第33話 本業の実力
お待たせしました
ちょっと短めです
ポーション製作の工程自体は簡単だ。
①ローア草をしっかりと乾燥させる
②きちんと粉状になるまですり潰して粉砕する
③沸騰させたお湯に②を投入。
④焦がさないように、弱火で30分ほどゆっくりかき混ぜる
⑤5分ほどあら熱をとり、色がクリアになったら完成
⑥100㏄ほどの瓶に小分けする。
ハイポーションの場合は、③の工程の時に、乾燥粉砕させたセーダ草と、生のままのビッキの実も投入すればいい。
品質を決めるのは乾燥の具合と、粉砕の細かさなど色々な要因がある。
マジックポーションも製作工程はほぼ同じで、材料とかき混ぜる時間が違うだけだ。
用意されている材料は、乾燥が必要なものは全て乾燥されているので、直ぐに使うことが出来そうだ。
しかも鍋には既にお湯が張られている。
これなら直ぐにはじめられる。
僕は精神魔法の『念動』を使い、鍋で煮るのにぴったりの量の材料を空中に浮かび上がらせ、粉状になるまで綺麗にすり潰すと、4つの鍋に投入。
生で入れるものも投入。
木ベラを『念動』で4つ同時に動かしてかき混ぜる。
ちなみにビッキの実は混ぜている間に溶けてしまう。
かき混ぜている間に、アイーダさんの指示の元、瓶や補充の材料、輸送用の保管箱などが、次々と用意されていく。
30分ほどしたら火を止めてもらい、原液を『念動』で浮かせて薄く伸ばし、あら熱を取れやすくする。
あら熱がとれたら、そのまま並べてもらった瓶に慎重に詰めていく。鍋1つでちょうど50本分。
蓋をしめたり運んだりは、職員さんとお手伝いの人達にお願いする。
そして、材料がつきるまでこれを繰り返すのだ。
そして、ハイポーションとハイマジックポーションの製作を始めてから4時間。
途中に髭を生やした商人が話しかけてきたり、ギルド内に泥棒が入り込んで騒ぎが起きたりしたが、無事に全ての材料を、ハイポーションとハイマジックポーションに作り替えた。
内訳は、
ハイポーション800本。
ハイマジックポーション400本。
全て極上品で仕上げてしまった…。
気が焦っていたのもあって、いつものように手抜きするのを忘れていたのだ。
ちなみに品質のランキングは低い方から、
無価値
粗悪品
低品質
普通
高品質
優良品
極上品
と、なっている。
品質が上がるにつれて効力も価格もあがっていく。
やってしまったものはしかたないので、とりあえず製作終了の報告をしておく。
「終わりました」
「お疲れ様。いつもあんな感じでつくってるの?」
アイーダさんは軽くあきれながら、作業を見守っている。
「普段ならあら熱はもっとゆっくりとりますよ」
その時、城壁の方から怒号が鳴り響いた。
作り方は実際の煎じ薬の作り方なんかを参考にしていますが、かなり適当です
ご意見ご感想お待ちしております