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第57話 反省と後悔

お待たせ致しました


リノちゃんが成長したような雰囲気の女性は、昨日と変わってメイド服をきっちりと身に付けていた。

「あの…男爵様に工房に行くように言われたのですが」

「それでしたらこちらです」

リノちゃんが成長したような雰囲気の女性は、無言のまま廊下を歩くと、屋敷の1階にある部屋に、僕を案内した。

「こちらです」

その部屋には、きちんとした製薬道具があり、材料が入っているらしい箱が山と積まれてあった。

他にも、大きな水瓶や煮炊きの為のかまど。ポーションをいれるための瓶が詰められた箱などが置かれていた。

おまけにテーブルには、朝食なのであろう、ポットとカップ、ブートと干し肉がおいてあった。


僕が部屋の中をチェックしているあいだ。

リノちゃんが成長したような雰囲気の女性が、じっとこちらを見つめていた。

そこで僕は、思いきって声をかけた。

「リノちゃん…だよね」

そう声をかけた瞬間、リノちゃんが成長したような雰囲気の女性は、いきなり土下座をしてきた。

「申し訳ありません!言い訳はいたしません。男爵様の命令で、貴女を拉致監禁するために、貴女に近づきました」

いきなりの行動に驚いたが、今さら謝られてもどうしようもない。

すると、リノちゃんは土下座をしたまま話をつづけた。

「じつは私には妹がいます!その妹の病気を治せる薬を作ってください!虫が良すぎるのはわかっています!そこを何とか!何とか!」

その様子から、必死なのはわかった。

しかしそのために、男爵に情報を渡し、僕に『隷属の首輪』を着けた事は、揺るぎ無い事実だ。

「無理です」

僕のその一言に、リノちゃん。

いや、リノは、やっぱりという表情を浮かべた。

仕返しも含んでいたとはいえ、無理なのには理由がある。

「薬は、診察をしてから、症状に合わせて処方しないといけません。でも私はこの屋敷から出られません。どうやって貴女の妹を診察するんですか?よしんば連れてきて診察するとしても、男爵が許すとおもいますか?さらに、薬の材料は?作る時間は?私はこれから休む暇無くハイポーションを作らされるでしょう。そんな暇はあるとおもいません」

これが、彼女の妹の病気を診てやれない理由の全てだ。

「それに、貴女は私の様に強制されてはいない様子です。貴女の様子からして、妹さんを監禁されているわけでもないのでしょう。その貴女がどういう理由で男爵に従っているかはわかりませんが、私の事を男爵に報告せず、正直に相談してくれていれば、診てあげられたかもしれない。でも、こういう状態になった。それは貴女の判断の結果です」

前世から生まれて初めて、他人に嫌味をいった。

リノの首に『隷属の首輪』はなく、それ以外に彼女を縛り付ける呪いのようなものがないか『完全鑑定』でチェックしたが見付からなかった。

つまり、僕を監禁するための行動は、彼女の意思で行われていたのは間違いない。

それを聞いたリノは、その全ての理由に納得がいったのか、よろよろと立ち上がり、黙ってお辞儀をすると、その場を立ち去った。



リノが立ち去ったあと、僕は備え付けられた椅子に座り、今の自分の状態を改めて考えた。

僕は間違いなく浮かれていたのだろう。

悪意を隠して近づいてくる人に気がつくことができなかった。

前世でそういう人達に酷い目にあわされたのを忘れていた。


今回は僕自信の不注意から起こってしまったと思いたい。

もし、僕から全てを奪った愚神(ぐしん)が復活して、また兄に力を注ぎ始めたのだとしたら、もうどうにもできない。

最高神様が断罪してくれたはずだから大丈夫だと思いたい。


魔法がつかえるようにはなったから、この首輪に大量の魔力を流してオーバーフローさせれば外れるかも知れないけれど、一か八かになるし、出来たとしても周りに被害が出るかも知れない。

とりあえず暫くは、おとなしくポーションを作ることにしようと思う。


愚かな自分への反省の意味もこめて…


この世界の貴族の階級について


騎士(騎士爵):当作品内では、『戦士としての称号』として扱います。

現代だと、剣道・柔道・空手などの段位やボクシングのプロテスト。若しくは警察官や職業軍人としての証明書に近い感じです。

本人しか所持は許されない。子に受け継がせる事はできない。


寸爵:特別な功績・貢献をした者(主に平民)に贈られる。

本人しか所持は許されない。子に受け継がせる事はできない。


男爵:正式な貴族の最下位。家族も貴族となり、子供にも受け継がせることができる。


子爵:正式な貴族の下位。家族も貴族となり、子供にも受け継がせることができる。


伯爵:正式な貴族の中位。

家族も貴族となり、子供にも受け継がせることができる。

この伯爵位から、国王への謁見の申し込みが可能になる。


侯爵:正式な貴族の上位。

家族も貴族となり、子供にも受け継がせることができるのはもちろん、王家からの降嫁も許されるようになる。


公爵:正式な貴族の最上位。基本的に王族の親戚しか許されない。


これ以外にも、

『準男爵』や『辺境伯』等もあるのですが、ややこしやなので不採用にしました



今後の展開をどうしようか本気で悩んでいます

(ー_ー;)


ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします


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