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第67話 帰郷と手紙

王都を出発して4日目の昼過ぎ。

ようやくメセの街に帰ってきた。

1ヶ月近く離れていたのもあってか、随分と懐かしく思える。

ともかく、まず行かないといけないのは商業ギルドだ。

預かった手紙を届けないといけない。

門番の隊長さん達に挨拶をしてから、商業ギルドにむかった。


メセの街の商業ギルドは、いつも通り賑やかだった。

それを見て僕は、帰ってきたのだと改めて実感した。

そして、丁度お客さんの相手が終わったミルカードさんに声をかけた。

「こんにちはミルカードさん。今戻りました」

「ヤムちゃん!おかえりなさい!」

ミルカードさんは本当に嬉しそうに僕の手を握ってくれた。

おみやげを渡したいが、それより先にやっておくことがある。

「リガルトさんは居ますか?」

「ギルド長ならいるけど、どうかしたの?」

「リガルトさん宛に預かったものがあるので」

「わかりました。案内するわね」

それを聞いた瞬間に、ミルカードさんの顔つきが、一瞬でお仕事モードに切り替わったのがわかった。


ミルカードさんにギルド長室まで案内されて中にはいると、

「よく戻ってきた。王都はどうだったかね?」

リガルトさんが書類を処理する手を止めて、僕の帰還を喜んでくれた。

その表情からも、本当に喜んでくれているのが見てとれた。

「ただいまもどりました。王都は色々と刺激的でした」

「それはなによりだ。それで、帰った早々に私に何用かな?」

「リガルトさん宛に、ギルドマスターのサヘラさんからお手紙を預かってます」

僕は、サヘラさんに頼まれた手紙をバックから取り出した。

すると何故か、リガルトさんとミルカードさんが嫌そうな表情を浮かべた。

「アルセルフ総帥(ギルドマスター)か…」

「手紙の内容は情報ですね。それははありがたいんですけどね~」

「ど…どうかしたんですか?」

その2人の表情に、思わず声をかけてしまった。

すると、リガルトさんが大きくため息をつき、

「我々は駆け出しの時に、商業ギルドマスター、サヘラ・フェテセイロ・アルセルフ元侯爵婦人に世話になり、ギルド経営や組織における人材育成などを学ばせてもらった。だが、どうにも人を食ったような言動が多くてね。色々と振り回されたのだよ。お陰でいまだに苦手意識がぬぐえない。悪辣な人物ではないし、信用のおける人物なのは間違いないがね」

「悪い人じゃないし感謝もしてるんだけど…。どうにも…ね…」

この2人がこれだけ疲弊するって、サヘラさんはどんなスパルタをこの2人にしたのだろう?

「ともかく手紙は拝見しないと」

僕がそんなことを考えている間に、リガルトさんが気を取り直し、手紙を開いた。

「…王都では随分とトラブルに巻き込まれたらしいな」

手紙を読んだリガルトさんは、神妙な顔つきをしながら僕に声をかけてきた。

「自分から関わるつもりはないんですけど…」

「ともかく、王都観光は楽しめたようでなによりだ」

リガルトさんは手紙を仕舞うと、デスクからファイルのようなものを取り出した。

「そうそう。出発前にいっていた物件の件だが、タイプの違うのをいくつか押えてある。今日は時間もないだろうし、長旅の疲れもあるだろうから、明日にでも見に行くかね?」

「すみません。明日は色々とあいさつをしておきたいので、明後日でお願い出来ますか?」

「ああ、かまわないよ」

「ありがとうございます!」

その言葉に、僕は嬉しさ満載の顔で答えた。

拠点に帰ってきました!


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― 新着の感想 ―
[一言] やっと帰ってこれましたね、サヘラ婆さんの批評が的確過ぎる、リガルトはともかくミルカードさんも苦手なのか。
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