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第61話 判決謁見

何とか出来上がりました

男爵から解放された翌日。


僕は、サヘラさんに付き添われて、国王陛下の御前にいた。

「薬師ヤム。(おもて)をあげよ」

陛下の言葉に従い、僕は顔をあげる。

そこには、昨日の新年の宴の会場にいた偉い人らしい人達がずらりと並んでいた。

「まず、お前の罪科についてだが、捉えた男爵の証言。男爵の配下の者の証言。お前の首にあったものが、間違いなく『隷属の首輪』であった紛れもない事実。お前の身元保証人である商業ギルドマスターであるサヘラ・フェテセイロ・アルセルフの証言。以上の理由から、薬師ヤムには、国王である余を謀ろうという意思は無かったものと判断する」

「ありがとうございます」

これははっきり言って破格の裁決だろう。

この世界の裁判なら、本人の意思に関係なく有罪にされてもおかしくはない。

おそらく、サヘラさんに渡したエクストラポーションが理由なのだろう。

「余の配下が迷惑をかけたな」

さらには陛下からの謝罪のお言葉。

これで文句を言うようなら、処罰されてしまうだろう。

「まったくだね。もう少し気合いいれて引き締めて欲しいもんだ」

しかしサヘラさんは、そんなことはお構い無しに、陛下に嫌味を言う。

それでも鋭い視線が来ないのは、それだけサヘラさんが恐れられているからなのだろうか?


その状態にどうしていいのかわからずにいると、宰相閣下が話しかけてきた。

「ところでヤム君。君は今後はどうするつもりなのかな?」

宰相閣下は、偉い人と言うよりは、学者さんのような印象をうける人だ。

「はい。メセの街にもどり、薬師として静かに生活していくつもりです」

その僕の返答を聞くと、宰相閣下はにっこりと笑った。

恐らく、僕が国外に行くとかでないからなのだろうけど。

「なるほど。メルンケート男爵令嬢ほどではないものの、貴女も優秀な薬師だとサヘラ先生から聞いているからね。メルンケート男爵令嬢の抜けた穴を、頑張って埋めないとね」

僕は、今の宰相閣下の発言に、おかしな所があるのに気がついた。

その理由は、薬師ギルドのマスターの発言で判明した。

薬師ギルドのマスターは、少々頭の毛がお寂しいおじいさんで、杖を手に持ってはいるものの足腰はしっかりしているようだった。

そして満面の笑みを浮かべながら、陛下に薬師ギルドの方針を伝えた。

「つきましては、彼女をメセの薬師ギルド長として、任命しようと思います」

どうやら、宰相閣下も薬師ギルドマスターも、僕が

薬師ギルドの人間だと思い込んでいたらしい。

このまま黙っているのは不味いと思い、真実を告げた。

「あの。私は薬師ギルドには所属しておりませんが」

『『『『『『『『なんだって?!』』』』』』』』

僕の発言に、国王陛下と公爵閣下とサヘラさん以外の全員が驚いていた。

「すまんすまん。説明してなかったのぉ。こやつはな、最初は薬師ギルドに登録しようとしたらしいのじゃが、『この栄光ある薬師ギルドに、何処の馬の骨ともわからないものが近寄るな!』といわれたので、薬師ギルドとは2度と関わらないと、女神パウディルに誓ったんじゃ。そうじゃったな?」

「はい。その通りです」

サヘラさんは、楽しそうに、僕から聞いた話を、宰相閣下や薬師ギルドマスター以下の人達に話してきかせる。

多分わざと教えなかったんじゃないかと、僕はおもった。

そしてそれに一番反応したのは、薬師ギルドマスターだった。

「だっ…誰に!…誰に言われたのだ?」

その迫力は、年齢を感じさせない凄まじいものだった。

「めっ…メルンケート男爵令嬢の後見人のパスメノス子爵様です。ですので、ギルド長のお話は、謹んで辞退をさせていただきます」

「おのれっ…あの若造っ…」

気押されながらもしっかりお断りすると、薬師ギルドマスターはがっくりと膝をついてしまった。

おそらく、国王陛下・公爵閣下・サヘラさんの3人と繋がりのある僕が、自分の配下でなかったことがショックだったのだろう。

あと、あの子爵様とは折り合いが悪いのかも知れない。


コロナの奴はそろそろおとなしくなってくれないものでしょうかね…


創作活動にも影響をだしよってからに…


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