第55話 納得の黒幕
なんとかできあがりました
短めです
どのくらい馬車に揺られていただろうか。
不意に馬車が止まると、袋のまま担ぎ上げられた。
扉を開ける音や、固い床を歩いている靴の音で、どうやら建物の中に入っているのはわかった。
暫く屋敷の中らしき所をあるいたあと、ゆっくりと床に下ろされたのがわかった。
そして紐のほどかれる音が聞こえた後、
「『魔眼は使うな』『目を開けろ』『身体を起こしてそこにある椅子に座った後は微動だにするな』」
という、男性の声が聞こえた。
このことから察するに、どうやら僕は、『隷属の首輪』をつけられたらしい。
そして命令どおり、眼を開けて、近くにあった椅子にすわると、目の前には固太りでにやついた、そしてすこし疲れたような顔をした中年男が立っていた。
「お前が極上品ハイポーションを作れるという事実は把握しておる。この2人が証人だ」
固太りの男の後ろには、リノちゃんの母親と、リノちゃんを成長させたような若い女性が、丁寧に膝をついていた。
「今日よりお前は我がザザーコ男爵…いや、我がザザーコ侯爵家の財産になる!光栄であろう?我がザザーコ侯爵家の財産になれるのだからな!」
固太りの男、ザザーコ男爵は、自分の言葉に酔いながら、回りにいる護衛や使用人らしき人たちに拍手をもらっていた。
「おい女!感謝の言葉のひとつも言ったらどうだ!」
ザザーコ男爵は、僕が一言も喋らないことに苛立ち、不機嫌丸出しで睨み付けてきた。
その時、リノちゃんを成長させたような女性が口を挟んだ。
「男爵様…」
「侯爵だ!」
固太りの男・ザザーコ男爵は、男爵と呼ばれた事に腹を立てたのか、リノちゃんを成長させたような女性の顔を殴り付けた。
殴られた女性は、よろめきながらも膝をつき、
「侯爵様。その女が喋らないのは、さらった時の『声を出すな』という命令を遵守しているからかと」
僕が一切喋らない理由を説明した。
「おお、そうだったな『喋っていいぞ』」
ザザーコ男爵がそう命令すると、声が出せるようになったのがわかった。
「…私にハイポーションを作れ。ということでしょうか?」
僕は改めて、僕にさせようとしていることを訪ねてみた。
「その通りだ。それにな、お前には宮廷薬師になってもらう。お前は知らないだろうが、いまお前の偽者が陛下に紹介され、新年には宮廷薬師の称号を授与される。そしてその宮廷薬師を擁する者には出世が約束される。陛下を謀ろうなど言語道断!新年の宴にお前をつれて乗り込んでやる!それまではここで極上品ハイポーションを制作していろ。道具や材料は明日までに用意してやる。だがその前にお前に仕事をしてもらう。なに、サキュバスのお前にとっては日常のことだ 。だがその前に安全を確保せんとな」
ザザーコ男爵は、実に芝居がかった動きをしながら、説明と指示と願望を口にする。
そして僕に向き直り、
「『儂を攻撃するな』『儂に悪意や敵意をむけるな』『儂の屋敷の敷地内から出るな』『儂の屋敷の敷地内は自由に動いてよい』これで大丈夫だな」
ザザーコ男爵はにんまりと下衆な笑いを浮かべていた。
はっきりいって気持ち悪いだけなのだが、攻撃したり悪意を向けたりできないため、なんとか耐えていた。
「お前達後はもういいぞ」
ザザーコ男爵がそう命令すると、全員が部屋からでていった。
その後に何をされるかは、まあ、予測はつく。
なにより、この部屋には大きなベッドが鎮座しているのだから。
ザザーコ男爵はまたにんまりと笑うと、僕の胸を鷲掴み、
「よい感触だ♪たっぷり可愛がってやるぞ♪」
僕の肩を抱き寄せ、キスを迫ってきた。
ついに事案です!
が、これ以降は…書くと不味いです!
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