髪剤とせっけんをちょうだい!」

と、訴えてきた。

「ええ?出発前に多めに渡しておきましたよね?」

ルイーゼさんは魔物や動物の解体を生業としているため、血糊や血脂がつくし、臭いもつくから1日の作業が済んだら備え付けのお風呂にはいる。

そのため、旅行に出かける前に、かなり多めに渡してあったはずだ。

「実は私が解体の仕事を始めたことで、女子の解体作業者が増えたの。で、1日の作業が済んだら備え付けのお風呂にはいった時に、勝手に使われちゃったの!

女の子が使っちゃったのは解るわよ?同じ女だもの!それにその子達は使っちゃったあとに正直に謝罪にきてくれたわ。でも許せなかったのは、適量なんかしらないから無駄に大量に使った男どもよ!ヤムちゃんが安くしてくれてるとはいえ、貴重な洗髪剤や調髪剤をドバドバドバドバ…。おまけに『主任。これ彼女にプレゼントしたいからもらっていいですか?』だと?ふざけるんじゃないわよ!」

そのルイーゼさんの表情は、地獄の獄卒鬼より恐ろしかった。

「そのせいで残りが十分の一になっちゃったのよ!アイーダに頼んで分けてもらったけど心もとないの!」

一転してルイーゼさんは必死な表情で僕にすがり付いてきた。

「わかりました。家が決まったら早いうちに製造して連絡しますね」

「あら。定住することにしたの?」

ルイーゼさんと約束を取り付けた時の、家が決まったらという言葉にグリオルさんが反応した。

「はい。資金も貯まりましたので」

「あら!じゃあいずれは、薬の製作なんかの依頼をお願いするかも知れないわね」

秘密にするつもりもないのでそのまま肯定したところ、意外な思惑を聞いてしまった。

「くんくん…甘い匂いがする…」

そこに、モーティアちゃんが鼻をならしながら近寄ってきた。

勿論、クッキーの匂いを嗅ぎ付けたからだろう。

「相変わらず凄い嗅覚ですね…」

僕は、お供え兼お土産として用意しておいたバターたっぷりクッキーをモーティアちゃんに差し出す。

しかしモーティアちゃんは、

「おかしい…もっと違う匂いがしたはず…」

神様のバッグに入っているチョコレートの匂いを嗅ぎ付けているようだった。

これ以上いると、なんだか危なそうなので、グリオルさんとルイーゼさんには香水を、リュゼートさんへの細工の入ったペンをグリオルさんにお願いし、モーティアちゃんにはもうひとつクッキーを渡して、その場を失礼した。

話の筋道がなんとなく出来上がってきました


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― 新着の感想 ―
[一言] 家買って商売始めたらめっちゃもうかりそう。でもヤムだから採算あわない値段設定で儲からないか。
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