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第27話 メセの街の風景①

お待たせいたしました

事件当日の商業ギルドでのポーションの買い取り。


翌日の役所での事情聴取。


迷惑をかけたところへのお詫び。


それらをなんとか終わらせ、その翌朝にようやく家に帰ることが出来た。


それから7日が立ち、ポーションの納品の為に、また、メセの街にやってきた。


いつも使っている門の列に並ぶと、前に並んでいた幌馬車から、中年の男性が顔をだしてきた。

「こんにちわ。お久しぶりですな」

「こんにちわ。お久しぶりです」

僕が頭を下げた相手は、商業ギルドに出入りするメリック商会の会長・メリックさんだ。

お店は王都にあるらしく、メセには商品の仕入れに来ているらしい。

知り合ったのは、3回目か4回目の納品の時に、商業ギルドの待ち合い室で、メリックさんが二日酔いに苦しんでいた時だ。


「聞きましたよ。冒険者ギルドに濡れ衣を着せられたとか」

メリックさんは幌馬車を降りると、僕の横に並んできた。

「はい。でも、直ぐに犯人は捕まりましたから」

メリックさんは、恰幅のよい人の良さそうな、まさに商人のテンプレートなおじさんだ。

僕の心配をしてくれているのは本当だろうが、同時に僕が商業ギルドに高品質ポーションを納めているのを知っていて、何とかコネクションを持ちたがっているのだろう。

「たしか、王都から派遣された冒険者と御領主様が捕縛されたのでしたな」

「ええ。目の前で連行されるのを見ましたからね」

まさか僕が捕縛のきっかけを作ったとは言えない。

「しかしまあ、気持ちはわかりますな。貴女の様な優秀な薬師は、是非とも確保しておきたいものです。おまけにそれだけの美しい容姿なら、人気も倍増というものです♪」

「そんなことはありませんよ。買い被りすぎです」

妙に嬉しそうに話してくるメリックさんに対し、僕は愛想笑いを浮かべることしかできなかった。

とはいえ、強引だったり、あからさまな勧誘を仕掛けてこない、まともな人なのはありがたい。

少しおしゃべり好きなのは問題だけど。


「旦那様ー!身分証をおねがいしますー!」

どうやって話を反らそうかと考えていると、御者をしているらしい少年が、メリックさんを呼びつける。

話しながらもゆっくりと列は進んでいたため、いつの間にか順番が回って来たらしい。

御者の少年よありがとう。

「なんだ、もう順番が来てしまったか。では失礼します。また商業ギルドで」

メリックさんはにっこり笑ったのち、重そうな身体を揺らしながら、幌馬車の前方にあるいていった。


城門の警備兵の人達とは、すでに顔見知りになっている。

「やあ、お嬢さん。この前は大変だったね」

ここの隊長さんにいたっては、シフトの関係なのか、毎回顔を合わせる。

ただ、一番最初に対応してくれた人だけは、今だに固い表情をしていたりするのだけれど。


「はい。でもなんとかなりましたので」

僕はそう答えながら商業ギルドの身分証明書を差し出す。

「あのギルド長は評判が良くなかったからな。しかしお嬢さんがあんな手練れだとは思わなかったな」

どうやらチンピラ冒険者を叩きのめした時のことだ。

「護身術として習っただけですよ」

「だとしてもありゃあ達人級だ」

「本当に護身術として習っただけですよ」

嘘はいっていない。

習った先生が闘神様で、訓練した期間が、みっちりではなく、かなり歯抜け状態ではあったが4億2615万3079年程というだけだ。


「まあ、だとしてもお嬢さん1人ってのは気を付けるのにこしたことはないな」

そう言うと、隊長さんは僕の商業ギルドの身分証明書を返却してくれた。

「ご心配おかけします」

心配してくれていることに感謝し、丁寧に頭を下げてから、僕は街に入った

しばしの日常です。


元冒険者ギルド長より早く、商人達には目をつけられていましたが、ミルカードさんが怖くて手を出せませんでした


ご意見ご感想よろしくお願いいたします



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